第31話:預言者エリヤ、火を降らせる。〜バアルとの直接対決〜
えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。
前回、ソロモン王の死後、イスラエルは北と南に分裂してしまいました。
特に北の王国では、「アハブ王」という優柔不断な王様と、その奥さんで気が強すぎる「イゼベル王妃」が、外国の派手な神様を国教にして大流行させていたんです。
本物の神様を信じる人たちが迫害される中、ボロをまとった一人のワイルドな男が、王の前に仁王立ちしました。
それが、最強の預言者エリヤくんです。
それでは、第31話「預言者エリヤ、火を降らせる。」いってみましょう。
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「どっちが本物か、はっきりさせようぜ」
アハブ王とイゼベル王妃が、バアルという神様のために豪華な神殿を建て、450人ものお抱え預言者を養っていた頃、国にはひどい干ばつが続いていました。
エリヤくんは王にこう提案します。
「カルメル山に、あんたたちの預言者450人を集めてください。僕一人で相手になります。それぞれが生け贄を捧げて、空から『火』を降らせて、それを燃やした方の神様が本物。……これでいいですね?」
これ、完全に多勢に無勢のデスマッチです。でも、自信満々のエリヤくんの提案に、王も国民も「面白そうだ」と山に集まりました。
踊る450人 vs 煽るエリヤ
まずはバアルの預言者たちの番です。彼らは必死でした。
朝から晩まで祭壇の周りを踊り回り、「バアル様、火を降らせてください!」と叫び続けます。さらには自分の体を傷つけて血を流し、トランス状態で祈り狂いました。
でも……空からは何も降ってきません。
それを見ていたエリヤくん、めちゃくちゃ煽ります。
「もっと大きな声で叫んだら? お出かけ中かもしれないし、お昼寝中かもしれないよ。起こしてあげなきゃ!」
これには450人の預言者も顔を真っ赤にして叫び続けましたが、結局、夕方になっても奇跡は起きませんでした。
水浸しの祭壇と、一瞬の炎
夕暮れ時、ついにエリヤくんの番が来ます。
彼は古くなった神様の祭壇を修理すると、あろうことか「祭壇の上に大量の水をかけろ!」と命じました。
水は生け贄を浸し、溝に溢れるほどジャブジャブにかけられました。「火をつけにくくする」という、圧倒的なハンデを自分に課したんです。
そして、エリヤくんが静かに祈りました。
「神様、あなたがイスラエルの神であることを、今ここで示してください」
その瞬間でした。
空から凄まじい勢いで火が降り注ぎ、生け贄どころか、水浸しの薪も、石も、地面の土も、溝に溜まった水までも一瞬で焼き尽くしてしまったんです!
これを見た国民は一斉に地面にひれ伏して叫びました。
「本物の神様は、あの方だ!」
補正の結末:奇跡のあとの「燃え尽き症候群」
この勝利の直後、エリヤくんの祈りによって3年半続いた干ばつが終わり、国に大雨が降りました。
まさに大逆転勝利!……なのですが、エリヤくんの戦いはここでは終わりません。
怒り狂ったイゼベル王妃から殺害予告が届くと、あれほど強かったエリヤくん、急に心が折れて逃げ出してしまいます。
「もう疲れました……。僕一人だけが頑張っているみたいだ。神様、いっそ僕を死なせてください」
最強のヒーローが、絶望して荒野でうなだれる。神様はそんな彼に、そっとパンと水を与え、こう優しく励ましました。
「お前は一人じゃないよ。まだ、私を忘れていない人たちが七千人も残っている」
さて。
炎の対決を制したエリヤくんですが、北の王国は相変わらずやらかしを止めません。
王様たちは次々と神様を無視し、国はどんどん危ない方向へ向かっていきます。
次回、第32話。
「アッスリアが攻めてくる!〜北の王国、ついに消滅〜」
お楽しみに。……次は、どんなに警告されても聞く耳を持たなかった北の王国が、最強の帝国に飲み込まれてしまう、悲しすぎる結末のお話です。




