マニアのいる光景2
「なかなかよかったな。」
「このシリーズ久々に当たり来たな。」
「2作目3作目ヤバかったもんな。完全別作品?」
「監督が戻ってきたのは、やっぱでかいよな。」
「『グランプリ』イコール、ハラバルディ監督だよな、やっぱ。」
「『グランプリ』一作目のインパクトは凄かったもんな。ハラバルディカラー全開、って感じ?『サイレントミシガン』よりも個性炸裂で、『2年』よりも興収上だったし。」
「『2年』は惜しかったよな~。後半失速したのがマジで悔やまれる。『4年半』くらい仕掛けまくってもよかったんじゃない?」
「『4年半』はやり過ぎ。」
「あ、やっぱり?」
「『4年半』は後半仕掛け盛り込みすぎてテーマ忘れちゃってたじゃん。『ラージサイクロン』より酷かったぞ。」
「竜巻から怪獣になっちゃった、あれ?」
「そう。あれ。」
「あれ?」
「あれ。」
「あれ~。」
「…お前好きだね~それ。『ペントリウスのキラ星大騒動』。」
「面白いでしょ?」
「何百回も見せられたら飽きるっての。」
「飽きないけどなぁ俺は。ペントリウスの、あれ~。」
「まぁ、最初見たときは爆笑したけどな。」
「だろ?」
「っていうか、そろそろ注文しない?ファミレス入ってドリンクバーすら頼んでないし。」
「そうだな。メニューメニュー………、なににしよ?」
「期間限定商品。柚子胡椒チキンソテー。」
「なんか旨そうじゃん。」
「いや、でもなぁ。『新横町の黄昏』の、おばちゃんのチキンソテーを見ちゃってるからなぁ。」
「あれは至極だよな。絶対だもん。」
「絶対食うよな。間違いなく。」
「なんであんな旨そうなんだろ。」
「やっぱ雰囲気じゃない?店の感じと、おばちゃんの感じと、あと、まろちゃん。」
「まろちゃんやばいな。」
「やばかった。超だもん。」
「あれはふにりたいよな。」
「絶対だもんな。」
「そういえばさ、」
「ん?」
「論争になったことあったじゃん。」
「どっちが旨いか論争?」
「そ。おばちゃんのチキンソテーと、オヤジの野菜カレー。」
「あれは凄かったな。ある意味不毛でもあったけど。」
「『鮫山藤司の邂逅』と『アルバムマスター』。どっちが名作だ、っていう論争と同じくらい不毛だったな。」
「どっちもすごいもんな。」
「そういえばさ、」
「ん?」
「あれ、なんだっけ、あれ。」
「………。」
「あれ。あれ。」
「………………。」
「あれ~。」
「………そう何度もフォローしてやると思うなよ。」
「え~。」
「しつこいんだよ。何度も何度も。『きこりのサンダリアン』か。」
「おい!それは言い過ぎじゃないか?いくらなんでも、『きこりのサンダリアン』よりはしつこくないぞ。」
「しつこいよ。『きこりのサンダリアン』のキノコ祭りのくだりくらいしつこいよ。」
「そ!それはないわ。いくらなんでもそれはないわ。そこまでしつこくはないわ!」
「自覚がないって怖いな。俺にはお前とサンダリアンがばっちり重なって見えてるぞ。」
「あれ~。」
「そういうところな。」
「…冷静だねぇ、お前。『挨拶代わりの延髄切り』の上蓼科ヨシノジョウかよ。」
「あれは冷静っていうより淡白だろ?『湖水』っていうより『フィーリングフィーリング』って感じ。」
「っていうかさ。そろそろ注文しようぜ?」
「すっかり忘れてたな。何にする?」
「キノコソテー。」
「『きこりのサンダリアン』か!!」
「そういうお前は『きこりのサンダリアン2』か。」
「まさか『きこりのサンダリアン』に、二作目が作られるとは思わなかったよなぁ。」
「意外と好評だったのかね?後の評価?『5時間後のキスマーク』的な?」
「あるある。」
…映画マニア同士の会話は、注文を忘れてまだまだ続く。
つづく
注:この作品はフィクションです。
マニアックな会話を目指してみたら、謎の名詞がてんこ盛り(^_^;




