第35話:預言者エレミヤ、絶望を叫ぶ。〜バビロン捕囚とエルサレム陥落〜
えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。
前回、最後の希望だったヨシヤ王が亡くなり、南ユダ王国のブレーキは完全に壊れてしまいました。
そこへ現れたのが、新興帝国「バビロニア」。アッスリアを倒し、世界を飲み込もうとするこの巨大な怪物に対し、ユダの王様たちはまたしても「エジプトに頼れば勝てるんじゃね?」という、これまでの失敗から何も学ばないギャンブルに打って出ます。
この時、神様から「最悪のバッドエンド」を実況中継するように命じられたのが、預言者エレミヤくんでした。
それでは、第35話「バビロン捕囚とエルサレム陥落。」いってみましょう。
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「涙の預言者」の超バッドエンド予報
エレミヤくんの役割は、あまりにも過酷でした。
みんなが「エルサレムは神様の都だから絶対に落ちない!」「戦えば勝てる!」と盛り上がっている中、彼は一人でこう叫び続けなければならなかったんです。
「無駄だよ! この戦いは神様がバビロニアに勝たせているんだ。降伏してバビロンへ連れて行かれなさい。それが、生き残る唯一の道なんだ!」
当然、周りからは「この非国民め!」「縁起でもないことを言うな!」とボコボコにされます。泥沼の穴に投げ込まれたり、牢屋に入れられたり、何度も殺されそうになりました。
それでもエレミヤくんは、自分の国が滅びゆく光景を幻で見て、泣きながら警告を止めませんでした。彼のあだ名は「涙の預言者」。自分の言葉が誰にも届かない苦しみ、そして国が滅びる悲しみに、彼は心を引き裂かれ続けていたんです。
燃えるエルサレムと、最期の惨劇
紀元前586年。ついにバビロニアの王、ネブカドネザルが率いる大軍がエルサレムを包囲しました。
今回は、ヒゼキヤ王の時のようにはいきませんでした。
食料は尽き、街の中は飢餓と病気で地獄絵図となりました。それでも王様はエレミヤの「降伏しろ」という言葉を聞き入れず、最後は夜陰に乗じて逃げ出そうとしましたが、あえなく捕まってしまいます。
バビロニア軍の報復は徹底していました。
ダビデから代々受け継がれてきた聖なる都エルサレムは、徹底的に破壊されました。
神殿の宝物はすべて奪い去られ、最後には神殿そのものも、王宮も、街中の家々も、すべて火を放たれて燃え落ちました。
かつてソロモンが黄金をましましにして建てたあの美しい神殿が、黒い煙を上げて崩れ落ちていく。神殿を失った彼らは、「神様との繋がりまで失ったのではないか」と震えながら、宇宙が終わるような絶望の光景を見つめていました。
バビロン捕囚:鎖で繋がれた「神の民」
街が灰になったあと、さらなる悲劇が待っていました。
生き残った人々の中で、技術者、知識人、有力者たちは、みんな鎖で繋がれ、何百キロも離れた敵国バビロニアへと強制連行されました。これが有名な「バビロン捕囚」です。
「バビロンの川のほとりで、私たちは座り、シオン(エルサレム)を思い出して泣いた」
そんな歌が作られるほど、彼らの絶望は深かった。
故郷を失い、家を失い、異国の地へ放り出された彼らは、自分たちが何者なのかを、どん底の中で見つめ直すことになります。
補正の結末:灰の中から芽吹く「新しい約束」
すべてが終わりました。
エルサレムは廃墟となり、人は去り、静まり返った瓦礫の山に、エレミヤくんの泣き声だけが響いていました。
でも、不思議なことに、エレミヤくんはこの絶望のどん底で、今まで以上に強い「光」を見つめていました。
「神様は、いつか必ず私たちをこの土地に戻してくださる。そして今度は、石の板に書かれた法律ではなく、私たちの『心』に直接書き込まれる、新しい約束(新約)を結んでくださるんだ」
灰の中から、何かが始まろうとしていました。
国が滅びて、すべてがゼロになったこの場所から、本当の意味での「信仰」が試されることになります。
さて。
連れ去られた先、バビロン。そこは誘惑と異国の神々で満ち溢れた、巨大な迷宮のような場所でした。
そんな中、王宮で出される豪華な食事を拒み、知恵と勇気で自分たちのアイデンティティを守り抜く若者たちが現れます。
次回、第36話。
「ダニエルと獅子の穴。〜バビロンで自分の信念を貫く方法〜」
お楽しみに。……次は、ライオンの檻に投げ込まれても、火の燃える炉に投げ込まれても、なぜかケロッとしている「最強の留学生たち」のお話です。




