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転生業務日誌 ~転生神はつらいよ~  作者: 酔生夢死


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 番外8‐2 全裸黙示録後編 『小田巻大和の場合』

(´・ω・`)おかしいな。

もっと普通なキャラの筈だったのに、なんか変なキャラへ変態してしまった。

 拝啓、お袋様。

 俺が死んでからお体などは悪くしていないでしょうか?

 今年の夏は特に暑いと聞くので、体に悪いからとエアコンを付けずにいると危険ですのでご注意ください。

 さて、現在の俺はというと……


「何ボーっとしてるんですか! 早く水分補給してこっちも片付けてください!」


「へ~い」


 真剣少女と共に、彼女の仲間がいるという拠点に向かっている所でございます。

 全裸で……



 それは昨晩の事、彼女の話を聞いている時だった。


「学校の先輩?」


「はい、我々は“アイツら”を避けながら生存者を探して保護する活動をしています。その中で先輩は私たちのリーダーで、すごく勇敢で頼りになる方です。私を心配して無茶をしていなきゃいいんですけど……」


 どうやらその先輩とやらは仲間思いのリーダーらしい。

 ついでに言えば、彼女がその“先輩”とやらにどんな感情を抱いているのかも丸わかりだった。

 しかも聞けば、そのグループとやらは教師を含む男1人女4人の仲良しグループだという。

 ケッ、リア充ハーレムかよっ!


「ケッ、ハーレム野郎か」


 おっと、つい本音が。


「違います! 先輩は優しいだけなんです! そんなハーレムとか不誠実な人じゃ……な、ないです……よ?」


 おーい、なんかどんどん語尾が弱くなってますよー。

 これはアレか。

 漫画やゲームに多い優柔不断系って奴か、頼れるリーダーなのに優柔不断とはこれ如何に。


「で? ソイツがどうしたんだ?」


「私も回復してきたので、そろそろみんなと合流しようかと思います。幸い、ここから拠点は近いですし」


 なるほど、じゃあそこまで送って行くか。

 幾らなんでも、こんな状況で女の子一人は心配だし。



 ……なんて、簡単に考えた自分が憎らしい!

 一歩外へ出ただけで、アイツらがセールに沸くオバ○リアンの如くゾロゾロと湧いて出てきた。

 どうやら音と臭いに激しく反応するらしく、洗濯物に防犯ブザーを蒔いた物を放り投げて囮にしたんだが、それでも半分がこっちへ来ちまっていた。


「なんて惚けている場合じゃねぇ! 食らえ、俺の黄金(ゴールデン)水流波(スプラッシュ)!」


「わ!? 飛沫を私に掛けないでくださいよ!」


 んなもん、引っかかった後に暴れるコイツらに言ってください。

 俺だって掛かりたくないです!


 まあ、そんなこんながありながら彼女の仲間が拠点にしているという高校へとやってきたワケだ。

 それでは問題です。

 逸れてしまって心配している後輩が、全裸男と一緒に帰って来たらどう思うでしょうか?


「テメェ!!」


「へぶ!?」


 答え『暴漢または変態に襲われたと勘違いして正義漢(件の先輩)が殴りかかってくる』でした。

 いや~、スポーツでもやってたのか腰の入った良いパンチを入れてきやがりましたよ。

 まあ、神様の加護のお陰で吹き飛ばされた以外の被害はないんだけどな!


「蛍に何しやがった! この変態野郎!!」


「先輩! 誤解です!」


「へへへっ、良いパンチ持ってんじゃねぇか。どうだい、俺と世界目指してみねぇか?」


「貴方は黙っててください!」


 わーい、真剣少女こと蛍ちゃん(仮)が大変そうですね!

 尚、主人公みたいな彼ことリーダー君は俺を物凄い形相で睨んでいて、お仲間の女性陣も蛆虫でも見る眼差しを俺に向けております。

 だからハートはノーガードだって言ってんだろ!


