回収作戦
残してきたタイムディスクの残骸を、ロズウェル陸軍航空基地から派遣された部隊と名乗り、現場からひとつ残らず回収し持ち帰ること。
これが最優先のミッションとなる。
1947年に戻ると、昨晩は暗くて分からなかったが広大な牧場が広がっている。その牧場の一角にタイムディスクの残骸が散らばり、腕が俺の2倍ぐらいある牧場主ブラゼルや昨晩の爆発音を聞きつけた隣の牧場主がタイムディスクの破片を手に首をかしげている。
「おはようございます。牧場主のブラゼルさんでよろしいでしょうか?」
オズワルトは牧場主を刺激しないように、丁寧に話しかける。
「お前は誰だ! 勝手に俺の牧場に入ってきて!」
ブラゼルは興奮している。無理もない、夜中に爆発音で起こされてUFOを目撃した上に、牧場には見たこともない金属片が1km四方に散らばっている状況なのだから。
「こちら、ロズウェル陸軍航空基地より爆発物の破片を回収に参りました。これより、牧場を一時的に閉鎖させて頂きます。」
無表情なオズワルトは、ブラゼルの目を見つめたまま離さない。
軍の人間だと聞いて、一瞬後ずさりしたブラゼルだったが、牧場を閉鎖されては仕事にならないと、顔を真っ赤にしながら言葉にならない言葉でまくし立ててきた。
それでもオズワルトは冷静に、部下に指示を出す。
「ブラゼルさんを自宅まで送っていって、落ち着くまでそばにいてあげて下さい。」
ブラゼルさんは、この事態は牧場主という立場では阻止できないことは分かっているのだろう。両方から腕の掴まれると、おとなしく指示に従った。
「これだけ教えてくれ! この見たこともないような残骸は一体何の残骸なんだ?」
「気象用の観測気球なんです。ご迷惑お掛けしました」
目をしっかりと見ながら、丁寧に答えた。
ブラゼルは、到底納得できない顔をしているが、大人しく自宅へと戻っていった。この様子を見たオズワルトは、瞬時に次の指示を出す。
「彼は金属片を自宅に持ち帰っているはずだ。自宅、倉庫を徹底的に調べろ」
1km四方に渡るタイムディスクの残骸を回収し、レコーダーも爆発の中心から1km離れた草むらのなかで発見された。
また、オズワルトの読み通り、ブラゼルの納屋からも持ち帰った金属片が発見され、無事回収された。
今回の爆発事件は、UFOを目撃したという地元の人間も多く出てきたことから、UFOが墜落した物と大きく報道され、中には宇宙人らしき生き物も軍によって回収されたとの噂まで広まっていた。
俺たちは軍公式発表として『気象用の観測気球が墜落』とし、公式の最終報告書を作成し、新聞やラジオに報道するよう圧力をかけた。
こうして、俺たちが過去に残してきた全ての物を回収することに成功した。




