第27話:サウル王の最期、そしてダビデの即位。〜悲しみのあとに来る夜明け〜
えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。
前回、サウル王を殺せる絶好のチャンスをあえて見送り、自分の「器」の大きさを見せたダビデくん。一方のサウル王は、一時的に反省はしたものの、結局は心の闇を払拭できず、自分を見失ったまま最後の戦いへと突き進んでいくことになります。
一人の王の「終わりの物語」と、新しい王の「始まりの物語」。
それでは、第27話「サウル王の最期、そしてダビデの即位。」いってみましょう。
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追い詰められた王の「禁じ手」
宿敵ペリシテ軍が、これまでにない大軍で攻めてきました。
いつもなら神様に助けを求めるところですが、信頼を失い、孤独に震えるサウル王のもとに神様の声は届きません。
絶望した彼は、あろうことか自分がかつて禁止したはずの「口寄せ(霊媒師)」のもとを訪ねるという、最悪の禁じ手に手を染めます。
現れた預言者サムエルさんの霊が告げたのは、残酷な宣告でした。
「明日、あなたとあなたの息子たちは、私と一緒に(あの世に)いることになるだろう。神様は国をダビデに与えられた」
この言葉を聞いて、サウル王の力は抜け落ちました。でも、逃げることはしませんでした。彼はそのまま戦場に向かい、神様の宣告通り、息子ヨナタンたちと共に壮絶な最期を遂げることになります。
敵の死を「喜ばなかった」英雄
サウル王の戦死を聞いたダビデくん。
普通なら「やっと自分を殺そうとしていた天敵がいなくなった! ついに俺の時代だ!」とガッツポーズしてもおかしくない場面ですよね。
ところが、ダビデくんは自分の服を引き裂き、声を上げて泣きました。
自分を追い回したサウル王のため、そして親友ヨナタンのために、彼は「哀悼の歌」を作って国民全員に歌わせたんです。
「ああ、イスラエルの栄光が山の上で倒れた。英雄たちは、なんと無残に死んだことか」
ダビデくんは、最後までサウルを「敵」としてではなく「神様が立てた王様」として敬い続けました。この誠実さが、バラバラになりかけていた国民の心を一つに束ねていくことになります。
ついに輝く、本当の王冠
サウル王の死後、ダビデくんはすぐに王座に飛びついたりはしませんでした。彼はまず神様に尋ねます。
「私はどこへ行けばいいですか?」
神様は「ヘブロンへ行け」と答えました。そこでダビデくんは、まず自分の部族の王として認められ、やがてイスラエル全土の王として、みんなから心から望まれて即位しました。
かつてイスラエルの民が荒野で40年かけて作り替えられたように、ダビデもまた、サウルから逃げ続けた10年近い歳月の中で、王としての心を鍛え上げられていったんです。
ダビデ王は、神様が共にいるという確信のもと、次々と国を強くしていきます。
かつてサウルがどうしても手に入れられなかった「心の平安」を、ダビデは王座の中心に据えました。
補正の結末:順風満帆の影に差す「一筋の雲」
ダビデ王の治世は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。最強の軍隊、鉄壁の城、そして神様への深い信頼。「これこそ、神様が約束した理想の王国だ!」と、誰もが確信していました。
ところが。
すべてを手に入れ、戦いに行く必要がなくなった王様の「ちょっとした油断」が、ダビデくんの人生最大の大やらかしを招くことになります。
成功の頂点で、王様は一体何を見てしまったのか。
次回、第28話。
「ダビデ王、ついに国をまとめ上げる。〜成功の絶頂に潜む罠〜」
お楽しみに。……次は、あまりにも完璧な王様が、たった一つの過ちで自分の家族と国をボロボロにしていく、重すぎる「代償」のお話です。




