92話 まだまだ前兆
居場所がすぐにバレたようで悪魔が1人入ってくる。その悪魔はクレアをにらみ、
イ「ここで何をしている。さっさと戻れ」
ク「フンッ、何をしようと私の勝手じゃない」
クレアはイェルマインという悪魔と言い争いを始めた。
ク「ところで何で私の居場所が分かったのよ?」
イ「何百年お前と同じ組織にいると思っているんだ」
ク「っっ……フンッ知らないわねぇ」
あれ?こんなやり取り学校であったような……
そして私が当然イェルマインの目に止まる。
イ「そいつは誰だ?」
ク「こ、この子は、そう私の友達よ」
クレアにはすぐにバレたけど、そもそも始祖光の素顔は知られていないらしく、私が始祖光だとは今のところバレてないかも。
イ「友達?だがこいつ匂うぞ」
に、匂う……
ク「なんて女の子に対して失礼極まりないこと言ってんのよ!」
イ「いやこいつから嫌な天使臭がする気が……」
天使臭……? 何その新しい匂い……
私は元々ここに居たときから手足は縛られていなくて自由に出来ていた。だから隙を見て逃げたり反撃をしたり出来たわけだけど、そうするとクレアのためにもならない。
せっかく私を庇ってくれているのに私が下手に行動するとむしろクレアにヘイトがいく。それにクレアからまだ私を連れてきた理由も聞いていない。だからここはクレアに合わせた方が良いね。
イ「そもそもクレメンティア、お前は悪魔を統括する1人だろう。何自分と同じような位の関係の馴れ合いをしているのだ?」
ク「そんなのルールに無いでしょうが、まったく、あんたってずっとガミガミ説教しないといけないの?」
クレアは最上位級悪魔だ。そんなクレアと同等に話しているイェルマインは最上位級悪魔なのだろうか? たぶんそうだと思う。
イ「お前もたいがいうるさいぞ。……そこのお前」
イェルマインは私をにらんできた。
イ「クレメンティアの友達というなら力を、魔力を出してみろ。それで馴れ合いが必要かどうかを見極めてやる」
ク「ちょ! うららは関係無いでしょ!」
クレアがイェルマインを止めようとする。
イ「うらら? どこかで聞いた名前だな」
ク『やば……!』
素顔を知られてないだけで始祖光の名前は広がってるのかな? イェルマインに見つかった時にもそうだけどどんどん逃げずらくなっていく。ここで逃げ出すのは愚策中の愚策だ。
イ「………まあいい、さあ、早く見せたまえ」
イェルマインは仕切り直す。もう、逃げ出すのは無理だ。だったらどうするべきか……
う「クレア、ごめんね」
ク「っっえ……?」
私は一言謝りすぐに動き始めた。イェルマインに近づき顔の前に私の手を持っていく。
イ「っっん?!」
イェルマインは反応が遅れる。そして私は手を思い切り光らせた。悪魔を気絶させる光だ。これでイェルマインはしばらく動けない。
イ「ぐぁぁぁ?!……っっぐっ……」
しかしイェルマインは膝を着いただけで意識は保っていた。ただの目眩まし程度にしかならなかったようだ。
う「っっ?!……クレア、行こう!」
ク「えっ? 分かったわ!」
私とクレアは家を飛び出し逃げた。私が魔力を使った以上、イェルマインもそうだけど、周りの悪魔にもバレるはずだ。だから長居も無用になった。
う「本当は気絶させられたら一番良かったんだけど……ごめん」
私はクレアに謝るもクレアは謎に楽しそうで、
ク「いいよいいよ♪ うららがああしてスッキリしたし、それに元々……」
◆◆◆
イ「っっ……ぐっ………あの魔力まさか……始祖光か……裏切ったな、クレメンティアめ……」
イェルマインはふらつきながらも殺意を高めていた。そこに周りを捜索していた悪魔が駆け寄ってくる。
悪魔「な?! イェルマイン様! ご無事ですか?」
悪魔「今の魔力、一体誰が……」
イ「すぐさま捕まえろ……」
◆◆◆
ク「それに元々、始祖光には魔界で暴れてもらう予定だったし♪」
◆◆◆
イ「始祖光だ!始祖光を捕まえろ! それと裏切り者のクレメンティアもだぁ!!」
イェルマインは怒りをあらわにして叫んだ。
◆◆◆
う「………って!えええぇぇ?!」
ク「うららを連れてきた理由はソレだよ♪ 暴れまくってレッケルを止めてアスタロトを助けたいんだったら助けなさい♪」
私は直接助けたいとは言っていないけど表情や驚きなどでクレアはそうしたいと分かったようだ。学校でからかわれたのもソレが原因?
