# 86 新しい武器
シェリーのお説教……杖を試した時の事を事細かく聞かれ、レイにも確認を取っていた
とりあえずは危険な事はしなかったと分かって貰えた様だが、「おひとりで突っ走るのはおやめ下さい」と最後は泣き落としに近かった気がする。シェリーは心配性過ぎるんだよ……と少し思わないでもなかったけど、シェリーの気持ちが嬉しかったのでこれからはひとりで勝手をしないと約束した
作ったマジカルスティックが思った通りの魔法の杖として使えるのか……とりあえず魔力の発動が可能なのか試してみたのだった
火・水・風・土・雷・光……と魔力を杖に込めてみただけで魔法を発動させた訳ではなかった。とりあえずそれぞれの反応はあったので実際に技……魔法が発動出来るかはきちんと検証したいとは思ってるんだけどね
「魔法の杖の性能も試してみたいし広い場所に行きたいんだけど何処が良いかしら?」
「広い場所でしたらこちらで宜しいかと……」セバスチャンが庭を指し示す
「庭?! 庭で魔法使って大丈夫なの?」
「ええ。ここは亜空間ですので……」そう言って庭に出て行くセバスチャン。私達も後を追った
「どの様な空間をお望みでございましょうか?」恭しくお辞儀する様が私的にはツボでついみとれてしまう……なんかカッコ良いじゃない……
「えっと……シェ、シェリー『射撃訓練場』の画像とか出せる?」
「少々お待ち下さいませ」スクリーンにドラマとかで見た事のある『射撃訓練場』が映し出される
「うんうん。こんな感じ。これをここに再現出来る?」
「畏まりました。大きさはいかほどでしょうか?」
「シェリー、お願いして良い? 私よく分かんないから……まずは初心者向けって事でそんなに広くなくて良いと思うんだけど……」
「畏まりました。では……警察学校の射撃訓練場が宜しいでしょうか……」そう言ってセバスチャンに広さや的の大きさ等を説明するシェリー。そんな詳しく分かるんだ……凄いな……どうやって調べてるんだろう?
「了解です」そう言ってセバスチャンはなにやら呪文の様な言葉を唱えた…………
「凄〜い」一瞬で庭が射撃訓練場になった
「こちらで如何でしょうか?」
「うんうん。イメージ通り! 凄いねセバスチャン。ありがとう!」
「お望みの空間の様でホッとしました。では、そちらの武器とこの空間の使い方をご説明頂けますか?」
「うんっ! まずこれは『拳銃』って言う武器なの。本物は見た事無いから私の中のイメージだけなんだけどね」
「本物をご覧になった事がないのですか?」
「そう。この形で同じ様に使える武器が欲しかっただけだから構造とかは無視なんだけどね。でも仕組みとか分かってた方が良かったら……詳しくはシェリーに資料とかお願いしても良いかな?」
「畏まりました」
「とりあえずはどんな物なのか説明するね」
「よろしくお願いします」
「簡単に言うとこれは弾丸を込めて引き金を引くと弾が発射されるの。これを応用して引き金を引くと魔力が様々な魔法となって発動されるって感じをイメージして作ったの」
「なるほど……魔法の杖と同じ性能があると言う訳ですか?」セバスチャンがふむふむって感じで頷く
「うん。そうだね。だけど普通に発動するより威力が大きいのがこの拳銃の利点なの」ちょっとドヤる……
「百聞は一見にしかず。使ってみるね」私は的に向かって杖を構えた
「まずは通常魔法……ファイヤー」小さく唱える。バレーボール位の大きさの火の玉が的に向かって飛んで行き途中で消えた
「次はこっちね。ここのグリップの部分に魔力を込めて溜めておいて……引き金を引く事で魔法が発動するの。引き金を引く時にどんな魔法を発動させるのかイメージすれば大丈夫」拳銃を構え引き金を引く。テニスボール大の火の玉があっという間に的まで到達して消える……
「あれっ? 消えた?」
「あの的の周辺は危険がない様に魔力を吸収する様になっております」
「へぇ〜凄いね。確かに安全だ」んっ? でも威力が分かんない……よね? まぁいいか……
「こんな感じ。普通の魔法より飛距離とスピードが勝る遠距離攻撃が可能になるの」
「杖からと拳銃からではファイヤーボールの大きさが違いましたが……」
「うん。同じ魔力で発動したんだけど、拳銃の方が魔力が圧縮される感じで形はコンパクトになるの。でも威力は同じ位だよ。同じ大きさの魔法にも出来るけど、その分多くの魔力が必要になる。もちろん威力も上がるよ」そう言ってもう一度銃を構えてファイヤーを発動する。バレーボール大の火の玉が的へぶつかって消える
「こんな感じ。他にもイメージすれば色んな技が出せるよ」
私は風属性・雷属性、その他の魔法をあれこれ発動させる
「サクラ様……素晴らしいです……」
「本当に……言葉を無くすとはこの様な心境なのですね……」
「いやいや……シェリーにもセバスチャンにも出来るから。私はちょっと先に沢山イメトレして色んな魔法を考えただけだから……」ただ妄想して遊んでただけなのになんだかめっちゃ褒められた感じがして照れくさくなった
「で、これがシェリー用の拳銃。こっちがセバスチャン用の拳銃」ふたりにそれぞれをイメージして作った拳銃を渡す。差し出されて反射的に受け取った感のあるふたりは渡された拳銃をしげしげと眺めてるけど戸惑ってる感じがなんか可愛い……
「でね、そのイメージの作り方のコツなんだけど……」そう言った瞬間、真顔なふたりにずずっと詰め寄られて私はちょっとたじろいだ
「コツとは? 伝授して頂けるのですか?」なんかキレイにハモってるんですけど……ははっ
――つづく――
しばらくこの件が続きます。
ダレてしまうかも……とも思ったのですが……
数話読み飛ばしても問題ないかもですm(_ _)m




