はじめてのうけつけのちゅうい
次の入ダン日。
いつものように学校に集合。
「二人共今日の服も可愛いな!」
今回はベースの形は同じで配色も同じだが、千紗のはリボンで可愛らしく。
リザのはレースでクールに飾りつけられていた。
「これも新作だよ!」
「めちゃくちゃ早いな! ロリ服ってそんなに早く作れるようなものなの?」
「いつ千紗が来てもいいように、デザインや布、小物は準備しているってマザーが言ってた」
それだけ用意していれば後は裁断と縫うだけだからそんなにかからないのか?
まあ縫製工場なんかでミシンを扱ってる人とか縫うのめちゃくちゃ早いからな!
自動でボタンホールとか色々縫えちゃう高機能のミシンとかあるみたいだしそんなものか?
「ドロワーズも可愛いんだ。おにいちゃん見る?」
「導師、確認されますか?」
「見ないから! 確認もしないから!! 二人共スカートの裾から手を離しなさい!!」
「ええー、かわいいのに」
「今回のはマザーも自信作と言ってた。ほら、ホームページにも画像が載っています」
スマホをわざわざ見せてくるリザ。
おー、確かに可愛いな!
って、こんなのホームページに乗せていいのか?
犯罪じゃないの?
恥ずかしくないの君たち?
いや、ぱんつじゃないから恥ずかしくないのか?
まあ、下着の販売サイトだってぱんつ丸出しのモデルが普通に写っているんだから問題ないのか?
こういう服は下着も合わせてワンセットなんだろうしね。
だが、直に見せるのはアウトだ。
僕のシックスセンスがそう叫んでいる。
だが、このサイトはマメに確認しておこう。
「さて、いつものように準備していくぞ。双剣ならぬ双棒も忘れるなよー」
「だいじょぶー」
「問題ありません」
「今日は未遭遇のスライム倒して、レベル一個上げたら階層ボスに挑むからな。どちらか達成できなかったら明日に持ち越しになる」
「レベルはともかく未遭遇のスライム、見つかるといいなぁ」
「大丈夫だ。出そうなところはチェックしてある。モンスターというやつは自分が一番戦いやすいところに集まる。ウィンドは草原、水スラは水辺などだね」
「土スラは? 地面ならどこにでもあるよね?」
「やつは地面がむき出しになっているところが好みだ。だから草原のようなところにはあまりいないんだ」
「では火スラはどうなんでしょう? 導師。火山とかありませんよね?」
「こいつもほぼ同じ。地面がむき出しで乾いているところを好む」
「あれ、仙川ダンジョンにそんなところあった? 他に行くの?」
「いや、いくのは仙川ダンジョンだ。あそこは割と地形がバリエーションに富んでいるんだ。反対側に行けば荒野フィールドがある。この間僕らが行ったのは草原フィールドだね。その他森林フィールドや水辺フィールドなど、ちょっと歩けばこの四つのフィールドがある。逆に成城ダンジョンだとほぼ草原フィールドしかない。この間は仙川から成城ダンジョン側に歩いていったから草原しかなかったわけだ」
仙川ダンジョンは他に吉祥寺ダンジョンや調布ダンジョンなんかがご近所だね。
この内吉祥寺ダンジョン側が荒野、調布ダンジョン側が森林と水辺フィールドが広がっている。
まあ比較的多いというだけで、全部が全部そのフィールドってわけじゃないけどね。
荒野フィールドの中に水辺や草原フィールドがあったりもする。
一種のオアシスに見えないこともないけど。
「ということで、目的のスライムがいないということはないと思う。レベルの方は正直どうなるかわからん。経験値はステータスボードに表示されないし、何をすればどれだけ経験値を得られるかもわからないからね。どれだけ経験値を得たらレベルが上がるかさえも不明だ。一応平均的なデータは取られているものの、君たちに当てはまるかもわからん」
いちおう二人には、普通の人と比べて格段にレベルアップが早いとは伝えてあるが、それが今後も同じように早いとは限らないのがレベルだ。
突然上昇がピタッと止まってしまうことも多々あるのだ。
「ということでまずはいってみよう。準備はいいか!」
「ばっちりだよ! おにいちゃん」
「問題ありません」
何度も練習させたから抜かりはないようだ。
「じゃあ出発するぞ!」
「「おー!」」
二人は拳を上げて応える。
ということでやってきました仙川ダンジョン。
持ち物検査と着替えを済ませて受付へ。
「あっ、おねーさんだ! おはよ-ございます!!」
