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Gleam  作者: M.O.I.F.
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5/7

正体

「まさか、そこまでの情報が残っているとは思っていなかったわ。これは本当に予想外」

 いつもの砕けた様子で、ヘレナは答える。まるで、すこしいたずらをしただけのように、悪びれもせず頭を抱える仕草をした。

『なに!?』

「さて、レオン君。ここには私とシャーリーちゃん、そしてあの虫になったこの艦のクルーがいるわ。……わかるわよね?」

『どうしてお前は攻撃されない……!?』

「何故って、レオン君がどこまで知っているのかわからないけど、この研究の第一人者は私よ? このウイルスを掌握することくらいどうということはないわ。私は……蟻で言えば女王蟻ということ」

『つまり、お前が親玉……ということか』

「そうそう。さて、レオン君。シャーリーちゃんを殺されたくなかったら、おとなしく従ってもらえるわよね?」

『くっ……! 要求はなんだ?』

 怒りをこらえたレオンの声が通信機から聞こえる。こぶしを握り締めているのだろうということはヘレナもシャーリーも容易に想像ができた。

「レオン!!」

 シャーリーは叫ぶ。虫がシャーリーに当てている鎌の部分に力を籠めるのがわかったが、シャーリーはそれでも叫んだ。

「戦って! こんなの、許しちゃだめだよ!!」

「シャーリーちゃんはだまっててね」

「ぐぅっ!」

 ヘレナはシャーリーの首を絞め、持ち上げる。シャーリーの顔が苦痛に歪み、酸素を求めて「っぁ……!」というような声を上げていた。

(人間の力じゃ……ない……!)

 苦しく、意識がだんだんと遠ざかっていく中、シャーリーはそんなことを思った。

『シャーリー!!』

「えるををこ! ちそそおあつきぞこ!!」

「貴方もうるさいわね。少し黙ってて」

 ヘレナはすこし苛立った口調で虫に命令する。その言葉に従うように虫は黙った。

「レオン君、従うわよね?」

『……わかった』

「っはっ!」

 手を離されたシャーリーは床に落ちるように倒れ、せき込む。見えない幼馴染が、苦しそうな顔をしているのが見えたような気がした。

「さてと……」

 ヘレナは怪しい笑みを浮かべながらシャーリーに近づく。

「な、何をするつもりなの……?」

「おとなしくしておいてね」

「いや、いやあああああああああ!!」

シャーリーの叫び声が、グローリー号にこだました。


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