↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/43

2-5

 アーネストが訝しげにディランを見ると、彼は素っ気ない態度で言った。


「こいつ、俺につけといてください」

「え⁉」


 アーネストが反応するよりも先に、ジゼルが驚きの声を上げていた。

 ディランがジゼルを見る。二人の目が合った。


「案外、便利だったんで」


 ディランは淡々とそれだけを言い残し、そのまま捜査局から出て行ってしまった。


「……ということだ。ジゼル、お前は明日からディランのもとで、捜査官としてしっかり学ぶように……」

「言い逃げですの⁉︎ 待ちなさいよ!」


 アーネストの言葉の途中で、ジゼルはディランの後を追いかけて行ってしまった。


「局長の姪っ子さん。とても元気で可愛らしい子ですねぇ」

「……」


 のほほんと笑うベティの横で、アーネストは疲れた表情を浮かべた。




 捜査局を出てすぐ先の廊下に、ディランの後ろ姿を見つけたジゼルは叫びながら追いかけた。


「ちょっと! 私、貴方と組みたいなんて一言も……」


 ディランが突然立ち止まる。するとジゼルは勢い余ってディランの背中にぶつかってしまった。


(うぅ……顔面に魔法を食らったことといい、今といい……今日は厄日ですわ)


 ぶつけた鼻を押さえながらジゼルが涙目になっていると、ディランが振り返る。


「文句ある?」

「文句しかありませんわ!」


 ディランは眉を顰めると、ジゼルの顔を覗き込むように腰を屈める。


「なんだよ。お前のこと認めるって言ってんのに、なにが不満なんだよ?」

「み、認める……? 私を……?」


 まさかディランの口からそんな言葉が出てくると思わず、ジゼルは目をぱちくりとさせた。


 驚きのあとから、なぜかじわじわと嬉しさが込み上がってきた。


(今日一日私のこと、邪魔だとか何だと散々言っていたくせに……)


 上手く文句が続かない……


 驚くジゼルを見つめていたディランは、にやりと意地悪な笑みを浮かべた。


「そ。お前の『解析魔法』だけ、な?」


 そう言って、ジゼルの顔のガーゼを軽く弾く。


「何回見ても間抜け顔だな。明日からは気をつけろよー」


 ジゼルが顔を押さえている間にディランは愉快そうに笑うと、背を向けて再び歩き出した。


 ジゼルは信じられない気持ちで、ディランの背中を睨み付けていた。


「やっぱりあの男、腹が立ちますわー!」


 ジゼルの怒りの叫びが廊下に響き渡る。ディランは振り返ることなく、小さく手を上げると、そのまま去っていったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。