この間受付してくれたおねーさんを見つけて千紗が駆け寄る。
「はい、おはようございます。今日も元気ですね!」
「えへへへ、ありがとう」
「そっちの子はすごくクールで素敵ですよ」
「ありがとうございます」
「おにいちゃんはやくー。おにいちゃんから手続きしないと入れないんだからね!」
「はいはい、これお願いします」
僕は千紗に催促されて手早く冒険者証を提出。
「はい大丈夫です。カメラを着けてくださいね」
受け取ったカメラを装着し、管理ナンバーを受け取った。
「次は千紗ね!」
すでに手に持っている冒険者証を手渡して続きを終える。
その後にリザだ。
「ではお気をつけて」
「あっ、そうだ。もしかしたら階層ボスに挑むかもしれませんので、できれば注意しておいていただけると助かります」
「えっ! 今日で入ダンは二回目ですよね? 早くないですか? 他で入ダンしたような記録もありませんし」
「大丈夫です。二人共すでにレベル二なので、今日中に三になれば階層ボスに挑むつもりなので」
「それもまた早いですね! 先週は随分と頑張ったのかな?」
「そうでもない?」
「よゆうです」
「まあ、子供は元気ですからねぇー」
ここで特殊なバフのことは内緒だ。
僕だって詳しいことはわかっていないし変な尾ひれがついて噂が独り歩きでもしたらどういう事態になるか予想もつかない。
それほど僕の職業は特殊だ。
「あら、あなたスライムハンターだったのね? これまでの買い取り数はハンパじゃないわね。自衛隊とか除くと日本一なんじゃ?」
「いやあ、お恥ずかしい。一時期スライムばっかり狩ってましたんで、スライムを見つけるのは得意なんです」
スライム狩りは倒すより見つけるほうが大変だからね。
僕はその点普通の人の三倍から五倍以上見つけて倒していた。
スライムハンターと呼ばれるのもやむなしか。
「その割に前回はレアアイテムしか換金していませんね」
スライムの魔石を提出したら倒した数がバレちゃうからね。
こいつは倒せば魔石などのアイテムを必ずドロップする。
「ええ、魔石は授業で使うサンプルにしようかと」
「なるほど。それならこのレベルアップの早さも納得です。レアアイテムが出たくらいですから相当狩られたんでしょうね」
「ええ、まあ。というわけでおそらく今日中にはレベル三になりそうな勢いで。あと前回は草原フィールドしかいかなかったので今度は荒野フィールドで前回出なかった火スラと土スラを狩ってから挑もうかと」
「なるほど、ちゃんと安全対策は取られているようで安心しました。レベル三もあればなにか起こる可能性はまず皆無ですからね。第三層でも注意すればやっていけるレベルで階層ボスなら問題はないでしょう。しかも一通りこの階層で出るスライムも網羅するということですし」
「ええ、安全面には細心の注意を払っていますから」
「おねがいしますよ。ここでなにか事故があると社会的な批判は免れませんからね。子供が入ダンしているのは日本でここだけと聞いていますので、管理局内でも注目されているんです。もしなにかあれば子供の入ダンは再検討ということにもなりかねません。管理局でも全力でサポートしますから、なんでも相談してくださいね」
「ありがとうございます。さっきも言ったように、ボスに挑む可能性があります。挑む前にはライブカメラでお知らせするので、注目しておいていただければ助かります」
「大丈夫ですよ。あなた達のパーティーには要注意チェック入れていますから、AIも割りと厳し目に監視してます。ふざけて『助けて』って言っただけで、オペレータが確認しますからね」
「千紗、おふざけなんかしないもん!」
「同意」
「ごめんなさいね。中にはいるのよ。おふざけでピンチのマネするの。何度もやっているとオオカミ少年のように本当のピンチの時に本気にされなかったりしますからね」
聞くと同じ人が何度も同じことをするとAIが学習して、ピンチをピンチと認識しなくなるとか。
千紗たちはいいとして、学級単位で入る時は気をつけないとな。
おふざけするお調子者とかいそうだし。
「はい十分注意します。それではいってきます」
「はい、気をつけていってらっしゃい」
「「いってきまーす」」
三人は奥へと進んだ。
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