学校の光景4
「………。」
「まったくもぉ。なんであんなことしたかなぁ?」
「だって…」
「だっても把手も初めましてもないわ。」
「………。」
「言ったでしょ?これは、私の戦いなんだって。ルールを破る奴らとのね。で、キミには、この戦いに関わって欲しくないの。人の善意を全力で信じてるキミにはね。」
「…だけど、」
「だけども火傷もバリケードもないの。」
「………よくそんなにすぐ出て来ますね。」
「頭の回転早いもの。えっへん。」
「…そうですか。」
「ま、それはそれとして。こうなってしまった以上、キミをこれ以上関わらせるわけにはいかないわ。風紀委員としても、私個人としてもね。」
「そんなこと、」
「つん。」
「痛………っ。」
「本当、やめて。私かばって怪我するとか。」
「……………。」
「私も罪悪感感じてるんだからね。これでも。」
「…すいません。」
「………しっかし、丈夫ねぇ。」
「え?」
「普通、三人がかりであれだけ殴られたら、相当効くと思うけど…。あいつらが根負けしてたもんね。最後には。」
「…えぇ。」
「一発の反撃もせず、ただただ仁王立ちで立ちはだかり続ける。どんな暴言にも言い返さずに、ただただ耐え続ける。」
「………。」
「それが、キミの戦い方?」
「…戦い方、と言えば、そうかもしれません。」
「なるほど、ね。」
「………。」
「行動を示し、見せ続ければ、いつかわかってくれる。確かに、あれなら誰も傷つけないわね。キミにとっては、理想的な戦い方、ってわけか。」
「…。」
「けど、キミ自身が傷ついてる。それも、かなり酷く。」
「…それは………、仕方ないことです。僕が、選んだことですから。」
「仕方ない?」
「…はい。」
「本当に、そう思ってる?」
「………はい。」
「ふぅん………。」
「………。」
「じゃあ、それで死んだとしても、仕方ない、で、片付けられるの?」
「え………、」
「冗談じゃなく、死ぬわよ。そんなこと続けてたら。仕方ないとか言ってたら。」
「……………。」
「キミは、自分が傷付つくだけだから。自分が我慢すればいいだけだから。そんな風に思ってるかもしれないけど。キミが傷つくことでキミ以外の人間も傷つくのよ?」
「それは………」
「……………。」
「……………、もしかしたら、そうかも、しれませんけど………。」
「現に、私は傷ついてる。」
「え………」
「…そういうことだから。二度と関わってこないで。じゃあね。」
「あ………」
「……………そんなこと、言われても……………」
つづく
注:この作品はフィクションです。
ありがちな言葉ほど、ありがちな状況では、大切。




