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つむぎ訳・旧約聖書 神様と人類のやらかし記録  作者: 五平


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第25話:サウル、ダビデへの嫉妬で壊れていく。〜大好きが殺意に変わる時〜

えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。


前回、最強の巨人ゴリアテを石つぶて一つで倒し、国民的ヒーローになった少年ダビデくん。

サウル王は彼を気に入り、宮廷に招いて自分のそばに置くことにしました。サウル王の息子ヨナタンくんとも親友になり、ダビデくんの未来はキラキラと輝いている……はずでした。


ところが、人間関係の歯車は、たった一つの「歌」から狂い始めます。

それでは、第25話「サウル、ダビデへの嫉妬で壊れていく。」いってみましょう。


---


耳から離れない「比較の歌」


戦場から帰るダビデくんとサウル王を、町の人々は総出で迎えました。

そこで女性たちが太鼓を叩いて踊りながら、こんな歌を歌ったんです。

「サウルが殺したのは1,000人、ダビデが殺したのは10,000人!」


これ、サウル王にとっては最悪の歌詞でした。

もともと「周りの目」を極端に気にするタイプだったサウル王の耳に、この数字の差がこびりつきます。

「俺はたったの1,000か……。あいつは10,000か。あいつに足りないのは、もうこの『王座』だけじゃないか!」

かつての「期待の新星」は、この瞬間、サウル王の心の中で「自分の居場所を奪う侵略者」に変わってしまいました。


癒やしの調べと、飛んできた槍


サウル王は、神様とのつながりを失った不安から、時々ひどいパニックや気分の落ち込みに襲われるようになっていました。

そんなとき、ダビデくんは王様のそばで竪琴ハープを弾いて、その心を癒やしてあげていたんです。本来なら、一番の功労者であり、一番の恩人ですよね。


ある日のことです。ダビデくんがいつものように一生懸命ハープを弾いていると、サウル王の目がすわりました。

(こいつがいなくなれば、俺は安心できるんだ……)

サウル王は手に持っていた槍を、いきなりダビデくんに向かって全力で投げつけました!


ヒュッ、ドスッ!!


ダビデくんは間一髪で身をかわし、槍は壁に深く突き刺さりました。

ダビデの竪琴は、サウルの心を一時的に落ち着かせることはできました。でも、サウル自身が自分の嫉妬と向き合わない限り、その奥にある恐怖までは消せなかったんです。

この日から「事故」を装った殺意が何度も繰り返されるようになります。


強すぎる。愛されすぎる。


サウル王は、直接自分の手を汚さずにダビデくんを消そうと画策します。

「ダビデくん、私の娘を嫁にあげよう。ただし、結婚の条件として、敵陣に乗り込んで100人の敵を倒してきてほしいな」

(どうせ戦死するだろう)というサウル王の目論見でしたが、ダビデくんはなんと、さらっと200人を倒して帰ってきました。


ダビデにとっては「王様のために」という忠誠心でしたが、サウルにとっては、ダビデの長所そのものが自分の不安を刺す凶器になってしまったんです。

サウル王は、ダビデを「怖がる」あまり、ついに宮廷全体に「ダビデを殺せ」という公式の命令を下してしまいます。


補正の結末:友情と逃亡の始まり


ここで動いたのが、サウル王の息子であり、ダビデくんの親友だったヨナタンくんです。

ヨナタンくんは、父親の殺意が本物であることを察し、命がけでダビデくんを逃がしました。

「君がいつか王になったとき、僕ら家族のことを忘れないでくれ」


二人は泣きながら別れを惜しみ、約束を交わしました。

昨日まで王様の隣でハープを弾いていた英雄は、今日から身を隠して洞窟や荒野をさまよう「逃亡者」になってしまいました。


さて。

何も悪いことをしていないのに、国を追われることになったダビデくん。

一方、王座にしがみついて追いかけ続けるサウル王。

二人の追いかけっこは、やがて予想外の場所で「決着」のチャンスを迎えます。


次回、第26話。

「ダビデ、王様に追われながらも手を出さない。〜絶好のチャンスをスルー〜」


お楽しみに。……次は、洞窟で用を足している王様の服の端を、こっそり切り取るという、シュールすぎる「お返し」のお話です。

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