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15話 まずは拷…尋問しよう

ちょっとだけグロ注意です。

苦手な方は飛ばしてください。



まず、今回のターゲットは、ノアの妹が消えた服屋の店主ジンバイ。


ノアの調査によれば、彼は『虹の広場』ではなく元男爵領内に、不自然なほど立派な屋敷を構えていた。

店主なのに、護衛も雇っているようだ。

ノアは何度か潜入したが、彼をただ殺すだけではその背後にある「闇のネットワーク」まで辿り着けない。


「一人で忍び込めるなら、話は早いわ。

それなら、こういう作戦にしない?」


作戦を二人に伝え、私は一人、宿屋の私室で悪役令嬢らしく口角を上げた。


私は公爵令嬢なので、護衛の目もあり、深夜に直接現場へ向かうことはできない。

そもそも、私の護衛すら完全に味方とは限らないのだ。

だから、現場の全権はノアとリルに託した。





その夜。

屋敷の寝室で眠るジンバイの天井裏には、ノアとリルの姿があった。


リルが用意した『よく眠れる香』を部屋に充満させる。

その効果は絶大で、ジンバイはさらに深い眠りにつき、外で警備していた男たちも睡魔に抗えず意識を朦朧とさせていた。


二人は音もなく降り立ち、ジンバイの口に追い睡眠薬を流し込む。

仮に目を覚ましても悲鳴を上げられぬよう猿ぐつわを噛ませ、目隠しをし、手足を厳重に縛り上げた。



無防備な警備員たちを尻目に、ジンバイを運び出すのは容易なことだった。



連行先は、かつてリルが暮らした元男爵家の地下尋問室。

今は誰も住まぬ空き家。

そこは、誰にも邪魔されずに拷…尋問を行うには最高の場所だった。



冷たい水を浴びせられ、ジンバイは意識を取り戻した。


「つ、冷たい……! む!? 誰だ貴様は!」


ジンバイが喚く。


「私の顔、見覚えありますか?」


ノアが質問した。


「貴様など知らん! 早くここから解放しろ!

警備隊長は私の友人なんだぞ! すぐに貴様をひっ捕らえてやる!」


「へぇ。

隊長とお友達とは……それは知らなかったなぁ。

まあ、そんなこと今はいいんです。

…お前、子供たちをエルフに売っているな?」


ノアの声が一段低くなった。


「何のことだ! 私は知らん!」


往生際の悪い答えに、ノアは迷わず動いた。

ガシッ、とジンバイの頭を掴み、すぐ側にあった樽の水の中へ叩き込んだ。


「ブハッ……な、何を……!」


「お前に今人権があると思うなよ。

いいか、お前が関係ない言葉を口にするたびに水の中だ。

お前は俺の質問にだけ答えてればいい。」


ノアの口調は、感情が昂るにつれ、私から「俺」へと変わる。


「お前はエルフに子供を売ったな?」


「ブハッ……は、は……い……。

もうやめっ……。」


バシャッ! また頭から樽へダイブさせられ、引き上げられる。


「エルフを含めた、お前の『お得意様』の名を、一人残らず吐け。」


ノアの低く冷え切った声が響く。

ジンバイは鼻から水を噴き出し、震えながら首を振った。


「い、言えん! 言ったら俺が消される!

あいつらは人間を『モノ』としか思っていないんだ、俺だって……!」


「へぇ。自分の命は惜しいんだな。

じゃあ、拷問されてもお前は『言えない』って言うのか試してみようか?」


ノアの手が、ジンバイの右手の爪を掴み、一気に剥がした。

地下室に、豚が屠殺される時のような無惨な絶叫が響き渡る。


「ギャァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

い、言う……! だからやめてくれ!!」


「お前、誰に向かって命令してんだよ。」


ノアはキレているのだろう。

迷わずもう一本の爪を剥がした。


「ウギャァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

ま…待って…ください…い、言わせて…ください…。」


一度決壊すれば、あとは早かった。


ジンバイは痛みに極端に弱かった。

息を切らし、涙と鼻水にまみれながら、呪文のように白状し始めた。


「ハァ……ハァッ……

べ、ベルナルド・ロリーコンという…、王都から来ている…エルフです…。」



ベルナルドを筆頭にしたエルフの名。

そしてそれを見逃している役人の名。


その中には、自慢していた「友人」の警備隊長と、複数の隊員の名前もしっかりと含まれていた。


「それで全部か?

まだ隠していることがあるんじゃないのか?」


ノアが二本目の爪に手をかけると、ジンバイは狂ったように叫んだ。


「な、ない……! 本当だ……!

ハァ、ハァ……帳簿だ……。

私の屋敷の地下にワインセラーがある。

右から二番目の棚、上から三段目のワインにランダムに入れてある……!

そこに取引記録と役人のサインがある!

もう……解放してください……お願いします……!」



「そうか。分かった。

もう解放してやるよ。」



復讐の焔を瞳に宿したノアが、無慈悲に、ジンバイへ最後の一撃を加えようと手を振り上げた。


「――もうやめて……!」


鋭い制止の声。

そこに立っていたのは、リルだった。



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