94話 私は気づかされた
協会の施設の中に入り話し合うための部屋に行く。その途中でホルツァーさんとも出会う。
う「ホルツァーさん久しぶり!」
ホ「久しぶり? そうだっけ? たいして経ってないような」
キ「私もそう思うぞ。前に会ったのはせいぜい2~3週間前だろう?」
う「え、あ、そっか……」
いろんな事が起こりすぎてそんな短期間でも久しぶりと思ってしまっているようだ。まあ人によってはそれでも懐かしいと思うのかもしれないけど。
キ「で、なんだったか?」
う「はい、実は……」
これまでの経緯を話す。
ホ「そ、それ本当ですか?! そんなことが……」
キ「…さすがの私も……逆にどうやったらそんな発想になるんだ?」
当然驚かれる。キャンベールさんですら呆れた。簡単に言えば『敵と協力して敵を助けたい』だから当然の反応である。
キ『違和感はコレか……?』
キャンベールさんは何か考える仕草をする。
う「あの、どうかしましたか?」
キ「いやちょっとな。まあ、うららの言い分も分かる。だが、それはさすがに危険すぎではないか?」
ホ「そうですよ! うららちゃんがわざわざ敵を増やすこと無いですよ!」
そうだけど…そうなんだけど……私は……やっぱりすぐには理解してくれないか……
キ「……うらら」
う「はい?」
キ「そうやって今は戦力を増やしているのか?」
う「そう……なります」
キ「それで魔界に攻め込むつもりか?」
う「そうなりますね」
キ「それではまるで戦争だな」
う「えっ?!」
戦…争…? 考えれば考えるほど確かにそうだった。戦力を増やし自分たちの利益のために邪魔するなら他者を傷つける。
キ「お前は元々そんなのじゃなかったはずだ。この私が言うんだ、よほど焦っていたのだろう」
う「っっっ……」
ホ「な、何がですか? キャンベールさん何の話ですか?」
私は…何も言い返せなかった。出来るだけ誰も死なせたくも傷つけるのも避けたいという事と今行っている事が矛盾している。キャンベールさんは悪く無い、正論を言っただけ。
う「……少し、1人になってきます…」
キ「……」
◆◆◆
う「はぁぁ……」
私は外に出て施設周りの森をため息混じりに歩く。一気に、何をすればいいのか分からなくなった。美鈴ちゃんの両親を助けたいと明確な目的はあるけれどその過程がまったく見えない。
れ「困ってるね」
う「今は1人にしてって言って……ってれいくん?!」
れ「やっほ♪」
意気消沈している私に声をかけたのはれいくんだった。相変わらずいきなりの登場だなぁ。
う「何でここが?」
れ「僕が協会のことを知らないとでも?」
う「私は知らなかった」
れ「まあ言ってないからね♪」
う「っっ……!」怒
れ「そ、そんなに怒らなくても……」
本当にれいくんは私をどう思っているんだろう?
