# 92 訓練施設 の強化 その3
セバスチャンにも『盾』のおまもりと『状態異常回避』のおまもりを渡した。
セバスチャンのはレザータイプの三連のブレスレットとクロスのネックレスにした。ピアスも頭をよぎったのだけど、身体であるフィギアはピアスをつけていなかったので断念したのだった。そしてネックレスは服に隠れて見えないのはちょっと残念かな〜
おまもりを作った話をするとセバスチャンは少し目を見開き驚いていた。いつもクールなセバスチャンを驚かせる事が出来るなんてちょっと嬉しかった
ブレスレットとネックレスを身に着け「ありがとうございます……サクラ様から御加護を頂けるとは……光栄です」と微笑まれた
「御加護?」御加護って……『神の御加護がありますように……』ってあの『御加護』?
「いやいや……そんな神様とか女神様の御加護みたいに言わないでよ〜。そんな大層な物じゃないから」私は焦って手をパタパタさせながらセバスチャンに訴えた
「護りを授けて下さったのですから『御加護』で間違いありませんよ」と爽やかな笑顔を向けられた……うっ……
「そうでございますね……」シェリーがポツリと言う
「だ、たよね? 御加護なんて有り得ないよね」
「いいえ。セバスチャンの言葉に賛成でございます。このお力は確かに『御加護』……『サクラ様の御加護』で間違いございません」シェリーに真っ直ぐ見つめられてしまった……。まさかセバスチャンの意見に同意するとは……そっちにもちょっとびっくりだったけど今回は全面的に賛成って顔をしている……うっ……ここはもうこの件に関しては早々に切り上げるしかない……
「ええっと……今日は早く寝て明日に備えよう? セバスチャンも今日は疲れてるだろうから夕飯はデリバリーにしようか。みんな何が食べたい?」
「お嬢様、お心遣い痛み入ります。ですがお食事のご用意は私にお任せ下さい」セバスチャンがにこやかに答える
「……そう? でもたまにはゆっくりしても良いよ?」
「ありがとうございます。今夜のお食事は下ごしらえを済ませてある食材もございますので……。すぐに用意致します」そう言ってセバスチャンはキッチンへと移動した。ふむ……もしかして夕飯の準備の為に訓練室から出てきたのかな? 流石セバスチャン!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
翌朝、私はいつもより早く目を覚ました。遠足が楽しみで早起きの子供みたいでちょっと恥ずかしいけど……今日も訓練頑張ろうっ!
朝食を済ませしばしコーヒータイム。セバスチャンが何となくソワソワしている感じがして意外と言うか……やっぱり? って言うか不思議な感じがした
「じゃあ、今日も訓練始めようか。まずは新しい設定を入れちゃうね」シェリーの訓練室を開けてもらう
「クレーの動きを不規則にしたからしっかり狙いを定めてね。それとシェリーには攻撃魔法だけじゃなくてその他の魔法も磨いて欲しいと思ってるの」
「攻撃魔法以外ですか?」
「うん。索敵? シェリーは敵の位置とか分かるでしょう? そういうのとか解析? 敵のあれこれを解析? 分析? 解読? そんな感じの魔法にも力を入れて欲しいな。なんて思ってるの」
「はい。承知致しました。やってみます」
「ありがと。クレーには色んな属性を混ぜ込んでるから参考にしてみて。他にもシェリーの持ってる魔法も色々試してみてね」
「はい」シェリーが真剣な眼差しで頷いた
「じゃあ次は天ちゃんの訓練室ね」天ちゃんの訓練室にもシェリーと同じ設定を加えた
「レイはどうする? レイにもシェリーみたいに索敵・解析……サポート的な魔法も使えるんじゃないかと思ったんだけどどうかな? ひとりの方が集中出来る?」
「アタシは天と一緒でいいわ。今は。天の動きに合わせて連携とかも考えてみたいし……」
「うんうん。私も連携は練習してみたいと思ってるから私ともやって欲しいな。やってくれる?」レイが連携まで視野に入れてくれてたのが嬉しくてテンションが上がってレイにぐぐっと寄ってしまった
「わ、わかったわよ。考えておくわ」レイに若干引かれてしまった気がして少ししょんぼりしてしまったが「うん。よろしくね」と期待を込めた
「次はセバスチャンね」セバスチャンの訓練室に移動する
「セバスチャンの訓練室にはクレーの不規則な動きともうひとつ追加するね。と、その前にっ!」私は『剣』を取り出した
「セバスチャンには剣を使って前衛での戦いもして欲しいと思ってるんだけどどうかな?」セバスチャンに『剣』を差し出しながら聞いた
「ありがとうございます」セバスチャンが恭しく剣を受け取る
「わたしの内ではこれが最強の武器なんだけど……『銀河の剣』って言うの。それとこっちも……」『大剣』を取り出す
「こっちは『光の大剣』威力はこっちの方が強いけど大剣になるから……セバスチャンの使いやすい方を使って」
セバスチャンは剣を手に取り真剣な眼差しで剣を見たあと軽く素振りの様に剣を振るった
「ありがとうございます。どちらも素晴らしいお品ですね。使いこなせるよう精進致します」
「うん。とりあえずこれを使って訓練してみて。セバスチャンの手に馴染む武器をここの町でも良いし旅先でも……これから探そう?」
セバスチャンの訓練室へみんなで移動する
「『戦闘モード』を追加っと」操作パネルに新しい設定を加える
「戦闘モード……ですか?」シェリーが不思議そうな顔をする
「うん、そう。フィールドの中に入るとクレーが向かって来るの。直接攻撃の訓練って感じかな」操作パネルに追加要素を加えながら答える
「完成。基本操作は同じよ。発射口の位置と発射数、速度と間隔の設定に加えて『同時出現数』を入れたから」
「同時出現数……ですか?」セバスチャンの目が真剣だ
「うん。戦闘モードは基本全部自分に向かって来るからね。一度に向かって来る数には制限を掛けた方が良いと思って。まぁ……障害物の手前で消失する機能はあるからダメージを受ける事はないんだけどね……」
「我々も壁と同じ扱い……という事ですか?」
「そう。だからこっちの攻撃は通るけどクレーからは攻撃は仕掛けて来ない。体当たり的なものもね。ただ目掛けて飛んできて消えるだけって感じかな」
「分かりました……試してみても宜しいでしょうか?」
「もちろん。まずは最低限の設定から試してみて徐々に難易度を上げて行ってね」
「はい。では早速……行って参ります」セバスチャンはパネルのスタートボタンを押し剣を片手にフィールドに入って行く。……なんかカッコ良い……
程なくクレーが発射されセバスチャンに向かって飛んで行く。セバスチャンは落ち着いた様子でクレーを真っ二つに切り捨てた……
――つづく――




