表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウッドゴーレムに転生しました。世界樹と直結して、荒れ地を緑あふれる大地に変えていきます  作者: 椎名 富比路
第六章 王都のカレーとドワーフ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
65/66

第65話 王都とネイス・クロトン村をトラムで繋げる

「あなたがコーキよね? 姉から話は聞いているわ」

  

「はい。よろしく、カナンさん。ツリーイェンと王都を、トラムで繋げに来ました」


 ボクは、この作業が公務だと、カナンさんに告げる」

 

「そうなの? トラムなんて、王都でしか走っていないと思っていたから、驚きだわ」


「村と王都を安全に行き来できるルートを作ったので、ご報告を」


「それはどうも、ありがとう。ツリーイェンも、賑やかになるわ」


「で、ですね。こちらの偉い方に、話を通したいのですが?」


「村長のところまで、案内するわ。こっちよ、いらして」


 カナンさんが、村の責任者の元まで連れて行ってくれた。


 大使役は、ヴェリシモ姫が買って出てくれることに。「自分がもっとも、信用できるだろう」と。


 村長らしき老人と、ヴェリシモ姫が話し合う。


「もうちょっとのところまで、鉄道は来ている。ツリーイェンまで延伸する許可を」


「姫様の申し出とあらば、お引き受けいたします」

 

 こうして、ツリーイェンにトラムがつながった。



 ただ、ツリーイェンからネイス・クルオンへのルートは、少々厄介になる。

 魔物は対して、強くない。けど、数がワラワラと湧いてきた。


「なんだか、数が多くない!?」


 トラム用の道を作りながら、ボクは新しい敵の存在に驚く。


「トレントがあちこち出向いているでしょ? 生態系が変わったんだよ」


 森ができたことで、新しい生き物が集まるようになった。

 

 荒れ地の再生でもたらされるのは、恵みだけではない。


 豊かな資源を求めて、邪悪な魔物たちも集まってくる。

 

 とはいえ、荒廃したまま放置していては、なんの循環もしないわけで。


 自然の浄化は、難しいなぁ。


「すげえ数だ。これだけ大勢で歓迎されると、【モンク】だとキツいかもな!」


 一つ目の巨人に悪戦苦闘しながら、ナップルが敵のスネを蹴り込む。魔物がヒザをついたところで、目玉にトドメの一撃を叩き込んだ。


 モンクのスキルはサシでの戦いがメインで、一体多数を想定していない。またナップルは、どちらかというとボスキラー担当のようだった。大量のザコ敵を相手にするには、ムリヤリ力技で押し切るしかない。


「ムリをするな、ナップル。我々に任せよ」


 味方が多数いるヴェリシモ姫が、ナップルの壁役を担当した。


「ここは姫のお言葉に甘えておくんだ、ナップル!」


「おう。頼んだ姫様!」


 スプルスさんが、ナップルのための逃げ道を作る。

 

 ナップルが、魔物の集団から抜けた。


「今ですぜ、姫!」

 

「ゆくぞ、魔物共よ! 【ファイアバード】!」


 ヴェリシモ姫が、剣から炎の鳥を放つ。


 ナップルに注意がそれていた魔物共が、燃え盛る鳥の翼に身を焼かれる。

 

 火の鳥が、魔物を焼き尽くした。


 炎は森まで引火することなく、魔物だけを撃退して消えていく。


「ファイアバードは、邪悪な力のみを消し去る。コーキの【セイントファイア】の上位互換のようなものだ」


 ボクは自分で悪い気配を探す必要があるけど、ヴェリシモ姫の攻撃は自動で魔物を察知してくれるみたい。


「ヴェリシモ姫って、やっぱりすごい」


「とんでもない。普通だ。コーキが戦闘職でもないのにあそこまで強いほうが、よっぽど脅威なのだぞ」


 そういうものなのか。


「あっ、コーキ。やっと村についたよ」


 街道を繋げていたら、いつの間にかネイス・クロトンに到着していた。 


「ダリエンツォより派遣された、ヴェリシモ大使である。よろしく頼む」


 二人の紹介を受けて、拍手が鳴る。


「姫様、ホントに大使って名乗っていいんですかい?」


 スプルスさんが、怪訝そうな顔を浮かべた。


「構わない。大使なのは事実だし」


 自身が姫様であることは、内緒にしてくれとのこと。みんなが萎縮してしまうからだとか。


「ピオナです。ドリアードですが、これでもネイス・クロトン村の村長をいたしております。コーキ様のご指示で」


「そうか。危害が及ばなければ、村長が魔物だろうと王都は差別しない。よろしく頼む」


 ピオナとヴェリシモ姫が、固い握手を交わす。 


「私のことは今後、気軽に呼び捨てで構わない」


「ではヴェリシモさん、よろしくおねがいしますわ。みなさんも、かまわないですか?」


 ヴェリシモさんも、ナップル共々拍手で迎えられた。


「で、アタシはなにをすれば?」


「こっちからトンネルを掘ろうと思ったんだけど、どうだろうね?」


 ボクらは、ずっと邪魔だった北西の岩山まで来ている。


「東側の開拓は、だいたい進んだんだよ」


「たしかにな。ツリーイェンも東だし」


「でもコラシェルは南西だから、今のままだとネイス・クロトンからS字にカーブしないといけないんだ」

 

 ネイス・クロトンの西方面に鎮座し、行く手を阻んでいた。この岩石地帯のせいで、あらゆる通行が妨げられている。なんとかしたかった。削った岩を加工もしたかったし。


 急勾配過ぎて、上から通すこともできない。今だと、迂回する案のみである。


「初めてコラシェルを訪れたときも、だいぶ回り込んだよね」


「そうなんだ」

 

 岩さえなんとかできれば、トラムも繋げやすいかと。

 

「岩の加工は可能だが、アタシらでもトンネルは難しいかな?」


「そうなのかー」


「アタシらドワーフでも、このタイプの岩は手こずっている」


「どうして?」


「岩自体に、価値がねえんだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