第28話:ダビデ王、ついに国をまとめ上げる。〜成功の絶頂に潜む罠〜
えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。
前回、悲劇的な死を遂げたサウル王の時代が終わり、ついにダビデくんがイスラエル全土の王様になりました。荒野をさまよい、命を狙われ続けた「逃亡者」が、ついに誰もが認める「支配者」になったんです。
ここから、ダビデ王国のまさに「黄金時代」が始まります。
でも、人間不思議なもので、一番光り輝いている時ほど、足元にある小さな穴に気づかないものなんですよね。
それでは、第28話「成功の絶頂に潜む罠。」いってみましょう。
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最強の王国と、夢の巨大都市
ダビデ王の仕事ぶりは、まさに完璧でした。
まず彼は、難攻不落だった町を攻め落とし、そこを「エルサレム」と名付けて、国の新しい首都にしました。
さらに、神様との契約の象徴である「石板」が入った箱を、エルサレムに迎え入れます。この時ダビデ王は、嬉しさのあまり服が脱げそうになるくらい大はしゃぎで踊りました。
「国を守る力」と「神様への信頼」の両方が揃ったことで、イスラエルはかつてない最強の王国になりました。神様もダビデに「お前の家系が、この国を永久に治めることになるだろう」と、とんでもない約束をしてくれます。
まさに、ダビデくんの人生は順風満帆。成功の絶頂にいました。
屋上からの景色と、たった一つの「油断」
さて、そんなダビデ王が人生最大の大やらかしをしてしまったのは、ある春の日のことでした。
いつもなら王様自身が軍を率いて戦場に行くはずなのですが、その時に限って、ダビデ王は部下に戦争を任せ、自分はエルサレムの宮殿に残っていました。
夕暮れ時、ダビデ王が宮廷の屋上を散歩していると、一人の美しい女性が水浴びをしているのが目に入りました。
成功しすぎて退屈だったのか、はたまた「自分は何をしても許される」という傲慢さがあったのか。彼は、その女性が自分のために命がけで戦っている部下の奥さん、バテ・シェバさんであることを知っても、自分の欲望を止めることができませんでした。
かつてサウル王の命にすら手を出さなかったダビデ王が、今度は「手を出してはいけないもの」に手を伸ばしてしまったんです。
成功を上回る「大やらかし」
ダビデ王は王としての権力を使って関係を持ち、バテ・シェバさんは妊娠してしまいます。
パニックになったダビデ王は、自分の罪を隠すために恐ろしい作戦を実行しました。戦場のウリヤくんを呼び戻し、奥さんと過ごさせて自分の子供だと見せかけようとしたのです。
ところが、真面目なウリヤくんは「仲間が苦労しているのに自分だけ家で休めない」と拒みます。
作戦が失敗したダビデ王は、ついに最後の一線を越えました。ウリヤくんを戦場の最前線へ送り、わざと戦死するように部下に命令を出したんです。
自分の罪を隠すために、忠実な部下を「殺した」。このダビデの裏切りは、旧約聖書の中でも屈指の重さでした。
補正の結末:すべてを手に入れた王の転落
ウリヤくんが死んだあと、ダビデ王はバテ・シェバさんを妻にしました。
「よし、これで誰にもバレずに済んだぞ」
そう思っていたはずですが、すべてを見ていた神様は激怒していました。これまでダビデを導き、守ってきた神様ですが、今回のやらかしは、国を強くした功績よりもはるかに重い罪だったんです。
この瞬間、ダビデ王の「黄金時代」は終わりました。
さて。
隠したつもりの罪は、消えたわけではありませんでした。
それはやがて、ダビデ王の家族と国に、重すぎる代償として返ってくることになります。
次回、第29話。
「ダビデ王、家族の崩壊に苦しむ。〜罪の重さは、家庭に跳ね返る〜」
お楽しみに。……次は、王様が投げた罪の影が、自分の息子たちの争いと悲劇となって現れる、旧約聖書で一番切ない「家庭崩壊」のお話です。




