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その三十七
「これは、すばらしい本だ!」
といいつつモモヨくんに「沼口探検隊のすべて」を返した。本当にすばらしい。マンモスが付くほどすばらしい。
「やっぱりチーフも沼口探検隊が好きなんですか?」
「まあ、好きっていうんじゃないんだけど、おれにとっては、かなりありがたい資料になるんだよ」
「ちょっと迷ったけど、でも持ってたほうがいいかなと思って、頼んだの」
「よかった。ツキがまわってきたぞ。エイエイ、オー」
元内縁の妻がいっているとおり、ギンギンアンデスにイチモツを超元気にする効能がないのだとしたら、大写毛皇帝はこのメロンを食べる意味が実質なくなる。よって、わたくしセンセ殿もギンギンアンデスを献上する必要がなくなるのだ。
ぼくはややぽちゃロリ熟女さんに「ギンギンアンデスのことを調べてくれませんか」と頼んだとき、心のどこかで、
「ホントに三日三晩超元気でいられるのか、ひとつ試してみましょうか」
「そうですね。偉い方に献上されるんでしょうからね」
というような展開も妄想していた。とはいえ、ややぽちゃロリ熟女さんには店を二件もつぶしている娘とひきこもりの息子がいる。最悪の場合、こちらのニート生活に支障をきたすのである。このような展開の先には待ったなしの労働が控えているのである。
なるほどこれまでこのメロンは、だからどちらに転んでも危険だったのだ。デンジャー・ドンタッチだったのだ。しかし効能がそもそもなければどちらの可能性もなくなる。
「エイエイ、オー」
これは、いちばん良い落とし所である。マンモスしめしめである。
「でもチーフ、『ニート生活に支障をきたす』って、なにげに自分でニートって認めちゃってませんか?」
「キャオ! いけない。『隠者生活に支障をきたす』に訂正します」
十時のお茶を飲んだのちにネットで動画を観る。
「モテる男のモテモテノート術」の投稿者が、またぞろあたらしい動画をアップしていた。
あたらしい動画のタイトルは「モテる男のモテモテナンパ術(ホームセンター編)」というものだった。
投稿者がおっしゃるには、平日のホームセンターには性欲を持て余した女性が大勢押し寄せているという。
「とくに収納ケースのコーナーには、むらむらした熟女が、うじゃうじゃいるのか――勉強になるな」
ぼくは真剣に動画を視聴した。ときどき一時停止にして熟考し、またクリックして再生させた。
じつをいうと、最近のぼくは求愛の方法について大いに迷っている。セブンでもローソンでもファミマでもない謎の変なコンビニではたらいている中西さんにたいし、どのように愛を伝えるか、悩んでいるのである。
しかし、ややぽちゃロリ熟女さんという選択肢を捨てたいま、中西さんへの想いをあまり強くしすぎると、投稿者がかつてわれわれに注意してくれたように断られたときのダメージが大きくなりすぎてしまう恐れがある。致命傷になりかねないのである。マンモスオッチョロピーことになりかねないのである。
だからホームセンター等に単身出向いて、ナニしたいランキングにいきなりランクインしちゃうような新星を探し出す必要はたしかにあるのだ。
「エイエイ、オー」




