表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/62

27話 双子の現状と決心


カフェテリアの個室。

私は急に呼び出した非礼を二人に詫び、対話を始めた。


「自己紹介が遅れました。ルーラと申します。ルーラ・ハムです。」


「僕はエドモン・ハムです。僕たちは双子で、十二歳になります。」


俯きがちに名乗る二人。


「ルーラさん。エドモンさん。ね。

よろしくお願いいたします。

単刀直入にお伺いしますが、ご兄弟の仲があまりよろしくないのですか?」



最初に話し始めてくれたのは、ルーラだった。


「…。そうですね。

私たちは父、ハム侯爵の…庶子です…。

そのため、兄は私たちのことを認めていません。

それどころかゴミ同然の扱いです。」


「そりゃもう、酷いですよ!

家では下働き、学校でも掃除や面倒な雑用を全て押し付けられて…!」


エドモンが堰を切ったように話し始めた。


「人間であれば皆、ゴミ拾いや授業後の清掃活動は義務になっていますが、僕たちは学校周辺の掃除や、イベント事の準備など…。

あっ、教員の授業の準備や、備品の管理もですね。

なので、勉強する暇はほとんどないほどです…。」


「それは…。もう労働と言っても差し支えないような…。」


「そうですよね…。

でも、もちろん無給です。」


「お父様は助けてくれませんの?お母様は?」


「父は…。兄と同じような感じですね。

母は三年前に亡くなりました。」



ルーラの言葉で会話が止まったので、私は思い切って二人に問う。


「…あなたたちは、今の生活に満足していますの?」


「満足なんて……っ! 逃げられるなら今すぐ逃げたい!

家族どころか使用人にまで邪険にされて、学校では勉強も、友達作りもできないんです!

兄がいる限り、絶対に……!」


エドモンが強く主張し、ルーラは無言だが「その通り」と言っている雰囲気だった。


「そう…。では、あなたたちに選択肢を与えますわ。」



私は口角を最大に吊り上げた。


「『このままゴミとして朽ちる』か、『あなたたちが侯爵家を乗っ取る』か。

どちらがいいかしら?」



沈黙が流れた。

二人はきっと、そんなこと考えたことがなかったであろう。

なぜなら彼らは ()() だから。


(でも、私の権力で今ならどうとでもできる。

まぁ、多少無理はするかもしれないけれど…。)


数分後、震える声でエドモンが叫んだ。


「僕はっ! このままは嫌だっ!」


「エドモン…。私だって嫌よ。

でも…、乗っ取るなんて不可能だわ…。」



「ええ、『今すぐ』は無理ね。

けど、あなたたちが『将来』、本当の意味で侯爵になれるように、私が力を貸して差し上げましょう。

ただし…。あなたたちは私に何をくれるのかしら?」



二人の瞳に、一筋の希望が灯る。

回答は、先ほどよりも速かった。



「イザベル様。この生き地獄を変えていただけるなら…!

私たちに、お力をお貸しください!」


「僕たちは、あなたに忠誠を誓います。

現状を変えられるなら、何だってするつもりです!」



「いい返事ね。では明日から準備を始めましょう。

時間はあまりないわ。

そうね……二日後には変えてしまいましょう。

あなたたちの『将来』をね。」



私は悪役令嬢さながらの、最高に「邪悪で美しい」笑顔を振りまいた。


正直に言えば、二人の待遇は同情に値するが、貴族社会では「よくある不幸」に過ぎない。

本来なら、私がわざわざ手を貸す義理もメリットもないはずなのだ。


私が手を差し伸べる真の理由は別にある。



(侯爵家を掌握すれば、虹の広場と、この『パラダイス学園(搾取の楽園)』にも直接メスが入れられる。

二週間後には次の婚約者候補との顔合わせもあるし、さっさと片付けなくちゃね。)



人間に義務(清掃・納税)を押し付け、異種族に権利(無料食堂・優遇)だけを与えていると、そのうち『もっと』『あれもこれも』となるのだ。


この「逆差別」の毒が領地全体を蝕み、やがて国を壊す前に、根源から断つ必要がある。


(たった一つの領地。けれど絶対無視はできない。

私の小さな体と大きな権力を使って、徹底的にぶっ壊したる!!)



あぁ、そうだ。

大事なことを忘れるところだった。


(ハレムがウザい!だからぶっ潰ーーーーーーす!!!!!)


私は心の中で、今日一番の叫びを上げた。



ルーラが「私」

エドモンが「僕」です。

一応、ルーラが姉でエドモンが弟です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