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よちよち幼児編②

すると、廊下の方から足音が聞こえてきた。そして、部屋の扉が開き、そこにはレイシオが立っていた。



(あ、考え事に夢中で時間を忘れちゃってた)


「セルシア!遊びに来たよ」



レイシオはいつもこのおやつの時間が終わって、一息ついたくらいの時間にやってくる。

レイシオは、この家を継ぐために、家庭教師との勉強があるはずなのに、毎日来るのだ。

彼曰く、どうやら、体が弱い私を心配しているのだそうだ。

しかし、体が弱く寝込んでいたのはあの日だけである。私が思うに今の私はそれなりに健康優良児だ。

レイシオは、いつもは落ち着いているはずなのに、私と話すときは、声だけでなく、レイシオの体から沸き出ているオーラまでもうるさい。これがイケメンオーラなのか。最初の緊張しているようなオーラを返してくれ。



「うるしゃいです…」



少し眉を顰めながら言った。



「すまない、セルシア。でも僕はどうしても君に早く会いたかったんだ」


「きょうは、なにをしゅるのですか」



赤ちゃん言葉なんて使いたくないので、出来る限り標準語で、でも疑われない程度に話しているが、どれだけ練習しても、やはり体はついてこられていないらしく、まだ、カミカミである。



「今日は、中庭に行こう。今朝、大きい花が咲いたんだよ」



そう言って、レイシオは私のことを持ち上げた。



「あるけまちゅ!」



そう言って、少し暴れて、私なりに抗議してみたはずだったが、「だめだよ」と怒られてしまった。これって、私が悪いの?

諦めて、レイシオに体を委ねているとそこには目を見張るほどの色とりどりの花たちが咲いていた。



「きれい…」



そう自然と言葉が飛び出した。ここは日本の小説の世界だからか、見知った花が多く咲いている。



(これは、ポピーで、これはガーベラ…、あっ!あれはパンジーも咲いている!)



前回来たときには、まだ蕾の状態だった花たちが咲いていて、とても綺麗だった。

ちなみに、この世界の料理についても、日本の小説なので、料理名は違うが、馴染み深い味がする。

すると、レイシオが私を地面に降ろしてくれた。



「セルシア、くれぐれもーー」



レイシオが後ろの方で何か言っているのには気づいていたが、私は中庭を自由に歩けることが嬉しくて、走り出した。


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