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人生に色を描く者たち

作者:霧崎 蒼司
最新エピソード掲載日:2026/06/09
気がつけば、世界はもう“物語”ではなかった。
二十四歳の青年・キリサキソウジは、誰からも必要とされず、何かを成し遂げることもなく、ただ淡々と息をしていた。
色のない日々。繰り返されるだけの生活。
そして、彼の人生には――最初から“主役”など存在しなかった。
しかしある夜、彼の身体は限界を迎え、意識は途切れる。
その瞬間、世界は静かに歪んだ。
次に目を開けたとき、そこは“知らない世界”だった。
魔法が存在し、ダンジョンがあり、そして――人類とは異なる存在すら息づく世界。
だがそれは、単なる異世界転移ではなかった。
この世界には、すでに「物語」を操る存在がいる。
未来に災厄と呼ばれる“魔王”。
そして、すべてを裏から眺める“魔法使い”。
彼らは世界を救おうとしているのか、それとも壊そうとしているのか――誰にも分からない。
ただ一つ言えるのは、彼らの視線はすでにキリサキへと向けられているということ。
「君は、まだ物語の外側にいる」
誰かの声が、どこからともなく響いた気がした。
これは、世界に色を持たなかった少年が、
“物語の中に引きずり込まれていく”物語。
そして同時に――
誰かが描き続ける「最悪で最高の物語」の始まりでもある。
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