う「で、でも、私がそんな……」
ク「分かってる、私の勝手でうららを巻き込んでしまったけど、一応利害は一致してるから共にして欲しいの」
ここで私が1人で『魔界』で暴れ回っていいのかな? もしそうだとしても最後までいけるという確信も無い。私が勝手に行動していいと言われたわけでもない。きっと皆すごく怒る。
う「………一度、少し待ってくれないかな……?」
ク「うらら……」
少し、少しだけ気持ちの整理と状況の判断をしないといけない。クレアの気持ちに答えたいけどアスタロトも助けたいけど、少しだけ待ってほしい。
ク「……まあ、うららがそう言うのなら私は無理強いはしないわ。敵同士だけど私はうららの友達だからね」
う「クレア……ありがとう」
クレアはゲートを開いてくれた。私は戻るけどクレアは一緒には来ないらしい。当然向こうに一緒に居ると面倒なことにもなるし、『魔界』でやることがあるらしいから残るみたい。そんな訳で私はゲートに入りクレアと別れた。
◆◆◆◆◆
ここは『人間界』の樹海の中にある施設。その施設、天魔監視協会で赤い髪を整えながらキャンベールさんは呟いた。
キ「なんだ? 何か嫌な予感がする……気のせいか?」
ホ「ん?何か言いましたか?」
キ「いや、何でもない」
◆◆◆◆◆
ここは『天界』、大きな建物の奥に座る天使長、ペラシュエルさんは呟く。
ペ「この、胸が痛くなるような胸騒ぎはなんでしょうか?」
ソ「ペラシュエル様、どうなされました?」
ペ「ソランジュ、集合をかけてください」
◆◆◆◆◆
ここは『天界』の図書館の奥の大きな扉の中の異空間、本を読むダアトさんは1人、
ダ「ふむ、始祖光が生まれて一番の争いが起きそうだな……いや、それともこれはまだまだ前兆か……?」
◆◆◆◆◆
ここは『人間界』のどこか、れいくんは考え込む。
れ「そろそろかな……」『悠翔が逃がしたアスタロトは再び捕まりそろそろその現状を皆知る頃だ。きっと助けようという話になり意識はそこへ向く。その隙に……』
◆◆◆◆◆
ここは『人間界』、私はクレアの作ったゲートから出てくる。
う『しっかり閉じとかなきゃ』
ゲートは世界を行き来するため魔力をかなり使うのでゲートが消えても魔力は少し残る。前はそのおかげでゆうくんと再開出来たこともあるけど、普通はしっかり閉じないと世界との境目に穴が開く。だからしっかり閉じる。
これからどうしよう……
アスタロトは美鈴ちゃんのお父さんだから助けたい。たとえ昔の大公爵で私の敵だとしても。その為に行動しようにも私1人で出来るという確信と許可が無い。
皆に話すべきなのかな? いや話すべきだろう。このまま何もしないで終わる方が後で絶対に後悔するし、悪魔に大きな優位を持たれることになる。
今日はもう遅い。店もいつの間にか閉まり、明かりが消えていた。お母さん心配したかも。とりあえず明日、皆に話してみよう。
そろそろ天使と悪魔の争いが激しくなりそうです。次回予告はするけどネタバレはしない予定です。次回はこれからの方針を決める回になりそうです。(@^^)/~~~では




