仕合せは分かち合うもの
文章後ほど見直すかもしれない。
「ねぇ、アンジェ、一つだけお願い聞いてくれる?」
お風呂での出来事の件をチャラにしてやるから言うこと聞けや!というのをオブラートに包んで言えば、アンジェも文句を言いえず、素直にいうことを聞いてくれます。
事前に下ごしらえはしておいたのですが、一緒にクッキン’
えへへ~楽しい。
麺を茹でて、作っておいたミートソースと絡めて一品!
ニンジンとコーンを混ぜたポテトサラダ!
ついに作ったマヨネーズが入ってます!
キャベツのスープ!煮込み済み!
「うま!うまま!何これ!美味し過ぎる~♪」
本当にご満悦なアンジェの表情に私も笑顔です。
食堂でもうれしいのですが、特定の"誰か"のためにつくって美味しそうにしてもらえるのってうれしいよね!
とにかくひたすら練習を重ねたメニューだけ出したんだけどね。
ハチミツのお酒「ハニームーン」で乾杯して始めた夕食、アンジェ、もう出来上がってる?
「へっへ~。リデルは私のお嫁さんになるんだからねっ!」
間違いなく出来上がってます。
「じゃあ、アンジェは旦那さんになるの?」
「何いってるの~。私はリデルのお嫁さんに決まってるでしょ~♪」
あ、うん。二人ともお嫁さんなんだ。
食堂にいつも来てくれる常連のお客さんに対して
「リデルはアイツには渡さんっ!」
とかご機嫌全開なアンジェさんです。
マヨネーズの話とか盛り上がりつつ、あらかた食べ終わり、
「アンジェ、アンジェ!これかき回してくれる?」
そういって銅製のボールを渡す。
「嫁の頼みとあらば、ドンときやがれってーの。ってうん?なんかいい匂いがする~♪」
といいながらシャカシャカ手を動かしだす。
私は一回り大き目の桶を出し、買ってしまっておいた「氷」をあける。簡単に氷を作れるほど技術は進んでいないが、この世界には魔法がある。大抵は戦闘で使われるが、なんとか譲ってもらったのだ。魔力を大目に注いでもらうことで今日の間は溶けきらないように出来るんだって!魔法すごい!
その様子を見てアンジェの手が止まる。
あまり多くはない天然氷に、才能があるものしか使えない魔法と入手条件が限られるためか、氷は割りと贅沢品だから。
そこに白い粉末をぶちまけるにあたり、アンジェは悲鳴を上げる。
それは塩である。平民にも買えるとは言え、塩も割高である。
それを氷に振り掛けるというのは暴挙にしか見えないのだろう。
「アンジェ!氷の上でかき混ぜて!」
もはやどうとでもなれとばかりに放心気味にかき混ぜるアンジェ。
「ん!なんだかかたくなってきた!?」
一口分をちょろっと味見して私は会心の笑みを浮かべる。
小ぶりのお皿に中身を盛ってアンジェに渡す。
どうぞ、と手で勧めると、アンジェはパクついた。
「あ、甘っ!?冷たっ!?溶けちゃった!?何これ!?これが仕合せ?仕合せって食べ物だったの!?」
うわぉ!甘いものを食べる女の子、カワイイです!
「リデルは食べないの?」
「ふふふ、アンジェが食べる姿を見たらお腹いっぱいになっちゃった。アンジェ、食べていいよ。」
「ん~?」
アンジェは一匙アイスを掬って…
私の口の前に差し出した。
「はい、(あ~ん)」
え?あ~ん、パクっ。あ、おいしい。
「えへへ、おいしそうにするリデルもかわいいなぁやっぱり仕合せは共有するほうがいいなぁ」
それはきっと「あ~ん」をして照れた顔なんだけど、あえて言葉にはしなかった。




