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異世界に行きたい⑤
「生まれてまだ半年しか経っていないのに、この子は天才かもしれない」
そう言って、お父さんが私のことを抱きしめた。とはいえ、私ってまだ生まれて半年しか経っていなかったんだ。すると、お父さんはそのまま続けて言った。
「セルシア、お前は生まれてから体調が悪く、半年間も床に臥せていたのだ。私たちは、もしかしたら赤ちゃんにとって危ない雑菌を持っているからという理由で、医者に面会を禁止されていたんだが、最近、やっと解除されたのだ。だけど、初めて会うならお前が起きているときがいいとレイシオと話していて、この日をずっと待っていたんだ」
「父さん、どんなにセルシアが天才でも何を言っているかわからないですよ」
(いいえ、わかっています。ありがとう、教えてくれて。おかげで状況がわかったような気がする)
私はありがとうという気持ちを込めて、出来る限りの力を振りしぼり、頭を少し動かした。
「ほら!レイシオ、頷いているぞ。私の言った通りだろう」
「本当だ!やはり、セルシアは天才なんだ」
そう言って騒ぐ二人の後ろで、「たまたまではないか」と呟く声が聞こえた。