う「困ってるのは本当」
れ「そうみたいだね。悠翔も美鈴ちゃんもそれぞれ別の、自分のための行動をしているみたいだし」
本物のストーカーはれいくんじゃないだろうか? 本当に何でも知ってるんだから。
れ「実は僕も困ってるんだよねぇ」
う「……? 何に?」
れ「目の前にうららちゃんが居てちょうど良かったよ~。ちょっと手伝ってくれないかな? 気分転換として」
う「手伝い?」
明らかにれいくんが私の目の前に現れたのだが、まあ断ることも出来ずれいくんの言いなりになる。
れ「ささ、まずはこのゲートから……」
そう言ってれいくんはゲートを作る。ゲートが黒い。
う「これ、どこに繋がってるの?」
れ「行ってのお楽しみ♪」
キ「待て、どこへ連れていく気だ?」
それをいきなり後ろからキャンベールさんが止めてきた。
れ「またあなたですか……」
キ「それはこちらのセリフだ。うららの今の弱みに漬け込んで自由にさせるのは納得出来ないな」
れ「人聞きの悪いことを……僕がそうするといったことに限る訳でも無いだろう?」
キ「はぁ、仕方がない。前は非常時だったが、やはり君は危険な存在のようだな」
キャンベールさんが魔力を高めた。今にも争いが起ころうと……
れ「邪魔をしないでくれるかなぁ」
う「っっ?!」
れいくんが声のトーンを下げ魔力を高めだした。まずい、2人とも本気だ。
う「や、やめてよ!」
れ「はああ!!」
キ「フンッ!!」
う「ダメ!!」
ドオオオン! 2人がぶつかりそうになる前に目の前で間に入り込み止めた。すると分かってくれたみたいでキャンベールさんは落ち着きため息をして、
キ「こんな奴とつるむのはもうやめろ。いつか身を滅ぼすぞ」
れ「こんな奴ってひどいなぁ。でもうららちゃんにそう言ったって無駄だよ♪」
キ「フンッ」
完全に気分が悪くなったキャンベールさんは先に戻って行った。
れ「さて、これで邪魔者は居なくなった。うららちゃん、今度こそこのゲートを……って……そっちを選ぶんだね」
れいくんが喋っていた気がしたけど私はキャンベールさんを追いかけていた。
う「あ、あの! キャンベールさん!」
キ「……」
う「っっ……」
やっぱり怒っていて話を聞いてくれない。きっと私を心配して外まで来てくれたのに、れいくんのせいとはいえ元凶として私が怒らせたも同然だからまた迷惑をかけてしまった。
う、キ「っっ?!」
突然前から魔力を感じ私とキャンベールさんは立ち止まり注目する。それはゲートだった。その中から出てきたのは、
ソ「キャンベール、ここに居ましたか。集合です……っっ!始祖光! ちょうど良かった。あなたも来てくれませんか?」
キ「集合……」
う「え?? あ、はい分かりました」
出てきたのは現天使長ペラシュエルさんの側近のソランジュさんだった。
◆◇◆◇◆◇
ここは『魔界』、私はお父様の情報を得るべく来ている訳なのだけど……
み『うららちゃんの話によるとあのレッケルの城の地下みたいね。魔界の奥の奥じゃない』
私の分かっている情報としてはレッケルは『大悪魔 ルシファー』の継承者であり共に同一の位はヴィンフリート、イェルマイン、そしてクレメンティアの4人を筆頭に率いている。悪魔はたくさんの部に別れているのでレッケルらは『ルシファー派』だ。だから『魔界』の奥の奥。
私は正直まだクレメンティアのことを信用していない。会ってちゃんと話してないというのもあるけど……
しばらく進んだ時話し声が聞こえた。何かしら? そっと物陰に隠れて耳を澄ます。
?「貴様も裏切ると言うのか!ヴィンフリートぉ!」
ヴ「まだそうときまった訳じゃないイェルマイン」
さ、最上位級悪魔の2人だ!
イ「だとしても貴様、言っている意味が分かっているのか?」
ヴ「あぁそうさ、正直なところ俺は始祖光の力には興味は無い。だが始祖光と戦えるならそれでいい。だからお前らとつるんでる。クレメンティアから聞いたぜぇ。アスタロトの力を奪うのを始祖光が邪魔しろとな」
っっ?! うららちゃんの話は本当だったんだ! いや疑っているわけじゃなかったのよ。ただ信じがたかっただけで……
イ「それと裏切りにどう繋がるというのだ?」
ヴ「裏切りって、もっと言葉選べよ。俺は始祖光と戦いたいだけだからその邪魔をすんなってこと」
奴らはやっぱりうららちゃんがお父様を助けに来ると思っているのね。
……そうだ! コレを利用すれば……! 私はある事を思い付いた。
れいくんの参入により話が複雑化していってますが最終的な結末は決まっているので後はそこにどう繋げるかだけです。頑張ります!
次回はゆうくんの話になります。(@^^)/~~~では




