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19話 ノアを護衛に任命!



翌朝。



元男爵領を出発する馬車の中で、私はようやくリルとノアから詳細な報告を受けていた。


「そう。まずは、二人ともよくやったわ。

ジンバイに関しては完全にキモ豚化してるけど……。」



(人身売買するための『仲介屋』ね。

これからは裏で処分する奴らは、このジンバイに『処理』してもらえるのは楽だわー。

わざわざ自分たちの手を汚して後始末するより、コスパもタイパも良いし、証拠も残らない。)


「それで、ノア。

回収した情報の精査は終わったかしら?」


「はい。ジンバイの取引先リストです。

元男爵領以外の虹の広場にも取引相手がいました。

それどころか、人間側にも顧客がいるようです。」


「ほんっと、いつの時代のどんな場所でも、上っ面だけ綺麗な言葉を述べて裏では腐ってる人間っているものね…。

ノア、今回はよく頑張ったわね。

私とそんなに年齢は変わらないだろうに…。」


「えっ?

イザベル様はまだ七歳でしたよね。

リルさんは十二歳と伺いました。

私は今年で十八歳になるので、年齢が近いのはどちらかと言うとリルさんかと…。」


「?……ノア。

あなた、今年で十八歳なの?」


「?…はい。」


(外見的に九歳歳くらいかな〜って思ってた…!

まじで少年なんだが?!外見、少年なんだが?!?!

まあそうだよね!警備隊に九歳じゃ入れないよね!!

私どうかしてたわーーーー!!恥ずかし〜!)


私は驚きと恥ずかしさを隠し、「若く見えますわね。」と言った。


「少し若く見られますが、もう立派な大人なんです!」


ノアはそう言って笑ってくれた。


(まぁ…少年に拷問紛いのことをさせているなーって罪悪感があったから…。

十八歳で困ることは全く無いんだけどね!

それにしたって詐欺だろ!詐欺!!)


「ところで、ノアさん、あなた『勇気が出ない』からジンバイやエルフに手を出せていなかったじゃない。

それは克服出来たようで良かったわ。」


「はい。

それはもう、イザベル様のお言葉とお知恵があってこそです。」



ジンバイを捕らえに向かう前、私はノアに「少しのアドバイス」をしただけだった。

前世の記憶から思い出される限りの、人を殺さずに「効率的に屈服させる方法」を。


ーーーー



「ノアさん、あなたが勇気を出せないのは、きっと()()()()()()()()()って思ってるからだと思うの。

復讐って殺すだけでは無いんですよ。

殺すよりも、妹さんみたいに生きながら死んでるような目に遭わせることだってできるんです。」


「こんな外道らを殺さないんですもの。

温情しかないですわ。

だから、気に病む必要ないと思いません?」


「あなたがやらなかったら、この先、復讐できる者はいないまま…。

妹さんのような犠牲者が増えていくでしょうね…。」


「私、ここに来る前にたまたま尋問に必要な『知識』と、それに必要な『道具』もどんな物か、本で読みましたの!

よろしければ、お教えしましょうか?

きっとお役に立てますわ。」


「大丈夫。あなたは『正義の執行人』。

私が場所と、その後の対処全て引き受けます。

あなたの身も、私が責任を持って預かりますわ。」


「だって、あなたの魂を、私は買ったのですもの。

あなたの身の安全は保証します。

だから…ーーー存分にやって良いのですよ。」



ーーーー


そうやって私は『復讐の正当化』と『身の安全』を提示した。


(今回、私は少しアドバイスしただけ…。

あとはノアが勝手に火がついて色々いい感じにやってくれたから良かった。

ポテンシャルの高さも把握できた。

ノアは諜報・暗殺に向いている!)



「あ、そういえば、エルフたちのことなのですが…。」


リルが話し始めた。


「キモ(ジンバイ)クズ(エルフ)たちの処理を頼んだ件ですが、してくれるようです。クズ(エルフ)たちは声が出せませんし、顔も原型を留めていないので、取引相手だったことなんて分からないでしょう。


一応エルフの象徴である長耳だけは片方だけ残っているので、エルフのことを心底嫌っている魔族に売れるだろうとのことでした。

それと、売った代金は私にくれるそうです。」


「そうなのね。リル、上手くやったわね。

どうやって言いくるめたの?」


「ふふっ、すべてイザベル様の作戦の賜物です。

ノアさんが虹の広場にのゴミ捨て場に置いてきたクズ(エルフ)を、私が偶然見つけたフリをして

『怖い…でも、放って置けない…』って言ったら(ジンバイ)が片付けると。


イザベル様が教えてくださった、か弱くも優しい『聖女』のように振る舞うようにしました。」


微笑みながら言うリルは、なんだかイキイキしていた。

こういうの、向いているのかもしれない。



「妹にだけ…、復讐したことを伝えてきました。

復讐は何も生まない、などと言う輩もいますが、そんなことはないですね。

これでようやく、前に進めそうです。」


ノアは感極まって目が潤んでいる。


「そう…。伝えてきたのね。

ノアさん、ご家族と離れて、これから私と一緒に公爵領に来てくれるのよね。

無理にとは言わないけれど。」


「いいんです。

親に公爵領の令嬢の元で働くと伝えたら、喜んで後押ししてくれましたし…。


復讐を終えた今、あの場所の近く(元男爵領の虹の広場)にはなるべく居たくないですし…。」


「分かったわ。

では、ノア。今日からあなたを私の護衛として任命します。

よろしくお願いしますね。」


「はい!お任せください!」


ノアはこの復讐を終えて、とても満足したようだった。



(まじ少年なんだが…。)


そう思う私は、目の前の「騎士」が十八歳だという事実を、未だに脳の片隅で信じられずにいた。



………。


(それにしても…

ベルナルドが言った言葉…。


「お前の国の王が


『貴重な異種族を受け入れることで、この国はさらに多様に、豊かになる。


そのために、異種族にはこの国で自由に、快適に過ごせるように尽力する。』


と言って受け入れてるんだぞ!」


か…。)


「国王の綺麗事のせいで…

ノアの妹は死に等しい目に遭ってるのよね…。

きっと他にも犠牲者はいる…。」


王も、貴族も、この国を動かしている者たちは何を考えているのか?


(まぁ、前世と同じよね…。

自分さえ良ければ…っていう奴らなんだろうな…。)


今後どうしていこうか、考える私であった。



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