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つむぎ訳・旧約聖書 神様と人類のやらかし記録  作者: 五平


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30/40

第30話:ソロモン王、知恵がありすぎて国を大きくしすぎる。〜黄金と神殿の絶頂期〜

えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。


前回、悲劇の連鎖の中でダビデ王の時代が幕を閉じました。その後を継いだのが、ダビデとバテ・シェバさんの間に生まれた息子、ソロモンくんです。

彼は、お父さんのような「戦士」ではありませんでしたが、代わりに人類史上類を見ない、とんでもない「武器」を持っていました。

それは、神様から授かった「圧倒的な知恵」です。


それでは、第30話「ソロモン王、知恵がありすぎて国を大きくしすぎる。」いってみましょう。


---


「何でも一つだけ願いを言ってみなさい」


ソロモンくんが王様になってすぐのこと、神様が夢の中に現れてこう言いました。

「あなたが欲しいものを何でも一つあげよう。何がいい?」

これ、現代なら「お金!」とか「不老不死!」とか言っちゃいそうですが、ソロモンくんは違いました。


「神様、僕はまだ若くて、この大きな国を治める自信がありません。だから、正しい判断ができる『聞き分ける心(知恵)』をください」

この謙虚な答えに神様は感動しました。

「自分のために長生きや富を願わずに、知恵を願うなんて偉い! おまけに、願わなかった富も名誉も全部あげよう!」


こうしてソロモンくんは、世界一の知恵者にして、世界一のお金持ち王様になったんです。


有名すぎる「赤ちゃん裁判」


ソロモンくんの知恵を象徴する、有名なエピソードがあります。

ある日、二人の女性が「この赤ちゃんは私のよ!」と言い争いながらやってきました。証拠も証人もいない難しい裁判です。

するとソロモン王は、冷徹にこう言い放ちました。

「よし、それなら赤ちゃんを剣で真っ二つに切って、半分ずつ分けなさい」


残酷な命令に、一人の女性は「その通りにしてください」と言いましたが、もう一人の女性は泣き叫びました。

「王様、お願いです! 赤ちゃんを殺さないで。その子を彼女にあげてください!」

これを見たソロモン王はニヤリと笑いました。

「子供を殺さないでと言った女性こそが本当の母親だ。その子を彼女に返しなさい」


この「愛ゆえの自己犠牲」を見抜いた鮮やかな裁きに、国民は「この王様には敵わない!」と脱帽しました。


黄金の神殿と、ましまし過ぎる贅沢


ソロモン王の最大の功績は、お父さんダビデの悲願だった「神様の神殿」をエルサレムに建てたことです。

世界中から最高の木材と、目がくらむほどの黄金を集め、7年かけて完成させました。この頃のイスラエルはまさにバブル絶頂。銀なんて、その辺に転がっている石ころと同じくらいの価値しかないと言われるほどの超好景気でした。


遠い国の「シバの女王」も、噂を聞きつけてわざわざ会いに来るほどの人気っぷり。ソロモン王の知恵と富は、まさに世界の中心でした。


補正の結末:知恵があっても抑えられなかった「欲」


ところが。

あれほど知恵があったソロモン王も、最後には自分の「欲」に足を救われてしまいます。

彼は周辺諸国との同盟を固めるために、なんと700人の妻と300人の側室、合わせて1,000人もの女性を王宮に迎え入れました。


彼女たちが自分の国の「別の神様」を持ち込んだことで、あんなに神様一筋だったソロモンくんの心は、次第に神様から離れていきました。

さらに、贅沢すぎる暮らしを維持するために国民に重い税金をかけ、過酷な労働を強いたことで、国の中に不満のマグマが溜まっていきます。


知恵がありすぎて国を大きくしすぎた結果、ソロモン王が亡くなった直後、イスラエル王国は「北」と「南」に真っ二つに分裂してしまうんです。


さて。

栄華を極めた王国は、ここから「分裂」と「衰退」の長い冬の時代に入ります。

でも、そんな暗い時代だからこそ、神様の言葉を叫ぶ熱い男たちが現れることになります。


次回、第31話。

「預言者エリヤ、火を降らせる。〜アイドル的神様との直接対決〜」


お楽しみに。……次は、山の上で「どっちの神様が本物か、火を出した方が勝ち!」という、超ド派手なデスマッチが行われるお話です。

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