↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/51

1-5

 捜査局を出ると、ディランがすぐ脇の壁に寄り掛かり、苛立たしそうにジゼルを待っていた。

 

 二人の目が合った。ディランはゆっくりとジゼルに向き直り、寄り掛かっていた姿勢を正した。


「いいか。局長命令で仕方なく連れて行ってやるが……」


 ディランは威圧するようにジゼルへ近付いてきた。彼はジゼルの目の前に立つと、軽く腰を屈めて、ジゼルの顔を覗き込んだ。


「俺の足を引っ張るんじゃねぇぞ」


 なぜ、この男はこんなにも偉そうなのか。

 これまで王太子の婚約者として、そして公爵令嬢として扱われてきたジゼルに、初対面からこんな態度を取る者などいなかった。


 だからジゼルは、反抗的な態度で応戦する。


「この私にその態度、許されるとでも⁉ 私は、ジゼル・エヴァレットなのよ!」


 あまりの無礼さにカッとなり、ジゼルは反射的に自分の身分を振りかざした。


「……くくっ……」


 するとディランは、馬鹿にしたように笑って、意地悪そうな表情を浮かべて言った。


「そうか。俺はディラン・アシュクロフトだ。どうでもいいから行くぞ、高慢令嬢さん」


 ディランはジゼルに背を向けると、振り返ることなく先へ行ってしまう。


「……え? アシュクロフト?」


『アシュクロフト』……それは、王家に次ぐ家格を誇る大公家の名だ。


 ジゼルは驚いて目を見開いた。


 身分でも勝てないと分かり、遠ざかっていくディランの後ろ姿を睨みつける。


 そして悔しそうに地団駄を踏むと、慌ててその後を追いかけるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。