1-13 勝利
息が切れる。
(……生きてる)
ジェネラルを倒した後、そこには今まで見たことのない大きさの魔石と、小さな剣が一振り落ちていた。
「はぁ、はぁ……やったな」
(余裕じゃろ?)
にやけながら言ってくるアヴァに、思わずにやけ返す。
「ありがとう。おかげでここまで来れたよ」
そう言って、落ちているマントと棒を拾い、巨大な魔石を手に取る。
拾った剣を軽く振ってみる。
(ふむ、これがモンスタードロップか)
(そうみたいだな)
下層の、ある程度の強さの魔物を倒すと落とすとされているアイテム。
(何か効果がついてたりするのか?)
(んにゃ、何もないのう。ただ、切れ味は落ちにくそうじゃな)
そう言って、扉へと歩き出す。
(じゃあ帰るか)
(そうじゃな)
ジェネラルを単独で倒せるようになったアユムにとって、上層の魔物はもはや相手にならなかった。
ただ、薙ぎ倒して進む。
そして――
「出られた!」
外に出る。
太陽はすでに沈み、空は暗くなっていた。
だが、空気は確かに外のものだった。
(……戻ってこれた)
「ん? お前大丈夫か? 変調あったみたいだけど」
門番の男が声をかけてくる。
「あぁ、俺は大丈夫だ。ただ、一緒に落ちたイラを見失った。俺は一人で生還した」
「なるほどな。明日には捜索隊が結成されるだろう。今日は暗いんだ、さっさと帰りな」
「……ああ」
少しの罪悪感を残したまま、帰路につく。
魔石屋で換金すると、魔石は金貨へと変わった。
「今日ぐらいは、いい宿に泊まっても罰は当たらないよな」
(ふふ、好きにするが良い)
各部屋に風呂がついている宿に泊まり――
長い一日が、終わりを告げた。




