第37話:エルサレムへ帰ろう!〜ゼロからの再建と、涙の神殿〜
えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。
前回、ダニエルくんたちが異国の地バビロンで「自分の芯」を守り抜く姿を見ました。
そうして耐え忍ぶこと、なんと約70年。ついに運命の時がやってきます。
バビロニアを倒して新しく覇権を握ったペルシア帝国の王、キュロスくんが、とんでもないお触れを出したんです。
「ユダの人たちは、自分の国に帰っていいよ。エルサレムに神様の家(神殿)を建て直しなさい。費用も出すから!」
それでは、第37話「エルサレムへ帰ろう!」いってみましょう。
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70年ぶりの「ただいま」
「本当に帰れるんだ!」
人々は歓喜に沸きました。バビロンで生まれ育ち、一度もエルサレムを見たことがない若い世代も、おじいちゃんたちから聞かされていた「約束の地」を目指して歩き始めました。
ところが、数ヶ月の旅を経てたどり着いたエルサレムは……、ひどい有様でした。
かつての美しい都はどこにもなく、あるのは崩れた石垣、焼け焦げた跡、そして生い茂る雑草。
「ここを、もう一度自分たちの国にするのか……?」
絶望しそうな状況でしたが、リーダーのゼルバベルくんたちは、まず神様に捧げものをする祭壇を作り、神殿の土台を作り始めました。
歓声と泣き声のハーモニー
神殿の土台がようやく完成したとき、エルサレムには不思議な音が響き渡りました。
若い人たちは「やったぞ! ついに自分たちの神殿ができるんだ!」と大歓声を上げました。
でも、その横で、かつてのソロモン王の豪華な神殿を知っているお年寄りたちは、声をあげて泣いていました。
「昔の神殿はあんなに輝いていたのに、今から作るのはこんなに小さくて寂しいものなのか……」
喜びの叫びと、悲しみの泣き声。
その二つが混ざり合って、遠くまで聞こえたといいます。
でも、神様は預言者を通じてこう言いました。「今のこの神殿は小さく見えるかもしれない。けれど、ここには昔以上の平和が訪れる。大事なのは建物の大きさじゃなく、お前たちの心だ!」
妨害工作と、情熱のおっさん「ネヘミヤ」
再建はスムーズにはいきませんでした。
周りに住んでいる別の部族たちが「あいつら、また強くなって反乱を起こすつもりだぞ!」と嫌がらせをしてきたんです。工事は何度もストップし、みんなのやる気も失われかけました。
そこに現れたのが、ペルシアの王宮で働いていた熱い男、ネヘミヤくんです。
彼は王様に許可をもらってエルサレムに駆けつけると、こうハッパをかけました。
「いつまでボロボロの城壁をそのままにしておくんだ! 自分たちの恥をそそぐぞ!」
ネヘミヤくんのやり方は徹底していました。
片手に武器を持ち、もう片方の手でレンガを積む。「敵が来たらすぐ戦えるようにしながら工事を進める」という超ハードモードです。
その情熱に動かされた人々は、わずか52日間で、ボロボロだったエルサレムの城壁を繋ぎ合わせました。
補正の結末:形だけじゃない「心の再建」
建物が形になってきたところで、学者のエズラくんが、あの「神様の法律(律法)」をみんなの前で読み上げました。
朝から昼まで、人々は立ったままじっとその言葉を聞き、自分たちがなぜ国を失ったのか、そしてこれからどう生きるべきかを思い出して、また泣きました。
「今日は泣く日じゃないよ。神様が守ってくれるんだから、美味しいものを食べて、みんなで喜び合おう!」
ネヘミヤくんたちはそう言って、人々を励ましました。
国を失い、すべてがゼロになったからこそ、彼らは「目に見える建物」よりも大切な「神様との絆」を、もう一度結び直したんです。
さて。
こうして、ボロボロだったイスラエルは少しずつ形を取り戻していきました。
でも、歴史の舞台はエルサレムだけではありません。
遠く離れたペルシアの王宮で、自分の正体を隠しながら、民族全滅の危機に立ち向かう一人の女性がいました。
次回、第38話。
「エステル、命がけの直訴。〜絶体絶命の逆転劇〜」
お楽しみに。……次は、王様に愛された一人の王妃が、「私が死ぬことになっても、言わなきゃいけないことがある」と立ち上がる、スリリングな宮廷ドラマのお話です。




