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第6話 2人1組って残酷だよね

ここまで読んで下さりありがとうございます。大変勝手ながらこれまで投稿してきた7話を推敲し直して、より面白い内容にしたいと思います。ゴールデンウィーク明け頃に投稿し直すのでもし良ければ見て行ってください。ご愛読頂きありがとうございました。

今日は中庭で魔法の実践授業だ。この学園では本来なら魔法訓練場で授業を行うのだが……どこぞの1年生が大魔法をぶっ放し訓練場を爆散させたため中庭での授業だ。


「今日は2人1組でペアを組んで魔法の実技テストをしてもらいます。」

来たな、学生時代に俺を散々苦しめた魔法の言葉、2人1組。どんな精神魔法よりも強力な言葉だが、今の俺には通用しないぜ!!

何故かって?

だって俺にはカイとミロがいるから!!



「せ、先生、あ、余りました……」

 いやこれは考えてみれば仕方がないことなのだ。俺とカイとミロは3人組のため必然的に1人余る。そしてこのクラスの男子人数も17人と奇数。余ることはもはや必然なのだ。弁明終わり。


『人数的にもう1人余るはずだからその子と組んでもらうことになるわね』

 つまり、これから俺は全く話したこともない女子と2時間一緒に魔法の練習をしなければならないということか。

地獄かな。


『あ、ちょうど来たみたいね』


 青紫色の長い髪に所々マリーゴールド色が混じっている。綺麗な髪だ。薄赤色の瞳の色は吊り目も相まって見る者全てを怖がらせるような感じをしている。本人的には無表情でいるつもりなのだろうが、怖い。


『私は彼と組めばいいのですか?』


『ええ、お願いねカティアさん。それからエルム君も』




『よろしくね、エルム君』


「よ、よろしくお願いします、カティアさん」

さて、ここからどうするか……今後ペア授業が行われたときに、彼女とはまたペアになる可能性がある。これから1年間関わる可能性が高いわけだ。日常会話くらいは話せるようになっておかないとな……


でも俺と彼女が話せる話題なんて何もな……

いや、待てよ。あるじゃないか。唯一にして最強の話題、天気の話が!!


「今日天気良いよね」


『……今日は曇りだけど』


「………………………………………」

終わった。もう会話デッキないって。天気の話だけが俺が唯一話せる話題だったのに。確かによく見るとそんなに天気良くないけども。


だが、ここで諦めるわけにはいかない……このままじゃ気まず過ぎる。俺から会話を振ってしまった以上もう戻れないのだ。何かないか思案していると……


「最近遭った珍しい出来事とか何かある?」

閃いてしまった。何も俺から話す必要がないのだ。向こうが話したい話題を喋らせて、それに俺が相槌を打てば良いのだ。


『最近あった出来事……いくつかあるわ』


『昨日街に買い物に出かけていたら、知らないおじさんからお嬢ちゃんかわいいねって声を掛けられたのよ、それで……』

何その同人誌みたいな展開。ちょっと続き気になるんだけど。


「その話は一旦やめにしようか」

この話は続きを聞いてはいけない、そんな気がした。


「他に何かない?」

もっとこう、安全そうな話を……


『街を歩いていたらチャラそうな男から……』


「ナンパの話題以外でお願い」

頼む、もっと俺が反応返しやすいような話題ガチャSSR来い!!


『街を歩いていたら頭からパンツを被った変態が私の尻を……』


「よし、この話題は一旦やめにしよう」

しかし困ったな、もう打つ手がないぞ……そう悩んでいた俺に彼女が声を掛けてきた。


『ねえ……一つ、相談に乗ってほしいことがあるのだけれど……』


「相談?俺でよければ乗るけど、」

どんな内容だろう?


『私ね、この学園に入学する前まで仲の良い友達が3人いたの。入学してからも一緒に過ごそうって約束してた友達がね。でも私は訳あって春入学になってしまって……』

なんとなくこの話のオチが見えてきたぞ。


『先日その3人に会う機会があったの……そしたら、以前のような親しさが無くなっていて何を話しても愛想笑いだけしかしてくれなかったの。おまけに、私の知らない人が1人増えてたし……』

何故だろう、その場面に俺はいないはずなのに情景が容易に想像できるのは……


『私、どうしたらいいと思う……』

心なしか目が赤くなってる。


……俺はどう答えるべきだろうか。これは彼女にとって重要で、深刻な問題だ。

 俺個人としては、今すぐ関係を切るべきだと思う。がこれはあくまで俺という第3者の客観的意見にすぎない。彼女にとってその交友関係はとても大切なものだったのだろう。


 ここで「大丈夫、今は距離感が掴めずに少しぎこちなくなってるだけ、すぐ元に戻るよ」などと彼女にとって都合の良い、差し当たりのない意見を言うのは簡単だ。でも、それでは彼女の問題は解決しない。


「そう、だな……残酷なことを言うようだが、その3人のことは諦めて、新たな交友関係を築くべきだと思う。」

 少し会わなくなった友達と疎遠になるなんて事は特段珍しいことじゃない。大人になってから付き合いのある友達が2、3人に減るなんてこともザラだ。でも、彼女は、俺たちはまだ学生で大人じゃない。友達と疎遠になることなんて当たり前じゃないし、悲しむのも当然だ。



『そう、よね…………私も、本当は気づいていたの。前みたいな関係に戻るなんて無理なんじゃ無いかって。』


「……………」


『でも心の奥底ではまだ諦めきれてない自分がいて……』


……目の前の少女はかつての友達から見捨てられ、孤独に苦しんでいる。俺も、前世では友達がいない時期があって辛かったからこそ彼女の気持ちがわかる。自分を理解し、受け入れてくれる人がいないのがどれだけ苦しいことかを。


 なら、俺がなるべきじゃないか、彼女の友達に。もちろん、自分勝手なことだとは思う。相手の気持ちを理解した気になり手を差し伸べようとする。人によっては『偽善だ』などと吐き捨てる行為だろう。


「なあ……もしよかったら俺と友達にならないか」

でも、それでも俺は友達になるべきだと思った。かつて、俺がそうしてもらったように。


『え、それはちょっと……』

友達作りって、難しすぎるよ……

ここまで読んで下さりありがとうございます。大変勝手ながらこれまで投稿してきた7話を推敲し直して、より面白い内容にしたいと思います。ゴールデンウィーク明け頃に投稿し直すのでもし良ければ見て行ってください。ご愛読頂きありがとうございました。

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