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つむぎ訳・旧約聖書 神様と人類のやらかし記録  作者: 五平


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29/40

第29話:ダビデ王、家族の崩壊に苦しむ。〜罪の重さは、家庭に跳ね返る〜

えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。


前回、成功の絶頂にいたダビデ王は、自分の欲望のために忠実な部下を裏切り、その命を奪うという人生最大の大やらかしをしてしまいました。

本人は「隠し通せた」と思っていましたが、神様はすべてをお見通し。

預言者ナタンさんを通じて、「あなたは自分の家の中で、自分がしたことと同じような悲劇を味わうことになる」という、恐ろしい宣告を受けます。


それでは、第29話「ダビデ王、家族の崩壊に苦しむ。」いってみましょう。


---


王宮の中で始まった「負の連鎖」


ダビデ王がバテ・シェバさんとの間に授かった最初の子供は、神様の宣告通り、生まれてすぐに亡くなってしまいました。ダビデ王は泣いて断食して祈りましたが、罪の代償はこれだけでは終わりませんでした。


ダビデ王自身の「欲望を抑えられなかった過ち」が、まるで染みのように、彼の家族の中へ広がっていったんです。

最初に事件を起こしたのは、長男のアムノンくんでした。彼は、異母妹のタマルさんに恋をしてしまい、力ずくで彼女を傷つけてしまいます。

かつてダビデ王が「欲望のために他人の妻を奪った」のと同じように、息子もまた、自分の欲望のために身内を傷つけた。王宮の中に、消えない因果の影が広がり始めます。


復讐に燃える美しき息子、アブサロム


妹を傷つけられた実の兄、三男のアブサロムくんは激怒しました。

でも、父親であるダビデ王は、長男を厳しく罰することができませんでした。自分自身も大きな罪を犯した負い目があるから、息子を叱る「正しい基準」が心の中でぐらついていたのかもしれません。


アブサロムくんは、父親の優柔不断さに絶望します。

「親父はもうダメだ。自分の罪に縛られて、正義を貫けなくなっている。俺がこの国を、この家族を正してやる」

アブサロムくんは2年かけてじっくりと復讐の準備をし、ついに長男アムノンを殺害。そのまま父親であるダビデ王に対して、クーデター(反乱)を起こしました。


裸足で逃げる王様、再び荒野へ


アブサロムくんは若くて美しく、国民の心を掴むのが天才的に上手でした。

「王様のもとに行っても、あなたの悩みは解決されません。でも、僕がリーダーになれば、みんなを平等に幸せにします!」

そうやって民の心を盗んだアブサロムは、大軍を率いてエルサレムへ進軍します。


ダビデ王は、かつてサウル王から逃げたときのように、再び裸足で泣きながらエルサレムを脱出しました。王座に座り、すべてを手に入れたはずの英雄が、自分の息子に追われて逃げる逃亡者に逆戻りしてしまったんです。「これも、自分が犯した罪の報いなのか……」と、かつてないほどの孤独の中で荒野を歩き続けました。


補正の結末:愛と悲劇の決着


物語は、森の中での最終決戦へと向かいます。

アブサロムくんは自慢の長い髪が木の枝に絡まって動けなくなり、そこをダビデの部下に討たれて亡くなりました。


反乱は鎮圧され、ダビデは再び王座に戻ることができましたが、彼に笑顔はありませんでした。

「ああ、わが子アブサロム。アブサロム、わが子よ。私が代わってお前のために死ねればよかったのに……」

宮廷の屋上で、ただただ泣き続ける老いた王様の姿。それが、最強の王が犯した「たった一つの過ち」がもたらした、あまりにも重すぎる家庭崩壊の結末でした。


さて。

ボロボロになったダビデ王の時代は、こうして静かに、そして重苦しく暮れていきます。

次にこの国を引き継ぐのは、あのバテ・シェバさんとの間に生まれた「知恵」の王様、ソロモンくんです。


次回、第30話。

「ソロモン王、知恵がありすぎて国を大きくしすぎる。〜黄金と神殿の絶頂期〜」


お楽しみに。……次は、王様が「一番欲しいもの」として選んだ知恵が、イスラエルを史上最大の繁栄と、そして最大の分裂へと導くお話です。

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