「この野郎、ふざけやがって……ぶっ殺してやる!」


「だから先輩も落ち着いてください! 私は大丈夫です!」


「蛍ちゃんはこっちに来なさい。あんな変態の事は武に任せましょう」


 あー、蛍ちゃん(真剣)が如何にも幼馴染ヒロインっぽい子に後ろへ下げられてしまった。

 これで蛍ちゃん(少女)の治療の為に連れて来ていた保健室には、野郎二人しかいなくなってしまった。


「野郎二人で保健室とか誰得だよ。しかも一人は全裸だし」


「何をゴチャゴチャ言ってやがる! いいから、彼女に何をしたか吐きやがれ!」


 わっは~、正義感が完全に頭に血を上らせて冷静さを欠いております。

 このままだと人殺しすら是とするだろうな。正義って怖い!

 ちなみに俺は蛍ちゃん(侍)をここへ連れて来たと同時に、彼女から引き離されてこの男に取り押さえられました。

 神様の加護も絞め技には対応してなかったみたいで、苦しくはなかったけど簡単に取り押さえられてしまい、現在はパイプ椅子に縄で縛られております。


「基本的人権に則り、待遇の改善を要求します!」


「っ! ざけんな!」


「というか、君は彼女の何なのよ。彼氏? でも付き合ってる子他にいるっぽいよね。ほら、幼馴染っぽい彼女とか」


「そんな事、テメェに関係ねぇだろ! 街中を全裸で歩いてくる変態に何が分かる!」


「あーうん、それなんだけどさぁ……」


 俺が言おうとした瞬間、視界の端でさっきから浮かんでいた『判定中』という文字が消えた。

 そして次の瞬間、俺を縛っていた縄がパンッと弾けた。

 おいおい、縄まで衣服の判定に入っちゃうのかよ……


「お、お前何しやがった!」


「あーうん、俺にも信じらんないけどこれが俺の全裸な理由だ。そして、最後に言わせてくれ」


「な、なんだよ」


「アンタの後輩、(リアクションが)最高だったぜ!」


 何故か次の瞬間、鬼のような顔をしたリーダー君にマウントポジションを取られて殴られまくったのであった。

 そして、その直後に誤解を解いた蛍ちゃん(SAMURAI)とその仲間たちが保健室に慌てて飛び込んで来て、拳を真っ赤にしながら一心不乱に俺を殴りまくる彼を止めたのであった……まる!



「いやー、些細な行き違いがあった! 全てはすれ違いが鯨飲だったのさ!」


「我々は未成年です。それと説明の邪魔なんで少し黙ってください」


「……はい」


 冷たい眼差しで視野やかな声を浴びせてくる真剣少女に、色々とシュンとなる俺。

 そんな様子を彼女の愉快な仲間たちが驚きの表情で見ていた。


「そんな、男嫌いで有名だった蛍ちゃんが全裸男とあんなにも親しそうに話してるなんて!」


「男ね……きっと男が出来たんだわ。でも、そうなると相手は……」


「先生。人は見かけによらないとは思いたいけど、あの人はちょっと……」


「先輩たち! 好き勝手な事を言わないでください!」


 怒りで顔を真っ赤にしながら咆える真剣少女の反応に、何故か黄色い声を上げる女子たち。

 どうやら彼女たちの目には、俺たちの冷ややかなやり取りが仲睦まじく見えるそうだ……良い色眼鏡を付けてますね。

 ちょっと俺にも付けさせてくださいよ。


「そもそも、何でアンタは全裸なんだよ」


 おや、一応は説得されて血が出るまで殴っちゃって両腕に包帯を巻いたリーダー君から質問が飛んできました。

 ふむ、ここで真実を話しても良いんだが正直に「神様からチート貰ったんだよねー。マジMM~」なんて話したら頭のおかしい奴に認定されてしまう。

 ならばここは堂々と開き直るのが吉だ!


「俺の生き様……かな?」


「……」


 決まったー!

 そして帰ってくるのは「何だコイツ、頭おかしいんじゃねぇの?」っていう目だー!

