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その三十三
公園に行くと、ややぽちゃロリ熟女さんはもう芝生広場のいつものベンチに日傘をさしてすわっていた。例によって某博士より世話を頼まれているロボット犬も横に寝そべっている。
藤吉郎様は、ずっとこの某博士を捜していたのだが、さすがにあきらめたのだろう、配下の忍者たちをいったん国元に呼び戻していた。ちなみにこれは、エロエロレギンスさんよりおききしたのである。
「藤吉郎様は、その博士にどんな用があるんだろうね」
「博士は鉄砲よりもすごい武器をつくってるみたいなの」
「大砲とか?」
「親方様は〝大魔神〟とか〝大鉄人〟とかって、いってたわ。それがあれば、天下を統一できるんだって」
ややぽちゃロリ熟女さんは某博士に口止めされているので、博士のことはほとんどなにもいわない。けれどもロボット犬がこちらの国の磁場だかなんだかに対応するために公園に来ていることと博士の名字、そしてロボット犬は正確には犬ではなくキツネだということはこっそりぼくに教えてくれた。
「マラソンの高地トレーニングみたいな感じなのかな」
「ああ、そうかもしれないわね」
「このロボット犬、あっ、犬じゃなくてキツネか――なんとなく苦しそうだもんな」
「散歩じゃなく、訓練って、いったほうがいいのかもしれないわね」
だがしかし、その苦しい訓練もきょうで終わりのようである。ベンチに腰掛けると、ややぽちゃロリ熟女さんが、
「これで、この公園ともお別れよ。わたしともね」
とロボット〝キツネ〟に話しかけていたのだ。
「終了なんですか?」
「ええ――だからもう、博士からお手当も、もらえないの……」
ぼくはもったいぶってもしょうがないので、先ほどATMでおろしたお金をややぽちゃロリ熟女さんにまたぞろ渡した。
「いつも、すみません」
「いえいえ」
早めにお金を渡したのは、こちらにも考えがあってのことである。先ほどのメールには沼口探検隊関連の情報を得たようなことが遠回しに記されていたのだ。ぼくはさっそく質問する。
「なにか、わかったんですか?」
「きのう顧客からきいたんですけど――例のギンギンアンデス」
「うんうん!」
「あれ、『シュークリーム』っていう国のどこかの道の駅で売ってるみたいなの」
「どこの道の駅かは、わからないんですか?」
「そこはお客さまも記憶があやふやだったんだけど、でもわたし、シュークリームなら、たまに仕事で行くから、暇をみつけて探してみるわ」
これはありがたいことである。エロエロレギンスさん情報によると、最近上様はかなりイラついていて、刀を振り回してばかりいるらしいのだ。正室の小蝶様がなだめてくれているからまだなんとか収まっているけれど、場合によっては即切腹というケースもあるという。
「藤吉郎様もときどき呼び出されてるのよ」
「五十万石の大大名なのに?」
「うん。でも親方様は機転が利くから、いつもどうにかして切腹を回避しちゃうの」




