表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一流企業を辞めた俺は、新しいアルバイト先の年下先輩に恋をする。 〜第二の人生…今度は君が好きだと伝えるよ〜  作者: 夢達磨
第1章 新しい人生編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/6

第2話 クラスメイト


「私がこのクラスの担任になった星咲明里ほしさきあかりだ。よろしく頼む。では早速だが出席を取る。名前を呼ばれたら返事をして、その後に自己紹介をしろ」


 先ほど入ってきた髪の毛ボサボサの女性が、どうやら担任らしい。高い位置でポニーテールをしているが、それでも処理しきれないほど長く、ボサついている。目つきは鋭く、せっかくの美人が台無しだ。


 星咲先生は、淡々と名簿を読み上げていく。


「牙城鐵星」


 名前を呼ばれて立ち上がる。


「えー、牙城鐵星です。久しぶりの学校生活を楽しく過ごせたらなーと思います。よろしくー!」


「久しぶりって、この前まで中学生だったろー」


 誰かのツッコミに、クラスの笑いが起きた。

 ……そうだった。普通はそう思うよな。中身は26歳なんだけどな。仕方ない。


「東郷宝輝」


 東郷宝輝? ああ、新入生代表のあの子か。同じクラスだったのか。優秀なんだろうし、行事でも頼りになりそうだ。俺の斜め右が東郷さん、右隣は時末さんだな。


「はい。――私は東郷宝輝。みんな知ってると思うが、東郷グループ社長の娘だ。私は生まれた時から背負うものが違う。はっきり言っておく。私は下々などと群れるつもりはない! 以上」


 社長令嬢……! 最初は頼もしいと思ったけど、思った以上にクセが強いな。……まあ、言動だけで判断するのもよくないか。



 全員の自己紹介が終わると、先生はプリントを配り始めた。


「今からお前らの実力を測るため、小テストを行う。制限時間は20分。始め!」


 一斉にプリントを表に返す。


 ……おん?

 小学生〜中学生レベルじゃないか。小テストだから簡単なのか、この世界のレベルが低めなのか。


 100点を取って「頭いい!」とアピールするチャンス――

 ……いや待て。転生者だとバレたらまずいかも。


 最後の問題は俺には簡単でも、この世界の住人には難しい可能性がある。全問正解して目立つのは良くないか……?


 ――と悩んだものの。


 結局、全部解いてしまった。

 仕方ない、実力を測るって言われたら手を抜くわけにもいかない。



 テストが終わったあと、番号順に並ばされ、学校案内が始まった。


 基本構造は普通の学校だが、校舎裏にある“ショップエリア”には圧倒された。そこでは休み時間に買い物ができ、放課後はアルバイトも可能らしい。


 さらに学生証を渡された。顔写真・名前・IDが記されており……現実でいうマイナンバーのようなものだ。


 施設は充実し、校内設備も豪華。金のかけ方が段違いだ。退屈はしなさそうだ。



 案内が終わり、教室へ戻ると先生が口を開く。


「明日は委員会決めと健康診断がある。各自、体操服を持ってくるように」


「ねぇ、牙城君。委員会って何やったっけ?」


 時末さんがこっそり聞いてくる。


「図書委員とか体育委員とか、そういうやつですよ」


「あー、あれな。思い出したわ。牙城君はハーレム委員になるん?」


「んなもん、あるかーーっ!! ――あだっ!」


 ツッコんだ瞬間、何かが額にヒットした。


「いった……チョーク?」


「おいそこ、静かにしろ」


 どうやら星咲先生の投球だった。


「あっははー。すみませんっ!」


 周囲から笑いが起こる。


 ……俺、真面目キャラで行くつもりだったんだが、時末さんがいると無理だな。この人の前だとどうしてもふざけキャラになる。でも、意外と青春っぽくて悪くないかもしれない。


 とりあえず、これでいくか。


「今日はこれで終わりだ。13時になったら帰っていい。それまでなら質問を受け付ける」


 終わった……。今は12時48分。あと少しだ。


 ――しかし俺、体操服持ってないし、そもそも帰る家がない。


「はい!」


「何だ」


(馬波ってやつだったな。何を聞くんだ……?)


「先生に彼氏はいますか!」


「お前、後で職員室にこい」


 即答だった。


「馬波いいなぁ! 俺ちゃんも行きてぇ!」


 今度は島瀬という男が叫ぶ。


「なら、お前も職員室にこい」


「よっしゃー!」


「島瀬良かったやん!」


 二人は昔からの知り合いらしい。……変な二人組だ。絡まれないようにしよう。



 13時になり、生徒たちは帰っていく。

 転生組の俺たちは円を作るように座り、作戦会議を始めた。


 真会さんが不安げに口を開く。


「わたしたち、これからどうなるのでしょうか?」


 いつも笑顔の真会さんがこんな表情をするのは、胸が痛む。なんとかしないと。


「では、一旦整理しましょう」


 俺は現状をまとめて話す。

 あの時、俺たちは職場で災害に遭い死亡。

 そしてこの世界に転生し、四方総合中央高等学校という謎の学校へ入学したこと。


 みんなはまだ受け止めきれていないようだ。

 まあ、当然だ。不思議だらけなんだから。


 俺はすでに、この状況を受け入れつつある。今までできなかったことを第二の人生を楽しむつもりだ。

 ……生徒会長がお金を最重要と言っていたのだけは気になるが。


「そういえば、カバンの中身見ました? 私、通帳とか財布とか、そのまま入ってたんですが……この世界で使えるんですかね?」


 音梨さんが言い、皆がカバンを調べ始めた。

 俺はテスト後に確認済みだ。


 中身は――財布、通帳、ケータイ。

 だが学校案内のとき店員が使っていた貨幣は、現実とは違っていた。

 つまり『円』は使えない可能性が高い。


 『円』を換金できれば、通帳の金でしばらく暮らせるんだが……。


 ケータイはずっと圏外。日付は4月8日表示のまま。

 買い直すしかないか。


 俺は、


・現実のお金は換金可能か銀行に確認

・ケータイは圏外なので新しく買う必要がある


と説明した。


 連絡手段もないので、俺たちはしばらく行動を共にすることに。

 まずは銀行で『円』の換金ができるか確認し、そのあと物件探しだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