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滅多にない困った事も起こりますご注意ください

突然女性が店内に駆け込んできた。そしてレジにいる松岡に大声をあげ


「ちょっと、あんた達あの人をどこに隠したのよ」


と叫んだ。女性はたじろぐ松岡とお客達を尻目に店内に響く声で


「知ってるんだからねとっとと出てきなさいよ」


と言う女性に松岡は意を決して


「お客様、他の皆さまのご迷惑になるので静かにしてもらえますか?」


と言うとカッと目を見開き


「何よあんた、まだしらばっくれるって言うのね」


掴みかかろうとする女性を見て李々子があわてて駆け寄り声をかけた。


「お客様、落ち着いて下さい」


すると女性は李々子をにらみ


「だったら早く武文(たけふみ)を出しなさいよ、居るの分かってるのよ」


と李々子につかみかかる女性に巧馬はあわてて走りよりその腕をつかんで


「お客様、暴力はやめてください」


と冷静な声で女性に言った。その目つきの鋭さに女性が怯んでいると、ひかる店長があわててやって来て女性の反対側の腕を捕まえた。

店内はいっそうザワついていたが緊急事態なので知ったこっちゃないと言うオーラがひかる店長から溢れていた。


「なっなによあんた」

「私ですか店長ですけど、他のお客様のご迷惑になるので事務室に行きましょうね。永塚行くわよ」


女性は巧馬とひかる店長二人に捕まっているので逃げることができず足を振り回して暴れている。


「ちょっと何なのよはなしてよ、はなせったら」


そんな女性をつれていく二人をさっきまでザワついていたお客や皆は呆然と見ていた。

李々子があわてて店内のお客に


「すみません皆さん大変お騒がせしました」


というと見物していたお客達も落ち着きを取り戻し散らばっていった。

しばらくして男性が駆け込んで来た。


「あの、うちのがうちのが来てませんか」


あっと気付く李々子たち、鬼の形相で伊織がその男性に近寄り胸ぐらを掴んだ。


「うっ」

「お前か宍戸、いい加減にしてくんないかな、あんたがどこで何をしようが構わないけど私らを巻き込むのやめてくんない」


苦しそうな男性は申し訳なさそうに


「すいませんお怒りはごもっともです本当にすみません。それであの…うちのは」

「はあ?」


今にも首をへし折りそうな勢いに、李々子が伊織の手をつかみ


「伊織さんそれ以上締めたら死んじゃうから落ち着いて深呼吸して」


と言うと伊織は男性から手を離した。


「ちっいいところで」


と言う伊織に李々子は


「伊織さんの気持ちは凄く分かる私も本当なら顔も見たくないけど昔の話だし、今は緊急事態だから」

「分かってるわよ宍戸あんた命拾いしたわね」


「じゃあ宍戸くん彼女のところに案内するからついてきて」


男性を連れていこうとする李々子に伊織が


「ちょっとリーコいいの?」

「うん心配ない」


と言いつれていった。


「本当にリーコはお人好しなんだから」


去っていく二人を苦々しく見ている伊織が立ち尽くしている松岡に気がつき


「松岡あんたね本当にダメね、ああいうときは真っ先に動かないと。完全に永塚に負けてるじゃない」


と言い捨てて奥に去っていった。


「…」


なにも言えない松岡だった。事務室ではまだ女性が店長に向かって叫んでいた。


「今頃になって奪い返そうっての岳はね私と結婚したの、お腹に子供もいるのよ」

「だから私たちは全く関係ないから」

「しらばっくれる気なのね」


そこに李々子と男性が入ってきた。女性はそれを見て李々子に飛びかかろうとした。


「この女か」

「やめろ」


男性が叫んで抱き止めた。


「違うんだ、ゴメンちゃんと別れてきたからゴメンな」

「違うって…別れたの本当に?」

「うんお腹の子にさわるから頼む落ち着いてくれ」

「本当に本当?」

「ああ本当だよ」


徐々に落ち着いてきた女性が今の状況に気がつき震えながら


「あっ私…」

「ほら皆さんに謝って」

「ご迷惑をおかけしてすみません」


怒りが爆発している店長がそんな男性に近より


「あんたさ、あっちこっちの店舗で同じ事してるって通達来てたわよ。もとの売り場に迷惑かけるなんて最低よね、二度と来ないでくれるかな」


というと男性が


「はい、すみませんでした…行こう」


と彼女を抱えあげ


「李々子もごめんな」


と言った。巧馬はいらっとして拳を握り締めひかる店長はあからさまに嫌な顔をして


「はあ?」


と言うと李々子が


「あのね君に呼び捨てにされる筋合いはないから二度と呼ばないで」


と言うと男性は焦って


「ごめんなさい瀬名さん」


と言い深々と頭を下げて二人は去っていった。

