89話 横やり
気づかなかった俺も悪いがそれよりも未だに信じたくない。双葉が悪魔だったなんてことは。
ゆ「なんで今までは……」
ふ「だから言ったでしょ。覚悟が無かったって」
ゆ「今までのは全部演技だったのか?」
ふ「そうじゃなきゃ何? でも天使を欺くくらいの演技は出来てたってことでしょ? どう、私人間っぽかった?」
また魔力で押され尻もちを着く。
ゆ「っっぐ?!……あぁ、そうだよ、完璧な人間だった」
俺は右手を体の後ろで隠し双葉の見えないところである魔法の為の魔方陣を指先で描いていく。
ゆ「これからどうするつもりなんだ?」
ふ「そうね、ゆうと手を組むことも考えたけどやっぱりゆうだからダメだし……」
双葉は手を頬にあてて考える仕草をする。俺だからダメだとか……もう何も言わない………
ふ「別に人間の警察ごときに私が捕まるはず無いし、かといってこう人間界でダラダラやってると天使に目をつけられるから……」
双葉はちょっと黙ってから、
ふ「………どうしよう? 私には何も無い……何もすることも帰る場所も無い……」
どういうことだ? なら『魔界』にでも帰ればいいじゃないか?
ふ「私がやりたいようにやって満足したらその後は……? どうせ魔界に帰ったって私を受け入れる場所なんて無いし私からお断りしたい……ならどうしたら……」
知るかよ……もう双葉は俺からすれば敵だ。信じられないがこれが事実ならそうなる。すると双葉がいきなり俺に近寄ってきて、
ふ「ねぇゆう、私これからどうしたらいいの?」
ゆ「っっは?! し、知るかよ。つーか寄ってくんな!」
ふ「こんな時にまで本当に酷い奴ね!………ん?何してるの?」
しまった、まだ魔方陣は描き終わっていない。双葉は俺の右手を掴み、
ふ「……時間稼ぎのつもりだったの?」
ゆ「っっちが?!」
魔方陣を描くことに集中していて反応が遅れた。掴まれた右手に痛みがはしる。魔力で双葉の力の上乗せをしていて今にも握り潰されそうになる。
すると突然横やりが入った。双葉は俺から離れる。その方向を見るとそこにはうららが居た。
う「2人して何してるの?」
ふ「出たわね天野うらら、もとい始祖光!」
な、なんでここに……
う「さすがに魔力のぶつかり合いを感じたら異変だと思って見に来るよね? ねぇゆうくん、何してるの? そんなに近寄って?」
な、何をそんなに威圧感を出して俺に問いかけて来るんだ?
ゆ「い、いや、今のはだな……」
ふ「無視しないでよ!………っっ?!」
双葉が無視されたことによりうららに飛びかかったが、うららは簡単に弾き返した。そしてゆっくりと近づいてくる。
う「邪魔、しないで………ねぇ、さっきのはなんだったの?」
ゆ「な、なんでそんなに怒ってるんだよ?」
う「怒る? 私怒ってるように見えるの?」
いやもう声のトーンと威圧感が完全に怒ってる感じなんですよ!うららさん!
う「仲が良さそうだったから聞いてみたかったの。どういう関係なの? それでさっきのはあんなに近寄って何してたの?」
きつい、精神的にもうきつい。もう俺を問い詰めないでくれ……双葉にすでに散々言われて心が折れかけてるから……
ゆ「あ、あれは双葉に攻められてただけで……」
う「せ、攻められ、て…………そ、それで何を?」
ゆ「だ、だから……」『あ……』
も、もしかしてうららはそっち系だと思ったのか? いやいや、だったらその言い方はまずかったな。いやヤバすぎか……?
う「私には全然そういうのやってこないのに……」(ボソッ)
うららは小声でそんな事をいった。俺はそれをギリギリ聞き取った。聞き取ってしまった。そしてつい、
ゆ「やって欲しいのか?」
う「…………………ほえぇ?!!///」
ゆ「っっえ………」
………ってドバカァァァ!! 俺はなんてこと言ってんだよぉぉ!! いやいやなんでほんとにそう言ってしまった? 自分でも分からねぇ……
う「///………」カアアァァ
ゆ「///………」
自分で言っておいてどうしたらいいのか分からなくなった。
ふ「……もういいかしら? 私さっきから何を見せられているの? 見せつけ?! 私に対しての嫌みなの?!」
あ、そういえば双葉が居たんだった……
ふ「も、もう……本当に最低……私に見せつけて何が楽しいの!」
ゆ「///いやいやいや、マジで知らねぇって……」
ふ「知らないってなにがよぉぉ!!」泣
泣いてしまった……
ふ「……ぐすっ………私って本当に良いこと無い……する事も帰るところも……最後にイチャイチャまで見せつけられて……」泣
弁解も出来ませんごめんなさい。そうなりたくてなった訳じゃないんだ……
ふ「もうすぐにでも死んでお願いだからぁぁ!」
双葉は魔力をかなり強く撃ち放った。
う「///……」
ゆ「っっ?!」
おい!うららはいつまで照れてんだよ! 俺はうららの分まで魔力で守る。
ゆ「っっぐ、強っ?!」
別に舐めてる訳でもないが双葉はやっぱりかなり強い。強さ的に上位級クラスの悪魔だ。
う「///………はっ?!あ、あれ?今……?」
魔力のぶつかる衝撃と音でうららは正気に戻った。
う「………なるほど、私に任せて」
ゆ「っっんん?!」
うららは1人で何かを納得して横に飛び出た。ダッと走り双葉のすぐ近くまで近づき、
う「隙だらけだよ」
ふ「っっ?!きゃぁっっ?!」
双葉を止めた。俺は魔力のぶつかり合いから解放される。
ふ「っく……なんなのよあなたは……いきなり現れては私の邪魔をして……私の何が悪いって言うの?」
う「……ごめんなさい、私はあなたのことをよく知らないから何も言えない。だけど人間的に考えてあなたは今悪いことをしているのは確か」
ふ「っっ……?! な、なに人間ぶってるのよ! あなただって人間じゃないくせに!!」
双葉はうららをはらい、すぐさま攻撃を仕掛ける。が、うららはすぐに止めた。
う「私が人間じゃないことを知ってるのは天使と悪魔と身内とある友達だけ。だけどその他の人たちは皆知らない。私のこと人間だって思ってる。じゃあなんでか? 答えは私が人間のフリをしているから。理由はそうじゃないと生きていけないから。………どう、私人間っぽかった?」
ゆ、ふ「っっ?!」
ふ、双葉と同じセリフだと?! 聞いていたのか? それとも……
ふ「だ、だからって……」
う「あなたと私の違いは帰るところの有無と目的。あなたは目的があれど帰るところは無いんでしょ? だけど私にはある、両方ある」
ふ「私何も言って無いし知らないってあなたは言った……」
う「あぁ、こうやって触れていると何となく事情が分かって来ちゃうの」
うららは双葉の攻撃を止めているから触れ合っている。
ふ「か、勝手に人の事情を……?!」
う「さっきも言ったけど私はあなたのことをよく知らない。何となく分かって来ても…………正直、私の敵ならどうでもいいよね?」
ゆ「っっ?!うらら……」
なんだ? うららの様子が……いつもはあんなんじゃ……
ふ「…っっ…………あ、ああ、ああああああぁぁぁ!!」
ついに双葉の沸点が限界に達しキレてしまった。
次回で決着出来ればと思います。挑発するうららちゃんは本当に正気なのか別の、、、(@^^)/~~~では




