マニアのいる光景1
「ふっふっふ。」
「………」
「ふっふっふっふ。」
「………」
「ふっふっふっふっふ。」
「………あの、」
「ん?何かな何かな?」
「いや、さ。わかったから。しまってもらっていい?その認定証。」
「ちゃんと理解してくれた?」
「した。」
「凄さをわかってくれた?」
「わかった。」
「私が合格したのは?」
「…マッドサイエンティスト3級。」
「よし。」
「……………はぁ。」
「いや~。充実感。合格ってのはやっぱり気分良いよね。気分が。充実するよね。気分が。上向くよね。気分が。」
「あ~、うん。そうだね、そう、うん。わかる。わかるよ?それは。」
「だ~~よ~~ね~~。」
「……………あの、さ。」
「ん?」
「…その、………すっごく素朴な質問していい?」
「いいよ?」
「その…、マッドサイエンティスト3級ってさ。……………何?」
「……………え?」
「…長い沈黙だったね。」
「え?何?何?何言った?なんて言った?何を言った?何か言った?」
「お、落ち着いて落ち着いて。」
「いやいやいやいや、だってだってだってだってだってさ。」
「はい、深呼吸深呼吸。」
「すーはーすーはー。いやだって」
「深呼吸速い!」
「マッドサイエンティストだよ!?マッドサイエンティスト。マッドなサイエンティスト!!」
「う、うん。そのままだね。」
「いや~………、なんで知らないかなぁ………。じゃあ何?マッドサイエンティストのなんたるかを知らないまま、わかったふりをしてたの?」
「…うん、ごめん。あまりに嬉しそうだったから、つい…」
「じゃあ~わかったふりを貫き通してよ~。なんで途中で心折れちゃうかな~。」
「え、わかったふりをしてた方がよかったの?」
「当たり前じゃない!その方がこっちは気分良いをんだから。」
「そ、そうなんだ。」
「その辺うまいよ~コンちゃんは。資格持ってるから。」
「今宮さんのこと?…資格?」
「うん。空気読み検定2級。」
「そんなのあるの?」
「知らないの?」
「うん。」
「…大丈夫?生活出来てる?」
「そんなに?」
「だってそうでしょ?今のご時世、何をするにも資格を持ってる方が有利だし、どんなものにも資格が存在するの。いい生活は、いい資格から。ボクちゃん祭り囃子三郎も言ってたじゃない。」
「誰!?もしくは何!?」
「ボクちゃんよボクちゃん。ありがたや検定初段の。」
「そこ、祭り囃子検定じゃないんだ。」
「だって祭り囃子は名前だもの。」
「なんて名前だ。苗字はどれだ。ボクちゃんか。どんな一族だ。顔が見てみたいぞ。」
「天涯孤独なの。」
「触れてすいません。」
「許す。器のでかさ検定6級の私が許す。」
「そんなとこにも資格が!?っていうか、6級?…って、どのくらいなの?」
「肩がぶつかって謝られた時に即座に許せたら6級。」
「普通!!普通に出来ること!!資格いらないからそこには!!」
「いるわよ~。いい生活は、いい資格から。オレ様焼き鯖祭り次郎太も言ってたじゃない。」
「誰!?もしくは何!?」
「オレ様よオレ様。土下座検定ゴールドクラスの。」
「オレ様感ゼロ!?」
「だって苗字だもの。」
「どんな一族だ。顔が見てみたいぞ。」
「一家離散なの。」
「触れてすいません。」
「とにかく!資格を笑うものは資格に泣く!御中様方味噌フェスティバル鶴五郎も」
「謎のロングネーム軍団はもうお腹いっぱいです!」
「永遠の独身貴族なのに?」
「なんでどいつもこいつも孤独なんだ!!」
「それだけ資格の世界は奥深いってことよ。わかった?」
「………わかった。わかったってことにしとく。めんどいから。」
「よし。」
「…あ、でも、一個だけ教えたもらっていい?」
「何?」
「マッドサイエンティスト検定って、具体的に何すんの?」
「え~と、3級はね、人体の部分的な機械化実験と、マインドコントロールテスト。あとは、世界征服についての筆記試験。」
「いろいろダメじゃん!!」
つづく
注:この作品はフィクションです。
資格マニア。現実にもいそうな気がします(^_^;




