109話 美鈴ちゃんとアスタロト
『人間界』にありとても現代日本にはなさそうなとある豪邸の、とある少女はなにやら紙を手に持ち広い豪邸の中を走る。そしてその少女はある大きな人物の前に立ち、
少女「見てくださいませお父様! 私はいい点数を採ったからセンセーに褒められたのですわ」
するとお父様と呼ばれる人は少女の紙を受け取り眺めた。
父「この間違ってるのはなんだ?」
少女「それは難しくて分かりませんでし……」ビリビリ!
突然少女の父はその紙をビリビリに破り捨てた。そして大声で言い張った。
父「私の娘である以上は完璧であるべきだ! たかが人間でいう中学レベルの問題を満点採れないでいい点数とほざくな!」
少女「っっ?! え、えぇぇぇん……」ビクッ!
父「泣くなぁ!」
その少女にとって父はただのスパルタだった。完璧を求める父の前では何をやっても叱られる。少女はその父のことがどんどん嫌いになっていった。
母「あらあら、今日も怒鳴り声がよく聞こえたわね。また怒られたの?」
少女を慰めるのは少女の母親だった。父のことが嫌いな少女は母に聞く。
少女「どうしてお母様はお父様とケッコンしたのですか?」
母「っ……!」
中学レベルの問題を解く3、4歳児なので結婚という言葉と意味を知っている。あんな父の何が良いのかと少女は気になっていたが母はニッコリと答える。
母「あの人はね…………」
◆◇◆◇◆◇
私はお父様の言葉を聞く準備が出来ていなかった。
ア『いいか美鈴。私はもう……無理だ。無理なのだ……たとえ天使の力を借りようとこの傷と失った魔力を戻すことは出来ない』
み「…………え……?」
思わずそんな声をあげてしまう。
ア『だから……私の力をお前に託す』
み「ちょ?!」『ちょっと待ってよ! お父様! どうしてそんな……』
ア『カシャは死んだ』
み『っっ……?!!』
カシャとは私のお母様の名前。
み『っ……う……うそ………うそよ! …………お父様、いくらなんでもそんなうそは……』
だ、だってこの前、一度助けに行った時はお父様の隣に……
ア『……本当だ』
み「い……いや…………」
うそ、うそよ! お母様が、死ぬはずない! だって…だって……
エ『急にどうしたのでしょう?』
エリノアが私を見て疑問する。元々頭の中で会話というのを知らないし私はそれどころじゃない。
ア『落ち着け……』
み「いやよ! いや、いやいやいやいやいや………」
ア『落ち着け!』ゴフッ!
み『っっ……!』ビクッ
お父様は頭の中で怒鳴ったが影響して血を吐く。
ア『やつらに……ルシファーの復活のために私とカシャの魔力を取っていったのだ。カシャの魔力は吸われすぎて無くなり死んだ。私ももう持つまい……』
悪魔や天使は自身の持つ魔力が空っぽになると死んでしまう。というより魔力が減っていくごとに体の血管などが破裂していき体が持たなくて死んでしまう。魔力の源である背中の羽なんか一発だ。
み『そ、そんな……そんな………』泣
私はそんな衝撃を受け止めきれず首を横に振る。
ア『お前はもう強い。完璧とは程遠いがその努力は認める』
み『っっ?!』
彩さんの言った通りたとえ見られていなくても努力は伝わるし、自分で納得できるならそれは報われることになる。それをお父様から言われるのはさらに効果は高かった。
ア『私がお前に対して強くあたっていたのは、お前が強くなってほしかったからだ』
お父様は語り出す。私は涙をながしながらも静かに聞く。
ア『強くなってほしかったのは、お前が生きていてほしかったからだ。生きていてほしかったのは、お前が幸せになってほしかったからだ。悪魔の私が言うのもなんだがな……』
私に幸せになってほしかったから……?
ア『私は昔、主に天使と悪魔の大戦を経験した。それはあまりにも悲惨で、無惨で、不毛だった。だから私は放棄した』
(※アスタロトは悪魔。しかし勝手に決めつけられたという説もあるがここでは言及しない。つまり悪魔らしくないということ)
ア『放棄したのちに生まれたお前はそんな大戦を知らない、知らなくていい。だが私の子だ、いつ誰から狙われるか分からない』
だからあんなに厳しく……
ア『だがお前はいい友を見つけた。そうだろう?』
み『うららちゃんのこと?』
ア『そうだ、それも大きな力だ。もしあれが大戦時にあったら一瞬で終わっていただろうな……』
始祖光の力をお父様は絶賛する。
ア『まあ過ぎた話だ。お前はこれからもあれと友であるのだろう? ならば私が心配することもない……』
お父様の声がどんどん小さくなっていく。
み『お父様!』
ア『……だからと言って甘えるのは許さん。だから手を』
お父様が手を伸ばし私も手をとる。すると力が湧いてくる感覚になった。
み『お、お父様?!』
ア『お前がより完璧になるための助力だ……』
み『だ、ダメよ! そんな、私なんかよりお父様の方が……』
ア『美鈴! お前は感情的すぎだ。たかが悪魔1人2人死ぬだけの話』
それが私のお父様とお母様だから悲しいんでしょうが。そりゃあ感情的になるわよ……
ア『泣くな。その力を持って今後を生きろ……』
◆◇◆◇◆◇
少女の母は父の何が良いのかをニッコリと答える。
母「あの人はね……昔にいろいろあったの。経験してほしい事としてほしくない事、知ってほしい事と知らなくてもいい事、あなたを大切に思っているからの事なのよ。 私はそんな表には出さないけど努力を惜しまないところに惹かれたのかもしれないわね」
少女「ふ~ん」『意味分かんないや』
父「フッ」
そんなやり取りを少女の父は廊下の扉にもたれて聞いていた。
◆◇◆◇◆◇
ア『フッ』
み『……?』
お父様はなぜか笑ったように見えた。
ア『なに、ちょっと前のことを思い出していただけだ』
お父様のまぶたが自然と閉じていく。
み『っっ?! ダメ! しっかり……』
ア『言うべき事は言った。あとはお前……しだい………』
………。
お父様の声がそれ以降聞こえなくなった。
み「お父…様……? …………っっ…」泣
エ「え……?」
み「…っ…………」
私はフラりと立ち上がった。
◇◇◇◇◇
ク「はっ!」
ダ「ぐぅ?!」
クレアがダヴィッドの相手をしている間に私はレッケルの相手をする。次々とくる見えない魔力を弾きながらも攻撃したりするけどレッケルはその見た目に反してかなり素早く避けられる。おそらく魔力を使い自分の体を掴み移動させているのだろう。
ム「ぐっ……クソ……ったれぇ!」
う「っっ?!」
動いている際にムスタファの近くに行くと突然、魔力で貫かれたというのにムスタファが体を張って飛び出して後ろから両腕を掴まれた。
う「くっ!」
まずい! 魔力を……
み「(離れなさい)」
う、ム「っっ?!」
え? 今の……天使語?!
美鈴ちゃんがそんな天使語を言ったと同時にムスタファが魔力玉で殴られて私から手を離した。
う「美鈴ちゃん!」
◇◇◇◇◇
私は決めた……覚悟を……決意を……
うららちゃんを助けて、5つと変わらないけど魔力玉を自在に操りながら思う。
『お父様の意志を受け継ぎ、でも私の人生を謳歌する』と……
そして声を張り大きな声で宣言する。
み「私は大悪魔アスタロトの力を継承する者よ!」
重要人物がここで脱落となりました。(さて今後どう取り入れようか、、)
次回から視点変わってゆうサイドになります。(@^^)/~~~では




