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異世界に行きたい④

すると、下の方から子どもの声が聞こえた。



「父さん、僕にも見せてよ!」



そう言いながら、男の人の服を引っ張っているらしい、伸びるからやめろという制止の声も聞こえた。

そして、男の人は子どもと目線が同じになるところまで、しゃがんだ。

すると、そこには、とても顔の整った小さな男の子がいた。銀色の髪にサファイアのような青い目が目一杯に見開かれている。肌も透き通っていて、美形を超えて、神々しかった。



(この子、誰だろう)



私はあの作品にそれはそれは多くの愛情と時間を捧げてきた。なので、もちろん、番外編の幼少期ストーリーまで履修済みである。

でも、U LOVEにこんな見た目の子供はいなかったはずだ。話に登場していないだけというならば、十分に可能性はあるが、この顔でただのモブなんて有り得るのだろうか。もしかして、この世界はみんな美形なのか…。

しかも、パニックになってよく見ていなかったけど、男の人もかなりのイケメンだった。



こうなってくると、少し、というか、かなり混乱してきた。こういうときは整理をするのが大事だと誰かが言っていた気がする。

整理すると、私は転移に成功したはずなのに、なぜかよく知らない家にいて、多分だけど、私は赤ちゃんになってしまっている。

ということは、転移に失敗したということなのだろうか。これは今はまだ判断がつかない。

加えて、私はセルシアという名前で、この男の人は様子を見るに、私のお父さん。それで、この男の子は…



「セルシア。僕は君のお兄ちゃんのレイシオだよ。これからよろしくね」



そう言って男の子は少し顔を近づけてきた。



(薄々気づいていたけど、この子が私のお兄ちゃんなんだ。こんな、美形なお兄ちゃんがいるなんて、私は幸せものだぁー!)


私は現世では一人っ子で、兄妹というものに憧れていたのだ。頭の中で、ガッツポーズをした。



「おにゃ」



私はお兄ちゃんと言いたかったのだが、今の私にはこれが限界だった。伝わったのかが気になり、二人の様子を窺ってみると、二人の顔は固まっていた。



「今、喋ったのか!?」


「喋りましたよ、父さん!今、絶対、お兄ちゃんって言いました」


「いや、お父さんかもしれんぞ!」


(お兄ちゃんが正解ですよ、お父さん…)


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