 あれれ~? おっかしーぞー?

 なんか、みんなが可哀想な奴を見るような目になっちゃったぞ~?


「はぁ……とりあえずこの人の言っている事は無視してください。今から私が説明します」


 何故だか真剣少女が俺の母親みたいなポジションに立って、俺との経緯を説明した。

 そして俺の黄金(ゴールデン)水流波(スプラッシュ)がアイツらに有効だと聞いた瞬間、空気がざわついた。


「お、おい……その話は本当なのか?」


「はい、私だって冗談でこんな事は言いたくありません」


「でも、そんな事が……」


 先生が何やら視線を向けて来たので、俺は思いっきりキメ顔をしてやった。

 そして、なんか溜息を吐かれた。


「でもそれが本当だったとして、どの程度まで有効なの? その……アレを溜めて置いてぶち撒ければこの辺の奴らを一掃できるし、薄めても効果があれば更に効果が期待できるじゃない?」


「それについては俺が応えよう。薄めるについては効果はない、例え僅かでも嵩増ししたらその時点でアウトだ。次に溜めるという意見だが……どこにどの程度どうやって保管するんだ? 言って置くが俺は嫌だぞ。自分の物を溜めて管理するなんて」


 俺の言葉にその場にいた全員がウッと言葉を飲み込んだ。

 例え、アレに有効でも乙女的にアレを扱うのはアウトなのだろう。

 というか俺も嫌だ、興奮してしまうじゃないか!


「という訳で、俺はこのままクールに去らせてもらうよ。別にアンタたちの輪を乱してまでここに居たいワケじゃないからな」


「ちょっと待ちなさい。アンタ、アイツらがうろつく外へ出てくって言うの?」


 俺の言葉に反応したのは、眼鏡を掛けて白衣を着た博士キャラだ。


「当然、今の俺は無敵状態だからな。ちょっと不便もあるが外を出歩く分には不自由しないさ」


 というか、さっさとこのグループから離れて始めてしまった変態キャラを止めたいんだよ。

 おかしい、登場時の俺は知的でクールなキャラだったはずだ。

 こんな痴的でフールなキャラは俺じゃない!


「という訳で、ここでお別れだサムライガール。風が吹けば、また会う事もあるだろうぜ」


「私は最後まで、貴方のキャラが良く分かりません」


 フッ、淑女(レディ)の腕じゃあチンケな風来坊を捕まえるには小さすぎるのさ……

 おおっと、これも作ってるキャラだった。


「……個人的に俺はアンタを気に入らないが、だからと言って死にに行くのを黙って見過ごす程、俺は冷血漢じゃない」


「おーおー、素晴らしいねヒーローボーイ。だがその信念は仲間たちに向けてくれ給えよ。はっきり言うけど、君の王国(キングダム)には部外者の俺は住み辛いんだよ。せめてもう2人ぐらい学校関係者以外が居れば話は変わったが、今度はそれだとグループ内がギクシャクしそうだしな。精々、君は君の王国の仲間たちを守ってくれたまえよ!」


「あ、おい!」


 俺はそう言って窓から飛び出して、学校を離れた。

 さて、次はどんな出会いが待っているのかな……って、これは作ってるキャラだったぜ。危ない危ない。


 こうして俺は気の向くままに各地の生存者たちの拠点を周り、行く先々でトラブルを起こしながらアレらを浄化して回った。

 そして数年後、助かった人々の集落が出来上がった時に彼らの間で奇妙な噂が広まっていた。

 全裸で放浪する謎の男の噂が……


最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。


『リーダー』城村 武

 勇敢な性格。仲間思いの熱血漢。

『幼馴染』姫川 優花

 寂しがり屋な性格。武の幼馴染な純情少女。

『真剣少女』小雪 蛍

 冷静な性格。時代錯誤なサムライガール。

『眼鏡白衣』小野田 紗枝

 慎重な性格。マッドなサイエティスト。

『女教師』柏木 恵

 真面目な性格。T○ Lvoeるを招く天然先生。

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