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うわさのみずすらあそび

 陣地に戻ると旗が何本か立っていた。

 おそらく水スラとクリアだね。


「おにいちゃんとリザちゃんだー。おかえりー」


 千紗が元気よく出迎えてくれる。


「先生、リザちゃん、おかえりなさい」


 純華ちゃんも振り返って挨拶してくれる。


「なにか変わったことは?」

「ないよー。クリアは一応四つ、水スラは五つキープしているよ!」


 水スラずいぶん確保したな。

 確保に失敗すると討伐しなきゃいけないから予備があるといいのは確かだが。


「じゃあ、リザと僕はちょっと休憩するから、もうちょっとだけ監視をお願いね」

「わかったー」

「はい」


 ずっと集中していたリザは休ませないといけない。

 僕はなんにもしてないけど、MP吸われたからw 一応回復しておきたい。

 なにか行動しているとMPやHPの回復速度が遅くなる。

 リザの厨二病呪文に頼らざるをえない時は予備のMPタンク役にならないといけないからね。

 僕の方も回復しておくべきであろう。


 ビニールシートにリザと並んで座る。


「導師、マカロン食べますか?」

「うん、ありがとう」

「はいどうぞ」


 何故にあーんしてるのかな? リザさんや。

 振り払うわけにもいかず、そのまま口にくわえる。


「導師のおやつはなんですか?」

「僕は、これだね。チョコクッキー味だ」


 と、カロリーバーを取り出す。


「一個ください、あーん」


 何故にあーんしてるのかな? リザさんや。

 仕方なく、パッケージを破って破って口にくわえさせてあげる。

 リップとかつけてないだろうになんか唇がつやつやだね。

 ぷにぷにしていて、キスしたらすっごく気持ちよさそうだ、って、何考えてるんだよ自分。


「こういうの初めて食べました。意外に美味しいです」


 まあ、子供じゃあんまり食べないか、こういうの。


「栄養補助食品のようなものはいっぱい出てて競争も激しいからね。その分味も良くなってるんじゃないかな?」


 しらんけど!


「なるほど? でもこのパッケージと形ではうちに持ち込む人はいないでしょうね」

「うん、そうだね」


 お茶会に出すのにふさわしい栄養補助食品なんて見たこと無いね!

 マカロンとカロリーバーを食べて麦茶飲んだだけだからおやつはすぐに終わる。


「んじゃ、千紗たちと休憩代わってくるよ。リザはもう少し休んでな」

命令受諾(オーダー アクセプト)


 僕は立ち上がり、二人に近づいていく。


「二人共ちょっと休んでおいで。その後は三人で水スラ遊びしていいぞ」

「やったー! じゃあおにいちゃん、よろしくね! 旗を立てているの以外は近くにいないと思うからー」

「すみません。よろしくお願いします。そろそろ最初に建てた旗は倒れるかもしれません」

「おう。わかった」


 とりあえず旗を見回って、倒れそうなやつにはもう一本挿しておく。


「ずいぶん旗を使ったな。帰ったら夜なべして旗を作っとかないと!」


 こんなこともあろうかとw コンビニとかの弁当を食った後の割り箸は洗って取っておいたからね!

 男所帯なら割り箸は旗が作れるくらい出るしw


「千紗ちゃん、純華ちゃんおかえりー。マカロン食べる?」

「うん! ありがとう!!」

「こんなに頂いちゃっていいんですか?」

「余ったら持ち帰っていい。うちだけじゃ食べきれないから貰ってくれると嬉しい」

「リザちゃんのうちは食べきれないほどお客さんが持ってきてくれるから、余ったらもったいないけど捨てるしか無いんだって」

「はあ、そういうことであれば遠慮なくいただきます」


 JS三人が草原でお茶している風景は和むなー。

 体操服ブルマってところが遠足っぽくてなおよし。

 なんとも愛でがいのある光景であった。


 三人がそれぞれテントの中に入っていたした後、クリスラちゃんは大忙しになる。

 水スラちゃんももうすぐ出番だぞw


「おにいちゃーん、休憩終わったー。あそんでいいー!」

「いいぞ。ただし遊ぶ時は陣地の外には出るなよ。新しい水スラを補給する時は三人で向かうこと」

「わかったー。純華ちゃん、水スラの遊び方教えてあげるね!」

「はい!」

「まずは持ってきたジップロック何枚か用意して、水スラを入れるのにちょうどいい大きさのを選ぶのが重要なんだ」


 僕が教えたことをちゃんと純華ちゃんにも伝えている。


「失敗したときのために討伐の準備も忘れてはいけません」


 今度はリザがペンチを指し示し説明を始める。


「結構水圧高いから、捕まえる時はポンチョの裾はちゃんと固定して、中に水が入らないようにしないとぱんつまで水浸しになるからね!」

「……気をつけます」


 純華ちゃんもぱんつびしょ濡れは好きじゃないらしい。

 僕は見るのであれば好きなんだが。

 謎の光は神すぎるw


「んじゃ、いこうかー!」

「作戦開始」

「りょ、了解です」


 三人が水スラへ向かう。


「まずはお手本見せるねー。リザちゃん袋をお願い」

命令受諾(オーダー アクセプト)


 千紗は念のためゴム手袋をし、ペンチを脇において万が一に備える。


「いっくよー!」


 掛け声とともに水スラをすくい上げ、見事袋の中に!

