108話 衝突とその横で
3人の悪魔に対面する形をとる私とクレア。するとクレアは私にだけ聞こえる声で言う。
ク「あのムスタファとダヴィッドは私やレッケルと同じ最上位級よ。でも私が知ってるのはレッケルのあの見えない力だけで他の2人の魔力は知らないわ」
う「う、うん分かった……」
悪魔はそれぞれで我が強く、他に負けんとそれぞれが力を所有するようになっていったもの。
そしてそれは私の完全なる憶測だけど、我が強いがためにルシファーのように魔力さえあれば、力を昔の大戦で失っていたとしても復活出来るのではないかと思う。逆に天使はそれぞれの力を1つにしたから始祖光が生まれたんじゃないかな?
ク「でも大丈夫だよね?」
う「え……?」
クレアは笑顔になって言う。
ク「だってうららが来たんだもん。なんとかなるっしょ♪」
え、えぇぇ……そりゃぁなんとかしたいけどさ……
う「っっ……」フフッ
クレアのそんな笑顔に私もつられて微笑む。クレアが私を信じているからこその笑顔なんだ。私がここに来るということを信じていた。その理由が分かると私もなんとかしようという気持ちになれる。
ダ「談笑とは舐められたものですねぇ~」
ク「あら? 牢獄の囚人を高みの見物して談笑しているのはあなたたちもでしょう?」
ダ「これはこれは! ごもっともなことですなぁ!」
ム「なに納得してるんだよ……」
なんなのこのやり取り……
う「っっ?!」
ク「きゃっ?!」
レ『また止められた……』
レッケルがまた魔力で攻めてくるのを私が弾く。すると話していたはずのムスタファがもう目の前に迫っていた。
う「ふっ?!」
ム「流れを」
私はレッケルの攻撃を弾いた態勢からそのままムスタファに魔力を撃ったけどその軌道を変えられてしまった。
う「え?!」
ム「とった!」
ク「させない!」ドン
ム「むっ!」
隙を見せた私にムスタファが手を伸ばすけどクレアがタックルの感じで私から遠ざけた。
なるほど、ムスタファはゲートの流れを操るだけじゃなくて魔力の流れを操ることが出来るということか。ゲートの行き先を1つに集中させることが出来るし相手の魔力の軌道も変えれる。でも物理的なことは無理っぽい。
すると突然足元のバランスが崩れた。というよりは地面が急に液体になったような感覚で、
ダ「少~し止まっていただきましょう」
ダヴィッドが地面に手を当てながら言う。これがダヴィッドの……それより抜け出さないと!
私は一緒にのまれてるクレアの手を掴み飛んで抜け出そうとしたが何かに肩を押し込まれ抜け出せなかった。レッケルだ。
う「……あああああぁぁぁ!!」パァァン!
一同「っっ?!」
私は本気をだしてダヴィッドとレッケルの魔力ごと破壊した。ダヴィッドの魔力の範囲の地面が消えてなくなり穴が空きそこに私とクレアが立つ。さらに私はさっきの覚醒?とやらの姿になっていた。
ダ「な、何が?!」
ム「魔力の干渉が出来なかった?」
レ『無効化? いや、その魔力自体が消えた』
ク「え?え??」
う「魔力はいろいろと操ることで魔法として現象が起こるから私はその操るところを消滅させただけだよ」
ダ「な、なんとデタラメな!」
レ「なるほど魔力回路を壊したのか……」
魔力回路とは「魔力→魔力回路→魔法」という感じの事。ダアトさん風にいうなら魔力を料理する部分の事。
ク「うらら、その姿……」
う「え? あぁ、問題ないよ」
私はそう言ってムスタファに向かって細い魔力を撃った。
ム「無駄だ……」
ムスタファは余裕そうに手を前に出し軌道を変えようとしたけど、
レ「バカ者! 避けろ!」
ム「え? ……ぐぁぁぁぁ?!」ズキュン!
私の攻撃がしっかりとムスタファに貫き直撃した。
ク「え? なんで……?」
ダ「貴様ぁ?!」キッ!
理解が追い付いてないクレアと私をにらんでくるダヴィッド。私は冷酷な顔で言う。
う「魔力が干渉されるならそれを破壊すればいい話よ」
レ「くっ! やはり認めざるを得ないのか……」
私はどうやら圧倒的なようだった。
う『……! 美鈴ちゃん…』
ふと目の端に美鈴ちゃんが見えた。
◇◇◇
み「お父様……」
私は傷だらけのお父様に近づく。
ア「…ヒューー………ヒューー…………」
息が弱い、目の焦点が合っておらずどこかボーっとしている。いったい何をすればこうなっちゃうの?
そういえばお母様は?
私は辺りを見渡すけど見当たらない。そもそもここが牢屋じゃない。じゃあなんでお父様がここに?
エ「う……ぅぅ………」
あれは、確かエリノアとかいうサキュバスよね?
エリノアは倒れていたけど私に気づき、
エ「……あ、あなたはこの前の悪魔……」
み「どういうことか出来るだけ詳しく教えてちょうだい」
………。
近くでうららちゃんが戦っているけど私はお父様のことで頭がいっぱいだった。エリノアから事情を聞く。お父様がクレメンティアのゲートでここに居ることは分かった。
み「お母様は?」
エ「ご、ごめん、なさい……わ、分かりません……」
み「そう……」
私は再びお父様を見る。残念ながら傷や魔力を回復させる薬は持ってない。魔力を打ち消したりは出来るけど、回復させること自体が薬程度で出来ることじゃないの。だから傷を治すには天使の力が……
み「っっ! ……うららちゃん」
私は思い出したかのようにうららちゃんを見た。するとパァァンという音と共にさっきの変わった姿になっていた。暴走はしてなさそう。
ア「………ぅ…………ゴフッ……」
み「っっ! お父様!?」
すると声をあげたのが聞こえ、また再びお父様を見た。お父様は焦点の合ってない目を私に向けた。
み「お父様! しっかり……」
ア「美…鈴……か……?」
み「えぇそうよ……」
ア『どうしてここまでやってきた……?』
み「え?! え……?」
突然お父様の声が頭の中に直接聞こえた。
み「お父様?」『な、なに? どういうこと?』
ア『おそらく始祖光だ』
み「え?」
私はうららちゃんを見る。するとうららちゃんは笑顔で、
う『こっちは任せて』
み『っっ………ありがとう』
最上位級相手にまず大変だろうに私にそんなフォローしてくれるなんてうららちゃんはほんと……
ア『いい友を見つけたんだな』
み『え、えぇ』
せっかく話せる(頭の中で)というのに急に私はなぜか不安になった。やっぱりお父様だから何言われるか怖いというのがあるのかもしれない。
ア『その友がまさか天使だとは思わなかったが』
み『そんなこと……』
ア『まあいい。こうして話せているんだ、せっかくだからお前に言っておきたかったことがある』
み『……っ』
私はその言っておきたかったことに対して心の準備が出来ていなかった。
次のお父様の言葉が私にとってあまりにも衝撃だったから……
またまた日が開いてしまってごめんなさい。書く時間はありました。でも本当は絵を描いていました。書くと描くの違いです。(どうでもいい)
さ、さて次回は美鈴ちゃんとアスタロト中心の話です。←(話を反らす)(@^^)/~~~では




