表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おれ達のLUCK TiME  作者: 風快李吏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/10

[第三幕.なぜ、僕がこんな事に……。]


一週間後の土曜日。おれ達は電車とバスを使い何時間かかけてこのイシナカ村にやって来た。朝っぱらだったからすごくねむい。バスを降りた後、疲れをとるべく背伸びをした。

「うんッ~あー。つかれたぁ」

「こんなにかかるとは思ってなかったよな。ちゃんと確認して送れよ」

「ゴメンゴメン」

「それよりも……」

 3人組、パッとこの持ち主の方へ振り向いた。来た、といえば、もうひとり……。

「それよりも何故、僕がこうなるんですか?」

 今にも半泣きをしかねない森口先生は嘆いた。そんなコト彼女はさらりと流してしまう。

「だって、こうでもしないと黙って来てくれないじゃないですか」

 そんな内田と哀れな副担に対しておれはボソッと皮肉を言ってやった。

「撮る方も撮られる方もどっちもどっちだっての」

「なんか言った?」

「い、いや何も」

……さすが地獄耳は聞き逃さなかった。

 何故だろうか、今の彼女には頭が上がらなかった。そんな様子をまだ呻いて聞いていた教師は更に嘆いた。

「信用していた生徒に裏切られるとは」

 『裏切る』の言葉を聞いて武野が透かさず反論した。

「先生、それを言うならボクらの方ですよ。センセーだけはまともと思っていたのにィ」

 もっともな意見だ。おれももう一票。一方、先生は……。

「いいでしょうがホステスぐらい。先生は大変なんです。疲れるんです。気分を晴らしたいんです。結婚したいんです!!」

……なんか、だんだん可哀そうになってきた。

「―――先生、早くいい嫁さん見つけて下さい……」

 生徒に人気は高いが未だ独身の森口先生を見て、他に何も良い慰めの言葉が浮かばなかった。ないもんなぁ。だって……。

「僕クビですよ。見つかったら確実にクビですよ……」

 被害者は相当パニックに陥っていた。と、その傍で加害者の悪魔(?)の言葉が囁かれる。だが、内田が先生を宥めるかのように言う。

「大丈夫。見つからなければいいんですよ。それに協力して頂いたら絶対に漏らしませんよ。画も消します。第一見つかっても、首にはなりませんって」

「本当ですね?」

その言葉を聞いて落ち着いたらしく、半ば信じかけて凹みから立ち直りそうになっている森口に武野がグサッと一言を言い放つ。

「でも、イメージダウンにはなりますけどね」

「うぅッ」

「こら、言ったらダメだって」

 見事に的のど真ん中を射抜かれた先生は、ますます半信半疑になってしまった。

「いいませんよねぇ?」

……声が掠れている? これ以上弄るのはどうなのだろうかと思ったのか内田は「勿論ですよ」といって、「ねっ?」とおれ等にも振ってきた。これはこれでこのまま放っておくのも楽しいが まぁ取り敢えず、

「勿論です」

「そうです」とそれぞれ答えておいた。

 その言葉を聞いた森口は安心したのかいつも通りの表情に戻った。

暫くして彼は「そういえば」と内田に向き直った。

「受付は何処でするんですか?」

「廃校の下駄箱前に集合だそうです」

「では、その廃校の場所はどこです?」

「確かに」

 おれ達も知らなかった。

「内田、『知らない』とか言うなよ」

 おれはジーッと見てやって冗談染みて言った。

 すると「ハハハ」と彼女は笑いキッパリと吐き捨てた言葉は、

「知らん」 だった。

「おいおい!それはないだろ」

 3人がコケッっとズッコケそうになっているのも気にせずに無責任な案内人は無邪気に尚も笑っていた。

「どうするんだ?」 頭をポリポリと掻きながら問いかけた。その直後、武野はさっきから辺りを見回していた甲斐があったらしくココから少し遠い場所を指さした。

「あっ、見ろよ。あそこ」

「ん? どこ?」

「だからホラ、あの看板だって。……なんか、それらしきモンが掲示している!」

 その台詞を待っていたと言わんばかりに役立たず(?)な生徒と教師は、

「えっうそ!?」「本当?」「あったのですか?」とそれぞれ口にし、ダッーと駆け寄った。

 武野なんてお構いないなしに。

 コカされ、押され、巻き込まれ、取り残された発見者はよろけて起き上った。遅れておれ等の方へ向かってきた。

「何してくれてんだ」

 少々キレ気味だった。まあ、冗談だろう。演技っぽく言ってるし。

「フゥー。まあイイけど。それで、何処にあるんだ?学校」

 内田が張り紙に目を通し読み上げた。

 「この先、1.5km」

  ……まだあるのかよ

 このとき誰もがそう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