110話 違和感
ここ短時間でいろいろあった、ありすぎた。うららがヴィンフリートと戦ってたかと思えばルシファーが現れて、それから……まあいろいろとあった!……
なんとか正常に戻ったうららを先に進ませた後、残った者は残った悪魔らの相手をする。
あ「はぁ~、やっぱり魔界ってずっと居ると気分が優れなくなってくるわ……」
ゆ「なら帰ればいいだろ?」
あ「私の立場上出来るわけないじゃない。それに私1人でゲートは作れないし、しかも私たちを送ってくれたデトレフだっけ? あの悪魔も居なくなったし」
っっ……! 確かに辺りを見渡しても奴が居ない。あいつどこ行ったんだよ……
ゆ「ん……! ………いいか、俺が合図したら全力で飛べ」
あ「え? なにが? どういう……」
ゆ「飛べ!」
あ「わわっ?!」バッ!
俺の合図と共に彩が飛ぶ。すると(速すぎて)見えない斬撃を瞬時に受けきる。
ゆ『傷負ってるのにあの速さかよ……』
サ「2人一緒に狙ったのだが……攻撃のタイミング、速さ、正確さ、どれもよく読んだな」
ゆ「そりゃぁどうも」
あ『あの悪魔の攻撃を一瞬で……? ゆう、私を巻き込まないために……?』
サルドの相手は俺だ。成り行きで彩がたまたま近くに居たからこうなったが、戦うなら1人の方がいい。むしろ連携とれる気がするのはあいつしかいないから。そんな事を思いつつ俺は剣を構える。
◇◇◇
ルー「ちょっとおかしくない?」
ルーバッカは違和感を感じた。
リ「まだまだいけるぜ」
ルー「っっ?!」
リュカの攻撃が止まらない。悪魔に効く浄化の光やらなにやら食らわせているにも関わらず、むしろ敵の攻撃が激化してきていた。
イ「は! おら!」
コ「ぬぅん!」
コデルロスはイェルマインと魔力を交えた肉弾戦をしている。
イ「さっきの威勢はどうした!」
コ「ハッハー、私はいつでも元気だぞ~!」『攻撃が重くなってきているようだな。なぜだ……?』
コデルロスもその違和感に気づき始めた。
◇◇◇
ゆ「つぅ?!」
なんだ?! 奴の攻撃がさらに速く?!
サ「もらった!」
ゆ「っ…! させるか!」
サルドの一撃を防御したと思ったが少し遅くかなりの痛手を受けてしまった。
ゆ「ぐっっ?!」
サ「フフッ……」
あ「きゃぁぁ?!」
ゆ「っっ?!」
彩の悲鳴が聞こえ振り向こうとしたが、
サ「よそ見厳禁!」
ゆ「うおっ?!」キィィン!
サルドがそうさせてくれない。ギリギリで受け止めた。明らかにおかしい。なんなんだ……?
そう、敵が全体的に強くなってきているのだった。すると、
キ「しっかりしろ」
サ「っっ?! うぐ?!」
ゆ「え?!」
サルドをキャンベールが魔力で吹き飛ばした。俺をふとキャンベールを見る。キャンベールは彩を片腕で抱えていた。そんなキャンベール自身もそこらじゅうに傷を負い血が流れていた。俺より酷い。
ゆ「傷が……」
キ「そんなものいつでも治せる。それよりこいつを連れて逃げろ」
キャンベールはすでに意識のない彩を差し出してきた。でも……
ゆ「悪いが、それは出来ない」
キ「……」
キャンベールの冷たい目線が肌に刺さる。するとキャンベールは、
キ「はぁ……おそらくあいつの魔力だ」
ゆ「え?」
キャンベールはため息まじりでイェルマインを指差した。そして、
キ「理由はお前が考えろ。それと………誰とは言わんが悲しませるのはやめろ」
ゆ「っっ……!」
キャンベールは彩を再び抱え直してゲートを開いて入っていった。おそらく彩を安全な所に連れていくためだろう。
俺が残るということを理解してくれたキャンベール。悲しませるな、ねぇ……つまり死ぬなってことか? それともまたまた俺の姿をあいつの前から消すなってことかな笑?
