採点中に心が折れました
「どうしてこうなった?」
テストの答案の採点を始めた教員の武田は思わず、そんな声を出した。
秀才の有田は、問題の答えを書く場所を1つずつ間違えていた。
まぁ、あいつでも、間違えることがあったのだろう。
後ろの席の山口は、問題の答えを書く場所を2つずつ間違えていた。
いや、おかしいだろ。
江口は、有田の答えを鏡で写したような回答をした。
こいつ、鏡を使ってカンニングしたな。
有田に合わせて、回答欄も1つずつずれてるし、全ての文字が鏡写しだ。
たとえば、答えがROMAのところは、ЯOMAになっている。
読めないとは思わなかったのか?
ロシア語で受験するつもりだったのか?
山田は、全部Bと書いていた。
ここまで、諦めるとはいさぎよいな。
小野は、数学のテストの回答を、英語の答案に書いていた。
X=5Aって、英語の答えとしておかしいとは思わなかったのか?
数学のテストは明日の予定なんだが、なぜ、その答えを知っている?
渡辺は、答案用紙の裏に絵画を書いてきた。
答案用紙には「芸術点」をくださいと書いてある。
芸術点って、どんな英語のテストだ。
川上は、答案用紙に、山折り、谷折りの線を入れて、
僕の紙飛行機が一番飛びますと書いてきた。
裏には丁寧に折り方が書かれていた。
どこを目指してるんだお前は。
結局、一番点数が高かったのは、全部Bと書いた山田だった。
……5点。
これがクラス最高点だった。
このクラス、本当に進級できるのか?
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