マニアのいる光景4
本日のマニアな人は、
なにやら、考え方にこだわりがあるようで…
「LOVE、と、LIKE。」
「間を取って、」
「LIVE。」
「いいね。間取ってるね。」
「ライブ見に行くならやっぱり大ホール?それともストリート?」
「間を取って、」
「キャパ300のライブハウス。」
「いいね。」
「ライブハウスにしては大きめだよね。」
「そのライブハウスにお客さんは?」
「120人。」
「いいね。間取ってるね。」
「キャパ300でも本当に300人入ったらきつきつで苦しいもん。トイレにも行けやしない。」
「喉も渇くし。」
「喉が渇いたときに飲むなら?」
「微炭酸。」
「いいね。間取ってるね。」
「爽快感と飲みやすさのバランスね。」
「そう!世の中とは!」
「何事も真ん中!間を取って選択するのがよろしい!」
「使うソースは?」
「中濃ソース!」
「使う小麦粉は?」
「中力粉!」
「好きなミュージシャンは?」
「中村中!」
「憧れの職業は?」
「中間管理職!」
「そう!世の中とは!」
「何事も真ん中!間を取って、中のものを選択するのがよろしい!」
「居酒屋って行く?」
「行く行く。」
「何頼む?」
「生中。」
「いいね。間取ってるね。」
「真ん中が王道だよね。」
「つまみは?」
「枝豆。」
「ふ~ん。」
「ただし!食べるのは真ん中の豆だけ!」
「いいね。間取ってるね。」
「両サイドの豆は真ん中に寄せてから食べる!」
「結局食べるんだね。」
「当然。食べ物への感謝!」
「感謝!」
「そう!世の中とは!」
「感謝の心を忘れずに、真ん中を選ぶのがよろしい!」
「好きな言葉は?」
「ほどほど!そこそこ!まあまあ!」
「好きな道は?」
「中央通り!」
「好きな地方は?」
「中部地方!」
「好きな名字は?」
「真中!もしくは間中!」
「そう!世の中とは!」
「ほどほどに!そこそこに!まあまあに!それが一番、間が取れてていい感じ!」
「ところでさぁ、」
「何?」
「あたしたち、結構長く同棲してるよね?」
「同居と結婚の間。いいね。」
「そろそろ、さぁ………。…結婚」
「言うなぁぁぁぁっっっっ!!!!」
「ひっ!?」
「それは言わないって約束だったたろう!!結婚は幸せの頂点であり人生の墓場!そんな両極端な事象を我等が認可するなどあり得ない!あり得ない!あってたまるものか!!」
「で、でもぉ………。欲しいのよ!あたしは欲しいの!あなたのあたしの真ん中に!あたしたちの子供が!!あたしたちの間を取って生まれてきた子供がっ!!」
「無理だっ!」
「なんでよっ!」
「だって、お前、男だろ。俺も男だし。」
「ちょっと!!男って言わないでよっ!!体は男でも心は乙女!ちょうど間を取って生きてるの!!それが、あたし!!」
「いくらそうでも物理的に無理だから。」
「なによぉ。じゃあ別れる?別れてもいいのよ?あたし、真中のおじさんとこ行くから。」
「それはダメだ!!」
「…どうして?」
「それは………………、…、好きだから。普通、と、愛してる、の、間くらい。」
「…………うふ、本当、間が好きなんだから。」
…価値観は、人それぞれ。
つづく
注:この作品はフィクションです。
真ん中過ぎるのも極端なのかも。