サ「邪魔が入ったがまあいい」
ゆ「っっ……!」
サルドがいつの間にか近くまで戻ってきていた。
サ「続きを始めよう」
そう言うとサルドはまた速く動く。俺はそれに痛む傷を我慢しながら対応する。それに比べて奴はまるで傷を全く気にしていない。明らかにおかしい。理由は……?
そうだ! キャンベールはイェルマインがどうとか言ってたか? なんでそんな他人が他人に……
そうか、イェルマインは他人を強化できる魔力を持っているのかもしれない。サルドも、リュカも、周りの悪魔たちも、もちろん自身も強化出来るということか。それなら納得できる。
だがここが『魔界』だからという説もある。彩も言ってた通りここに居ると気分が悪い。逆に悪魔が『天界』に行くと気分が悪いと言っていたのを聞いたことがある。つまりそれぞれの世界にあった環境なら力も増幅するということ。
でもそれなら最初から強いはずだ。サルドは途中から強くなり始めた。傷を負っているのにだ。それは他の奴らも同じ。なら誰かが魔力とかで強化していると考えるのが妥当だ。
ゆ「おい、そんな力使ってて恥ずかしくないのか?」
サ「なに?」
俺はサルドに話しかけた。揺さぶってやる!
ゆ「剣を使う奴なら分かるだろ? 他人の邪魔は集中が切れるって」
サ「なにが言いたい」
ゆ「イェルマインの魔力を借りて俺を倒してもお前の実力じゃないってことだ」
サ「っっ?!」
サルドの動きが止まり、俺から距離を置いた。ビンゴだ。
サ「なぜそれが?」
ゆ「戦いにおいて相手の魔力を知ることも重要だ。それが別の相手でもな」
今のところただの推測だが……本当は別の奴かもしれない。でもサルドの反応を見る限りイェルマインで間違いはなさそうだ。
サ「そうか……それもそうだな……」
よし! これでサルドは……
その刹那、
サ「…とでも言うと思ったか?」
ゆ「は……?」
ザシュッ!!
ゆ「がっっ……?!」
サルドは全てが無駄だというように一瞬にして俺の腹を切り背後に回った。俺はそのまま膝から倒れる。切り口から血がドクドクと流れる。それをサルドは見て言う。
サ「お前の言うとおりイェルマイン様の魔力で強化されている。それも全体的にだ。お前は恥ずかしくないのかと言った……」
そして嘲笑うように、
サ「我にそんなものはどうでもいい。悪魔だからなぁ!」
ゆ「っっ……!」
クソ! ちくしょお! よく考えればそうじゃねぇか!
最初はなに悪魔のくせに礼儀正しくしてたと思っていたが、俺と彩を一緒に狙ってたじゃねぇか。まとめてやれるならこっちにとってもそうだが、とにかく性格だ!
奴は悪魔だ! 期待を裏切られたのなら理由はそれでいい。だって悪魔はそんな脅しや揺さぶりや約束なんてどうでもいいのだから。そんなサルドは俺から離れていった。終ったと思ったのだろう。
ゆ「っっ……ぐっっ…………」
腹が立つ。サルドに対してもそうだが、俺自身にだ。相手は悪魔だ、あんなクソみたいな奴らに対してなに普通に戦おうとしてたんだよ!
ゆ「ク……ソ………」
意識が遠くなり始めた。こんなところで終わりなのかよ……
キ『悲しませるのはやめろ』
っっ?! そうだ……こんなところでじゃない……まだ、そんな時でもない……
ゆ「……っっぐ………」
意識を集中させて腕に力を入れて立とうとした。片膝を上げ足の裏を地面に着ける。立て、立つんだ。
ゆ「つっ?!」ドサッ
立とうとするとあたりまえだが傷がひどく痛み再び倒れてしまった。
痛い……嫌だ……まだ休むわけにはいかない……こんなんじゃ始祖光を守るなんて到底無理だ……
結局、俺は弱いままなのか?
?『情けないぞ……ゆう』
なぜか生理的に聞きたくない声が頭に響いた。
次回はこのまま続きです。
そういえばなんだかんだでこの話の初投稿から半年が経ちました。最初は毎日更新してたのにいつの間に、、、
まあいいや(すっとぼけ)、どうせ止める気も無いしこの後もまだまだ続くし続けるでしょう。毎日といいつつ何日か空いてしまうだろうけどね、、、(@^^)/~~~では




