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1-11 ジェネラル

元の位置に戻ったが、ナイトの気配はない。


(どこかに行ったか……)


(そうだといいがのう)


そう言って、進む。


暗い闇。


音がない。


気配もない。


(……おかしい)


そう感じ、足取りが重くなる。

それでも、止まらずに進む。


やがて――


五十メートルほど先に、上層へと続く階段を見つける。


(上に上がれば魔物も弱くなるはずだ。生存確率が大分上がる)


(――来るぞ、アユム!走れ!)


言われるより先に、身体が動いていた。


ナイトだと思い込み、振り返る余裕はない。


(振り向いている時間なんぞない。そのまま階段を上がり切るんじゃ!)


(上層にさえ上がれば、魔物は上がってこないはず……!)


距離は十分。


走り抜けられる。


二十メートル。息が切れそうになる。

十メートル。もう目の前だ。


階段にたどり着き、そのまま駆け上がる。


はぁ、はぁ、はぁ……


一難去ったと思い、息を整える。


(ここが四層か……)


そこは、ただ広いだけの空間だった。


何もない。


ただ、空間だけが広がっている。


よく見ると、奥の方に扉がある。


(あれが上層へ上がる扉か……?)


そう思った瞬間――


(アユム!来るぞ!)


(来るって何が――)


言い切る前に。


下層から追いかけてきていた“それ”が姿を現す。


スケルトンナイト――


いや、違う。


「は!?なんで魔物が階層移動を……!」


(構えろ!)


魔物が左手に持つ錫杖を振るう。


――次の瞬間。


突風が叩きつけられる。


なんとか踏みとどまり、体勢を整える。


(何がナイトだよ……あいつはもっと下の層の敵だ)


(ジェネラル……!)


想像していたより、数段強く、大きい存在。


何もない広場。


退路のない状況。


戦闘が、始まる。

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