第5話:アブラハム、高齢からのスタートアップ。
えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。
前回、バベルの塔で言葉がバラバラになった人類は、世界中に散らばっていきました。
今回は、その中の一人の「おじいちゃん」にスポットライトが当たります。
名前はアブラハムさん(当時はアブラム)。
なんと、75歳にして人生最大の「転職」というか「起業」というか、とんでもない旅に出ることになります。
根拠はない。でも、約束はある。
それでは、第5話「アブラハム、高齢からのスタートアップ。」いってみましょう。
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75歳からの「全部捨てて出発」
アブラハムさんは、今のイラクあたりにある「ウル」という都会で、それなりに安定した生活を送っていました。
そんな彼に、ある日突然、神様が語りかけます。
「あなたは、自分の国、親族、父の家を離れて、私が示す地へ行きなさい」
これ、今の感覚で言ったら、定年退職してのんびり隠居生活を楽しもうとしている時に、「家も資産も人間関係も全部捨てて、住所不定のまま知らない土地へ引っ越せ」って言われるようなものです。
でも、神様はとんでもない条件を提示しました。
「私はあなたを大きな国民にし、あなたを祝福し、あなたの名を高める。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される」
……75歳のおじいちゃんに対して、「お前を世界一のインフルエンサーにして、一族の始祖にしてやる」って言ったんです。
「とりあえず信じる」という決断
アブラハムさんのすごいところは、ここで「どうやって?」「子供もいないのに?」と理詰めで返さず、「とりあえず荷物をまとめた」ことです。
彼は妻のサラさんと、甥っ子のロトくんを連れて、行き先もよく分からないまま旅に出ました。
旅を続けていくうちに、一つ困ったことが起きます。
アブラハムさんもロトくんも、お互い家畜が増えすぎて、同じ場所で暮らすには土地が狭くなってしまったんです。そこでアブラハムさんは、ロトくんに「好きな方を選んでいいよ」と、土地の選択権を譲りました。
ロトくんは、水が豊かで都会に近いソドムの方を選び、アブラハムさんは何もないカナンの地を選びました。これが、二人の運命を分けることになります。
補正の結末:星空のプレゼンテーション
ロトくんが去った後、一人残されたアブラハムさんに、神様は再び語りかけます。
「目を上げて、今いる場所から北、南、東、西を見渡しなさい。見える限りの土地を、私はあなたとあなたの子孫に永久に与える」
さらに神様は、彼を外に連れ出して言いました。
「天を見上げて、星を数えることができるなら、数えてみなさい。あなたの子孫は、このようになる」
真っ暗な砂漠の夜空に、降り注ぐような星の群れ。
神様は、理屈ではなく「圧倒的な光の数」で、アブラハムさんの不安を上書きしました。
アブラハムさんは、その星空を見て、再び神様を信じました。神様は、その「信じる心」こそが一番正しいことなんだよ、と認めてくれたんです。
もちろん、この後すぐに赤ちゃんが生まれるわけではありません。
でも、アブラハムさんは「おじいちゃん」から「全人類の父」への道を、一歩ずつ歩み始めました。
さて。
こうして旅を続けるアブラハムさんですが、別れた甥っ子のロトくんが住む「ソドム」の街には、恐ろしい影が忍び寄っていました。
次回、第6話。
「ソドムとゴモラ、空から火が降ってくる。」
お楽しみに。……次は、あまりにも酷い悪事が、ついに世界の限界を超えてしまうお話です。