 激おこの水スラは水魔法を放つが、すでに袋の口は、誰もいない方に向いている。

 うん、見事な水スラ捌きだw


「ざっとこんな感じだね! 純華ちゃんは入れる方と受け取る方、どっちやりたい?」

「どっちが難しいですか?」

「うーん。すくい上げる方?」

「同意。でろんとしているので、全体を素早くすくい上げないと逃げられます」

「なら最初は受け止める方にしておきます」

「わかった! じゃあこっちの行くよ。純華ちゃん袋選んで!」

「や、やってみます」


 純華は袋の大きさとスライムの大きさを見比べて、一枚の袋を選ぶ。


「こ、これでどうでしょう?」

「ちょっと大きい?」

「同意。スライムは今平べったくなっているので、大きく見えますけど、まるまるとその分小さくなります」

「うう、難しいです」

「何度もやればすぐに慣れるよ! いっぱいマークしておいたからだいじょうぶ!」

「はい、がんばります!」


 がんばるようなことじゃないんだが、子供たちは遊びでも全力だね。


「んじゃ、こっちの袋、口を開けて持ってね。できるだけ地面に近づけてあんまり持ち上げなくてもいいように。後さっきも言ったように、すぐに水を吐き出してくるから、ポンチョがめくれないようにしっかりガードしてね」

「大丈夫です。こ、こんな感じでどうですか?」

「うん、いいよ。水スラが入ったら、口をすぐに人のいないところに向けてね。でないと千紗がびしょびしょになっちゃうから」

「うう、せきにん重大です」

「だいじょうぶ。ぱんつまで濡れてもその時は急いで討伐すれば光になって消えるから」

「わかりました。わたしもペンチ用意しておきますね」

「うん、そのほうがいいね。失敗した時は近いほうが始末するってことで。じゃあ行くよー」

「はい!」


 タイミングを合わせて千紗が水スラをすくい上げる。


「はっ!」


 水スラが収まったら即座に口をすぼめてあらぬ方向に向けるがちょっとタイミングが遅れた。


「きゃう! ちょっと冷たかった、なっははは!」

「ご、ごめんなさい!」

「いいのいいの! これは水遊びなんだから!」

「そう。水がかかってこその水遊びです」


 リザはそういいながら袋の口を上に向け噴水のように吹き上げさせる。


「きゃー!」

「もう、リザちゃん、やったなー!」


 うえに向かった水滴は風圧で四散し、風に乗って女の子たちに降りかかる。

 細かい水滴だとちょっとでも風があるとポンチョの隙間から中に吹き込んで来るんだよね。


「千紗もやるー」


 一人で袋を広げ片手で水スラを素早くキャッチ。

 うん、もう職人芸の世界だね!

 見事なものだ。


「それー!」


 水スラ大車輪で水滴を飛ばしまくる千紗。


「くらえ! 我が召喚獣の水弾を!」


 リザはリザでスライムをもみもみ刺激して、大きめの水弾を飛ばさせる。

 うむ、なかなかスライム使いがうまくなったな。

 君にはスライムマスターの称号を与えようw!


「みんなひどいよう!」


 スライムの扱いに慣れていない純華は一方的にやられっぱなしだ。


「純華ちゃん、袋の口を撃ちたい方向に向けるんだよ!」

「うまく刺激すると、大きいのを出します」

「こ、こう?」


 二人の指導の元、純華の水スラ扱いもだんだん上手くなっていく。


「こんな風にすればいいんですね! それ!!」

「きゃー。上手上手、純華ちゃん!」

「うん。あっ、虹ができてます」

「ホントだ。それー! もっとでろー」


 宙に舞った水滴にダンジョンの不思議太陽の光が注ぎ見事な虹を作る。

 水滴に濡れながらも虹をまといながらはしゃぎまわる少女たちは、美しくも可憐で、なんとも微笑ましい。


「……てぇてぇ」


 思わずつぶやいてしまうほどにその光景は尊い。


「あっ!」


 その虹をかき消す光の奔流。

 リザの持っていた水スラがHP全損した上、本体の耐久値を超えて死亡したようだ。

 そりゃ、今のリザは千紗よりも高いレベル八。もみもみしただけでダメージが入る。

 スライム討伐と同時に撒き散らした水ごと光になって消えるため、少女たちだけでなく陣地全体が光り輝く。


「その者青きブルマをまといて金色の野に降り立つべし? だっけ?」


 なんかちょっと違う気もするが、まあそんな感じだった。

 光り輝く草原はまさしく金色の野。

 そこへ青いブルマを履いたリザはその美しき容貌もありとても神秘的だった。


「妾の水スラ、消えてしまいました」


 がっかりのリザも可愛い。


「水スラはまだまだいるよ! リザちゃん! 受け取って!!」


 千紗が水スラを片手でつかみ投げ上げてくる。


「ほい!」


 リザはそれを上手くキャッチ!

 君ら、替え玉ラーメンの投げ渡しもできるんじゃね?


「ジャストサイズです」


 弾丸? の補充が終わったリザは、再び潮吹き、じゃなかった、噴水芸を始める。

 弾が尽きるまでそれは続いた。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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script?guid=on異世界のジョブズに、僕はなる ~定年SEの異世界転生業務報告書~
もよろしくお願い致します。こちらは異世界ファンタジーになります。
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