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# 87 新しい武器 訓練 その1

「えっとね、私はおもちゃの水鉄砲とかピストルを原理を参考にしたの」そう言って水鉄砲とBB弾を込めるピストル、そして拳銃型のライターを取り出した

「これはおもちゃ……なのですか?」ふたりでおもちゃの拳銃をしげしげと見つめる


「うん。こっちの水鉄砲は魔力をどれだけの量をどの位のスピードで打ち出すかをイメージする感じ」引き金を引いて水を少しだけ出して見たり勢いよく沢山出したり少なめにしたりと実演してみせる

「ほぉ〜」セバスチャンの目がキラリと光った気がしたのは気のせい?

《凄い凄いっ! お水が飛び出るの?》天ちゃんも興奮している。元々子供のおもちゃだしね。うんうん。

「これは後で天ちゃんにあげるね。新しいおもちゃだよ」

《ホント? わ〜い!》天ちゃんはクルクル回って喜んでくれた

「見せて頂いても?」セバスチャンの眼差しがいつになく真剣だ

「もちろん!」セバスチャンに水鉄砲を渡す。水鉄砲を真剣に吟味するイケメン……なんかシュールだわぁ


「水鉄砲の水だと量とか威力とか微調整が出来そうだからシェリーだったらイメージを練って使いこなせるんじゃないかと思ったの」

「そしてこっちは弾を打ち出すタイプよ」引き金を引いてBB弾を打ち出す

「これだと弾の大きさはもちろんだけど魔力を圧縮……濃縮? そんな感じで調整すれば威力の違う魔法が打ち出せるの。連射も水鉄砲よりしやすいと思うよ。セバスチャンにはこっちが向いてそうだと思ったんだけど?」セバスチャンにピストルも渡す


「こっちのは拳銃型ライターで火を付ける道具なんだけど……私が一番イメージしやすかった物なの。このでっぱりでオイルの量を調整する事が出来て火力が変わるの。これを魔力に置き換えると魔力量の微調整が簡単に出来て私的には使い勝手が良い感じなの」


「なるほど……そんな感じでイメージを膨らませるのですね」

「うん。私は拳銃に先入観って言うか……こういう物だって思考が固まってるからこんな感じでイメージを膨らませたんだけど、ふたりは銃そのものの仕組みとか理解する事でイメージを広げられるかもよ? その後に自分に合った発動の仕方を見つけると良いんじゃないかな」

「本物の拳銃に興味が湧きました。資料を用意して頂いても宜しいでしょうか?」セバスチャンがにこやかにシェリーに依頼する

「はい。ワタクシも拳銃について理解を深めたいと思います」シェリーがあっという間に様々な資料を出す


「じゃあ、ふたりは銃について研究してて。私はもう少し試し打ちしたいから」

「はいっ!」ふたりから明るい返事が返って来る

「あっ、そうだっ! スナイパーライフル……狙撃銃とかも参考にしても良いかも? 使い所があるかは分かんないけど」

「……承知致しました。一緒に調べてみます……ちなみにサクラ様はどの様な物を?」

「私? えっと、とりあえずこれを作ってみた。でもね〜普通の銃と違って今ひとつ使い方のイメージが浮かばないのよね……私には不向きかも」某アニメのキャラクターが愛用するライフルを模してみた物だ

「見せて頂いても?」セバスチャンは興味津々だ。やっぱり男の子だから?

「どうぞ」セバスチャンに渡しながら「ここから覗くと遠くの標的が見えるの」と説明する

受け取ってライフルを構えるセバスチャン……何の説明もしなくても構える姿が様になってるのは……才能? 凄いね

「遠距離攻撃用の銃なのですね」

「うん。でも出番あるかな〜なんて思っちゃって……。とりあえず参考程度に……それもセバスチャンにあげるね」

「頂いてよろしいのですか?」少し驚いた顔をするセバスチャン

「うん。元々セバスチャンだったら使えこなせるかな? って思って作った物だから」



ふたりが銃について勉強……研究? をしている間に私はイメージしていた錠での魔法発動を試してみた

やっぱ魔法って凄いな……イメージがはっきりしていると、思った通りの魔法が発動出来る。曖昧だったり自信がなかったりすると威力が落ちる

一通り試して銃を仕舞い杖を出す。これまでは手に集めるイメージだった魔力を杖に集中する……

「うん。やっぱりこっちの方がしっくりくる」スムーズに魔法を発動する事が出来るマジカルスティック……この杖がこれからの私の武器だ


「サクラ様っ!」シェリーが駆けてくる。なんだか慌てていて顔色が悪い?

