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「愛や多様性の犠牲者が誰になるか分かってんのか!」悪役顔の公爵令嬢イザベル、綺麗事で国を壊すバカどもを現実でボコす内政改革  作者: 猫目こね
アステリア王立貴族学院編(イザベル十二歳。初等部一年生)

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ノアと国王直属部隊の対面 1

前回の話で、ノアが急用でラルーハ侯爵家にすぐ来れなかった理由を書きました。

長くなったので1と2に分けて投稿します。



イザベルとリルが王宮でジュディアと対峙している頃。

ノアは自分が置いていかれるのが不服過ぎて、単身で王宮に忍び込んでいた。



(なぜ俺だけ置いてかれなければならない…。

それに、やはりリルだけでは不安だ。)



いずれは潜入が必要だとは考えていたが、想定より時期が早すぎた。


準備が整っていなかったため、ノアは部下を伴わず一人で乗り込むことを選んだ。

自分一人ならば、いざという時に逃げ切れるだろう思ったのだ。



だが、それは甘い考えだった。




王宮は…魔窟だった。




屋根裏に忍び込もうものならトラップがあった。

トラップがあることは、貴族の屋敷であれば稀にだがあることだ。

ここまではいい。



問題はトラップを解除した後だ。

トラップを解除した後には、『先客』がいたのだ。



(あそこにいるのは人間…?いや、あれは…異種族…?!

おっと、あちらには人間もいるな…。

こんなに大盛況な屋根裏は見たことがないなぁ…ははは…。

トラップに気をつけるよりも、他の潜入者に気を付けることになるとはな…。)



ノアは心の中で笑った。

笑うしかなかった。



(この国の王宮、いくらなんでも警備がゆる過ぎるんじゃないか。

トラップでどうにかなると思っているのか…?

とにかく、これでは情報が漏れ放題だ。)



もちろん、トラップが用意されている意味は、ある程度はあっただろう。

だが、潜入に長けた者であれば、侵入すること自体はそれほど難しくはなかった。



(王宮だから、自分では想像もつかない程厳重な何かを…、それこそ、魔法を使用した警備体制でもあるのかと警戒していたが…。

考え過ぎていた自分が馬鹿らしくなってきたー。)




その、わずかな思考の隙をつかれた瞬間だった。




―――ガッ!



背後からの一撃。

気配を察知することすら叶わず、ノアは暗闇の中へと意識を沈めた。







ノアが目を覚ますと、そこは見知らぬ石造りの小部屋だった。



(王宮にこんな場所があったのか…。)



呑気にそんなことを考えていた。



「おや、目が覚めたかな?」




目の前にいたのは、七十歳ほどの老齢な執事服の男。

ノアは瞬時に理解した。




(この老人…気配がない。…只者ではないな。)



「おじいさん…、何者ですか?」



「私は国王直属部隊の隊長兼、たまに執事を務めているジィヤと申します。

基本的にあなたと同じように、諜報活動をしたり、トラップをしかけたり、とにかく暗躍する仕事ですね。

ただ、私たちに命令できるのは国王のみ。

なので国王直属部隊と名付けられています。」




「国王直属部隊の、隊長だと?

そんな人がどうして俺をここに…?捕まえて処刑でもするつもりか?

いや、その前に…。

そんな部隊があるなら、この王宮の惨状をどうにかしたらどうなんだ?

潜入者が通り過ぎて、もはや公道同然だぞ?」




驚きのあまり素の口調が出たが、すぐに冷徹な分析を言葉に乗せる。

老人は「フォッフォッフォ」と力なく笑った。




「急に元気になりましたな。うーん、質問が多くて困りますなぁ〜。」



「…失礼。取り乱しました。

ではまず、私をどうするつもりか、まずはそれを聞きたい。」




「そうですなぁ。

潜入者を捕らえて尋問&拷問&処刑!!…というのは冗談です。

あなたは他と違って、あまりにも存在が希薄だった。

私の渾身のトラップを、いとも簡単そうに解除していた。

他の潜入者たちに気付かれることもなかった。

…その卓越した才能を、国王直属部隊へスカウトしたい!と思ったのです。」



「スカウト、か。お断りですね。

私はもう、自分を捧げた人がいるので。」



「そうですかぁ…。それは非常に残念…。」




ジィヤがしょんぼりしてしまった。




「次の質問です。

なぜこの王宮はこれほどまでに他国のスパイを放置しているんです?」



「うーん…。そうですねぇ…。何から話したものか…。

端的に申し上げれば、国王が籠絡されてしまったため、王宮内の警備はほぼ放置している状態なのです。」




(は?国王が籠絡されたから放置だと…?ふざけてるのか?)



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