第39話:ヨブの忍耐。〜なぜ正しい人が苦しむのか?〜
えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。
前回、エステルさんの大逆転劇で民族が救われるという、スカッとするお話を見ました。
でも、人生っていつもあんなに分かりやすく「善が勝つ」わけじゃないですよね。
聖書は、あえてこのタイミングで、人類最大の難問をぶつけてきます。
「本当に正しく生きている人が、ボロボロに傷つくのはなぜ?」
今回の主人公は、非の打ち所がないほど善人だったヨブさん。
それでは、第39話「ヨブの忍耐。」いってみましょう。
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天上界の「賭け」と、突然の地獄
ヨブさんは、とてつもない大富豪で、しかも神様を心から愛する100点満点の善人でした。
ところが、ある日天上界で、サタン(悪魔)が神様にこう食ってかかります。
「ヨブがあなたを信じてるのは、ただ得をしてるからですよ。家も財産も奪ったら、あいつは必ずあなたを呪いますよ」
こうして、ヨブさんの人生に史上最悪の「抜き打ちテスト」が始まります。
ある日突然、盗賊に家畜を奪われ、火事で財産を失い、さらに不慮の事故で大切に育ててきた10人の子供たちを一度に失ってしまったんです。
極めつけに、ヨブさん自身の体もひどい皮膚病にかかり、あまりの痛さと痒さに、割れた土器の破片で体をかきむしるほどの惨状になりました。
奥さんからも「神を呪って死んだほうがマシよ!」と見捨てられ、ヨブさんは灰の中に座り込み、自分が生まれた日を呪うほどの絶望に沈みました。
「お前のせいだろ?」友人たちとの泥沼論争
そこへ、ヨブさんの3人の友人がお見舞いにやってきます。
最初は黙って寄り添っていた彼らですが、次第にヨブを責め始めました。
「おいヨブ、神様が正しい人を無意味に苦しめるわけがない。お前、隠れて何か悪いことしたんだろ? 正直に白状して謝れよ」
これが、ヨブさんにとっては一番の毒でした。
「僕は何も悪いことはしていない! むしろ、なぜこんな目に遭うのか、神様に直接会って文句を言いたいんだ!」
友人たちは「因果応報」の理屈でヨブを追い詰め、ヨブは「理不尽」を叫ぶ。
この長い長い言い争いは、人間の知恵では答えが出ないまま、どこまでも平行線をたどりました。
嵐の中から響く「答えではない答え」
ヨブさんが「神様、隠れてないで出てきて説明してください!」と叫び続けたその時、ついに激しい嵐の中から神様の声が響きました。
でも、神様は「サタンと賭けをしてたんだよ」なんて裏事情は言いませんでした。
代わりに、ヨブにこう問いかけました。
「私が世界の土台を造ったとき、お前はどこにいた? ライオンの餌を用意し、星の動きをコントロールしているのが誰か、お前には分かるか?」
神様が示したのは、「人間の小さな正義感」をはるかに超えた、圧倒的な宇宙のスケールでした。
「お前の理解を超えた大きな計画の中で、世界は回っているんだ」
ヨブさんは、自分の苦しみの理由を知ることはできませんでした。でも、神様という巨大な存在に触れたとき、彼は「分からないけれど、この方に全てを任せていいんだ」と、深く納得して灰の上にひれ伏したんです。
補正の結末:本当の「救い」とは何か
物語の最後、ヨブさんの健康は戻り、以前の2倍の財産と新しい子供たちに恵まれました。
でも、この物語が本当に伝えたいのは「最後は得をするよ」ということではありません。
どんなに絶望的な状況でも、神様は沈黙しているようでいて、実はすぐそばで叫びを聞いている。
そして、「なぜ?」という問いに対する本当の答えは、理屈ではなく「神様との出会い」そのものにある、ということです。
さて。
やらかしを繰り返す歴史、絶望の中での再建、そして理不尽な苦しみ。
旧約聖書という長い長い「序章」は、いよいよクライマックスを迎えます。
これだけ苦しんで、これだけやらかして……結局、私たちはどこへ向かえばいいのか?
次回、第40話(最終回)。
「待ち望まれる『誰か』。〜旧約聖書の終わり、新約へのバトン〜」
最後のお話です。……長い夜が明け、ついに「救い」の光がどこから来るのかが見えてくる、最高のグランドフィナーレです。お楽しみに!