「どうしたの?」

「じゅ、銃が消えました……」青い顔をしているシェリー

「ワ、ワタクシの銃とセバスチャンの銃の形状が違うので確認せて頂きたく思い……見せて下さいと手に取ろうとしたら……触れた瞬間に消えたのですっ! それに……ワタクシの銃まで……」シェリーが項垂れる

「動揺したシェリーはご自身の銃を代わりにと私に渡そうとしました。しかし、それも同じ様に私に触れた瞬間消失しました」セバスチャンが補足説明してくれる

「なるほど……大丈夫だよ、シェリー。銃は無くなった訳じゃないから」

「えっ?」不安と少しの希望を宿した瞳が私を見つめる


「ごめんね。ちゃんと説明してなくて」私はシェリーとセバスチャンに手を合わせる

「この銃はね、魔力で出来てるの。2人ともさっきの銃を思いながら魔力を込めてみて」2人は顔を見合わせ頷き合いそれぞれ集中する

「戻ってきました」シェリーが顔を綻ばせる。前々からちょっと思ってたけど……こうして実体を持ったシェリーは仕草や表情が見える様になったこともあり、実に可愛らしい女性だって事が浮き彫りになった。なんだか嬉しくて自然と笑顔になる。

「これは……他人が触れると消失すると言うことなのでしょうか?」自分の手にある銃を見ながらセバスチャンが呟くように言う

「うん、そう。私が託した人にしか扱えない様にしたの。これって魔道具みたいなものかな〜? なんて思っちゃって」

「魔道具……ですか?」少し自分を取り戻したシェリーが尋ねて来る

「うん。これを作る時に魔法陣? そんな感じの物が見えるのよね〜。魔道具ってあれこれあるでしょう? ああ言うのを作れる人にこれが渡ったら魔法陣(それ)を解析されて同じ様な物が大量生産出来ちゃったりするのかな〜なんて思ってね」結構物騒な武器だと思うから悪用はされたくないって思っちゃったんだよね……


「こちらは魔道具と言うより……」セバスチャンが言い淀む

「魔道具と言うより?」セバスチャンの顔を覗き込む

「あっ……いえ……この銃は『創(・)造(・)魔(・)法(・)』ではないかと思ったのです」

「『想(・)像(・)魔(・)法(・)』? うん、確かにイメージ膨らませたし想像力はある方だと思うよ」

「いえ、そちらの『想(・)像(・)』ではなく『創り出す』方の『創(・)造(・)』です」

「作り出す……あぁ〜『創(・)造(・)』ね。分かった。了解」


「『創造魔法』は魔法ですので魔道具とは違います。創造魔法で創られた物質も魔道具として作る事も出来なくはないと思いますが、この銃の様な複雑な物を魔道具とする事は難しいのではないかと思います。創造魔法を使える者も限られておりますし……」考え込むセバスチャン……あれっ? なんかまずかった……かな?


「サクラ様は『創造魔法』をお使いになれるのですね」シェリーがキラキラな笑顔を向けてくる……なんか……キャラ変した様なシェリーの可愛らしさにほわっとなる……


「お嬢様はこれまでに様々な物を創り出して来られました。最初は天殿の雲を借りて……鍛錬を積むことで魔法・スキルレベルが上がり魔力のみでも『創造』する事が出来る様になったのではないかと思われます」セバスチャンがキリリとした顔で言う。考え込んで見えたのはこれまでを振り返ってたのかな? 良かった……やらかしたんじゃなくって


「そうなんだ……ふぅーん」まぁぶっちゃけそんなのどっちでも良いんだけどね

「お嬢様……」セバスチャンが何故か悲しそうな顔をする。 興味なさげな返事がまずかったかな?

「あ〜あのね、試し打ちしてみたりして他の形状の銃が良さそうだったら言ってね。ふたりが扱いやすい物を作るから。良さげなモデルがあったら遠慮なくいって」私は話を逸らす様にふたりに言った


――つづく――

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