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35話 目を背けたくなるような真実を見せてあげましょう

イザベルはクレスとミリィを下に見ているので、「」以外で敬称は外してます。



翌々日。


アルケイデス伯爵邸にて、私とクレス、そしてなぜか当たり前のように「クレスの隣」をキープしているミリィとお茶をすることになった。



「ミリィ様。先日、私とクレス様は婚約したのですが、ご存知ないですか?」


「知ってます。けど、私、お父様からクレス様と婚約しても良いって言われたんです!

イザベル様がクレス様と婚約したのは何かの間違い…。

なので早くクレス様とは婚約破棄していただけますか?」



(ほーぅ。なーに言ってんだ?

おいクレス。貴様も何か反論しろ。それでも誠実な男だと言えんのか?)



私の念が通じることはなく、クレスは黙秘を貫いていた。

逆にミリィは、父親が伯爵家との婚約に前向きになったことで、勝ち誇ったような笑みを浮かべている。



「ところでミリィ様。

あなたは子爵領の孤児院へ、熱心に通われているそうですね?」



私の話題を変えた。



「ええ! 孤児たちには新しい親が必要でしょう?

だから、子宝に恵まれない異種族の方々に紹介して、養子縁組の支援をしているのよ。

異種族の方々は嬉しそうに私にお礼を言ってくださるの。

素晴らしいことだと思わない?」



「……………。    それ、本当に『養子縁組』ですか?」



「えっ?」



私は静かに立ち上がった。



「三人で、少し『虹の広場』の奥を見に行きませんか? 」




(愚鈍な二人に、目を背けたくなるような真実を見せてあげましょうかね。)






向かったのは、虹の広場のさらに奥。

伯爵家が派遣したであろう警備隊の人数では、到底管理が行き届かなくなってしまった場所。

異臭と淀んだ空気が漂うエリアだ。


念のため変装し、護衛を付けて足を踏み入れる。



「ねぇ、イザベル様?私をこんな汚らしい場所に連れ出して良いと思っているのかしら?

前から思っていたのですが、イザベル様は貴族の令嬢としての意識が低いのではありませんか?」



そんな文句を道中延々と聞かされて、私の心はもう満身創痍。



歩き進めて、やっと目的地に着いた。

ノアが突き止めてくれた場所。


そこでミリィが目にしたのは、輝かしい「善行」の成れの果てだった。





「……えっ?

あ……あのっ、あの子はっ!私が…先週…、異種族との養子縁組に送り出したっ……!」



ミリィが震えながら指差した先。



檻の中で、奴隷の刻印を押され、虚ろな目でうずくまる子供たちの姿があった。




それだけではない。



台の上には、魔導具の保冷箱に入れられた「生首」や「臓器」が、まるで精肉のように並べられていた。




「いやああああああああああああああああああ!!」




見知った顔を見つけたのだろう。


ミリィの悲鳴が響く。


ここは、異種族が人間を「資源」として売買する闇市。

そして、その臓器を買いに来る、一部の腐った人間たちとの暗黙の了解で成立している場所だ。




「な……なんだ!これは……!私の領地でっ!こんなことが……!」



クレスが絶望に顔を歪める。


管理できていないということが、どれほどの罪を招くのか。

彼はその現実を突きつけられていた。




「ミリィ様。あなたが『善意』で紹介した孤児たちは、ここへ流れています。

これでも、あなたは『素晴らしい』ことをしたと言えますか?」



「私は……私は知らなかったわ! 私は良かれと思ってやったのよ!

騙された私が被害者なのよ!!」



ミリィは狂ったように喚き散らす。

自分は悪くない。

知らないことは罪ではない。

そう開き直る彼女に、私は冷たく事実を突きつけた。




「そう…。孤児ならいいとでも思っているのかしら?

ちなみに子爵領では、平民の子供の失踪数も著しく増加しているわ。

彼らがどこへ行ったのか、もう想像はつくわね?」




「…………っ!」




「知らないことは……、知ろうとしないことは…、『罪』なんだな。」



クレスの声は、今までになく冷徹だった。



「ミリィ嬢。私は、貴女と今後、婚約することは…ない。

今はっきり分かったんだ。

私はあなたに好意があったわけでも、心配だから目が離せなかったわけでもない。

いつか、()()()()()()()()()()()()()()()という危機感から、あなたを一人にさせられなかったんだ。」



「嘘よ……クレス様!

私、全然知らなくて…きっとお父様も知らなかったはずよ…!信じて!」



「ああ、お父様…ケントール子爵も『ご存知』だったようですよ。」



私は、ノアから渡された帳簿を広げた。


「ほら、ここに。

養子縁組という名の『出荷』のたびに、異種族から子爵へ振り込まれた多額の金銭記録。

これは立派な人身売買仲介の裏帳簿ね。」



ミリィは力なく膝をついた。

信じていた父親も、自分の善意も、すべてがドロドロの犯罪にまみれていた。



「ミリィ様。私、ミリィ様が悪いとは思っていませんわ。

だってあなたは、知る機会がなかったんですもの。」



私はそっと耳元で囁く。



「ですが…もしも世間が、ミリィ様が率先して子供たちを売り飛ばしていたと知ったら。

あなたの人生、どうなるかしらね?」




「そ、それはいくら何でも……!」


「クレス様。黙っていてくださるかしら?」


「…………。」



クレスが黙り込む。

もはや、彼に彼女を庇う義理も、気力も残っていない。




「私に…、何かを求めるっていうのかしら…?」



ガタガタと震えながら、ミリィが私を見上げる。


「ふふ。お話が早くて助かりますわ。」



私は不敵に微笑み、次の「契約書」をカバンから取り出した。




最近ウルトラマンにハマってます。

小説書いていると「もうネタが出てこない。無理。」って気持ちになるんですけど、

ウルトラマンが3分前後で怪獣を倒さないといけないことに比べたらマジで些細なことですよね。

私はウルトラマンZが特に好きです。


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