後ろでずっと我慢して事のなり行きを見ていた伊織が3人に近寄り


「店長もリーコも、あのクズにもっと言ってやってやれば良かったのよ」


と言うとひかる店長が


「伊織あんたの気持ちは身に染みて分かる、でも店内やこの事務所がアイツの流血で染まるのはどうかと思うわ」


と言うと伊織は深く頷き


「そういえば言えばそうねアイツの血の染み込んだ机なんて最悪だわ、それにもうお客様も落ち着いたしね」

「そうでしょそうよね」


と伊織とグータッチをしたあとひかる店長は李々子と巧馬を見た。ほっとしている李々子とは違い拳を握りしめている巧馬に気付いた。


「やば、永塚ごめんねアイツは最低最悪なヤツなのよ実はね」


と言うと李々子が


「店長それ私が説明するから、ごめんね永塚君を巻きこんじゃったね。さっきの人は私の元同僚と多分その奥さん」


たまらず伊織が


「ハッキリ言っちゃえばいいのよ、あいつはね6年前にリーコに付き合って下さいって言いながらすぐ他の店舗の女とくっついて、リーコとはまだ付き合ってもいないのに復縁したいだのってしつこかったアホ男なのよ」


伊織の言葉にひかる店長は大きく頷き


「あれは完全にストーカーだったわね、あんなことされたら怖いし悪寒もするわよ。待ち伏せはあたり前だし帰り道の暗がりで腕を引っ張られたり抱きつかれてたりして、警察沙汰にしようって何度もリーコに言ったのに」


とひかる店長が言うと伊織は


「私達が本社に証拠も出して報告し対策をとったら、他の女性にもストーカーをしていたのがバレた懲りないクズ中のクズなのよ」


伊織の言葉に李々子は


「伊織さん、そこまで言わなくてもいいって」

「なにいってんのよ一番被害を受けたのリーコでしょ、あのクズのせいで男性に近寄られるのが怖くなったんだから。去年仕事辞めてくれて清々してたのにさ」


と言うと巧馬は思い出したように


そうだった一人で帰るのが怖いからってリーコさんは電話しながら帰ってたね


「本当は大切な人ほど守らなきゃいけないのに」


巧馬が言うとひかる店長が深くうなずき


「永塚その通り守らなきゃいけない好きな人を怖がらせて、しかも他の女をキープだなんてうちの旦那だったら半殺しだわよ」


あり得る本当にやるよこの人


と三人が思っていると伊織が


「この間やっと元同僚の子におさまったって聞いたのに、すぐ別れたって言うから何があったのかって思ったら今日の事で納得したわ。あの女が子供が出来たって奪い取ったのねアイツのどこが良いんだか」


と言うとひかる店長が


「本当にどこが良いのやらだわ、でもさ凄い奥さんもらったもんねこれが本当の自業自得ってやつねザマないわ」


と言った。そんな2人に李々子が


「まあ怪我人もなく無事に終わってよかったし、あれ以上いられたら本気で彼を蹴り飛ばしてたかもだからちょうど良かったと思う」


と言うので店長が


「リーコは我慢しなくてて良いのよ証拠が残らないように殺っておしまいなさい」


と声をかけた。李々子は


「それ怖いし確実に捕まるから…でも本当に自業自得だと思う。私的には本当に決別できてスッキリしたけど、とりあえず今晩は本気で呪っとくかもだけど」


と言って笑った。伊織が


「いやいや、ある意味それが一番怖いかもよ」


と言うと李々子が


「じゃあ伊織さんも呪っておこうか、どうなるかな」

「ちょっとリーコやめてよね」


本気でビビる伊織を見て李々子は笑った。それを見ていたひかる店長が李々子に


「リーコ許す、たまには伊織を呪っとけお仕置きがわりにね」


と言うと焦った伊織が


「ちょっと店長なに言ってんのよお仕置きってやめてよね」


と言い3人は笑いあった。


本当に良い職場だな


と巧馬は微笑ましくみていると李々子が


「永塚君には多大な迷惑をかけたね、ごめんねありがと」


と言う、巧馬は焦って


「そんなリーコさんが悪い訳じゃないし、たいして役に立てないかもだけど出来ることがあればいつでも力になるから」

「ありがとう頼りにしてるね」


と微笑む李々子を巧馬は優しく見つめた。

その日の夜中目を覚ました巧馬はまだ夢の中にいるようだった。


今日のは何なんだ?一日中自分じゃなかったようなまるで夢の中で見ているようだった…

こんなことはじめてだ


そう呟き天井を見ていると巧馬はすぐに深い眠りにおちていった。

どれくらいたったのか、しばらくしてもう一度目を覚ました巧馬は姿見鏡に向かいそこに映る自分を見つめた。その眼はとても鋭く普段の巧馬ではなかった


「もう二度とあんな怖い思いをさせないように今度こそちゃんと守らなきゃ」


と言うとフッと微笑み


「おいお前、頑張ってくれよ」


そう言い自分の肩を叩いた。


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